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【闘病】物が二重に見える…30代で『重症筋無力症』に。「難病は自分には関係ないと思っていました」(2/2ページ)

 更新日:2025/03/05
物が二重に見える…30代で『重症筋無力症』に。「難病は自分には関係ないと思っていました」

病気になって気づいたことは、これからの人生に活かされていく

病気になって気づいたことは、これからの人生に活かされていく

編集部編集部

闘病に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。

森口貴美さん森口さん

家族の存在や、いつもそばで支えてくれている友人や同病の友人が心の支えです。今は、20数年前から温め続けていた「生きづらさを抱えた人と社会をつなぐ架け橋になる活動」を楽しんでいます。

編集部編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

森口貴美さん森口さん

大丈夫! あなたなら乗り越えられるよ! これからの想いや経験が必ず自分の財産になるから」と伝えたいですね。

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

森口貴美さん森口さん

ステロイドプレドニン・プレドニゾロンを毎日12mg、プログラフ2cap、メスチノンを1日3回、そのほか胃薬・整腸剤、緑内障目薬などを服用しています。服薬と併用して、薬だけでは改善されない部分を補うために点滴治療も数年受け続けています。これまで、免疫治療である静注用ベニロン点滴と人免疫グロブリン点滴を数年続けました。令和に入り、抗補体治療のソリリス治療に切り替え、現在は1年前程前から作用の期間が長いユルトミリス治療を 2カ月に一度の頻度で受けています。点滴治療と服薬はありますが、数年前に比べて、スケジュールの管理も楽になりました。普段はヘルパーさんに来ていただいて、洗濯や、入浴介助を受けています。

編集部編集部

「重症筋無力症」を意識していない人に一言お願いします。

森口貴美さん森口さん

発症前まで、難病は自分には関係ないと思っていました。ですが世の中には痛みのない症状でも難病と診断されることもあります。体に普段と違う症状が出たらよく観察して、継続するような場合には念のために病院を受診したり、詳しい人や機関に相談したりすることも大切だと思います。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

森口貴美さん森口さん

いつも良くしてくださる医師や医療従事者の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。難病と一口に言っても出る症状には個人差があります。重々承知かと思いますがあえて何かお伝えさせていただけるのであれば、病気を一塊で判断をせずに個人に適した手助けをしていただけるとありがたいです。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

森口貴美さん森口さん

みんなそれぞれ与えられた命と身体を大切に生きています。ですが、人生は何が起きるか分かりません。そんな時、周りの方のお力添えが必要になります。ほんの少しの優しさや手助けで社会に出ることのできる人がたくさんいます。街で困っている人を見掛けたら、その優しさを分けていただけると嬉しいです。

編集部まとめ

森口さんは難病になったことで、信頼できる医師との出会いや同病の友人との絆、周囲の人たちの優しさなどに触れ、失ったものより得たものの方が多かったそうです。ご自身の経験を通して、病気を抱える人たちへ、「難病になってもあきらめないでください。あなたは決して1人ではありません。いつの日か必ず笑顔で過ごせる日が訪れます」という温かいメッセージをくださいました。なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師

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