コーヒーの飲み過ぎは健康に悪い? 飲み過ぎによる症状と正しい飲み方を管理栄養士に聞く
コーヒーを飲み過ぎた時に、体にどんな影響があるか気になっていませんか? カフェインが豊富なコーヒーは、眠気覚ましやリフレッシュに役立つ反面、摂取量に気をつけないと病気に繋がることもあると言います。今回は、コーヒーを飲み過ぎた時に起こる症状・対処法と、飲む際の注意点について、管理栄養士の丹羽さんに解説していただきました。
監修管理栄養士:
丹羽 琴美(管理栄養士)
目次 -INDEX-
コーヒーを飲み過ぎることで起こる症状とは 飲み過ぎることで病気に繋がる可能性もある?
編集部
コーヒーを飲み過ぎると、どんな症状・副作用が起こるのでしょうか?
丹羽さん
※参照:農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
編集部
コーヒーでカフェインの摂り過ぎが続くと、病気になることはありますか?
丹羽さん
※参照:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
編集部
コーヒーを飲み過ぎると、エナジードリンクと同様にカフェイン依存症になりますか?
丹羽さん
そうですね。コーヒーも飲み過ぎてしまうと、カフェイン依存症になってしまう可能性があります。カフェイン依存症は、カフェインが切れると集中力が落ちたり、イライラしたりするのが特徴です。その結果、さらにカフェイン摂取をやめられなくなってしまいます。症状がひどく死亡してしまった例もあるため、過剰摂取には十分注意しましょう。ただ、コーヒーは適正の量を守れば体にうれしい効果がありますよ。
編集部
正しい摂取量を守った場合、コーヒーは体にとってどんなメリットがあるのでしょうか?
丹羽さん
まず、コーヒーに含まれるカフェインは、脳を活性化させる効果があります。さらに、カフェインは利尿作用があるため、むくみ解消に効果的です。また、コーヒーはポリフェノールが多く含まれているのも魅力のひとつです。ポリフェノールの抗酸化作用は、肌を健康に保ったり、生活習慣病予防をしたりするのに役立ちます。コーヒーの成分が肝硬変や肝疾患の予防になるという研究もあります。
コーヒーの適量はどのくらい? 1日の摂取目安量とおすすめの飲むタイミングを紹介
編集部
カフェインによる悪影響を受けないためには、コーヒーは1日何杯までなら飲んでよいのでしょうか?
丹羽さん
コーヒーの適正な摂取量として、健康な成人でマグカップ約3杯までがおすすめです。カナダ保健省が、カフェインの適正量を1日400mgまでと発表しており、コーヒーに換算するとマグカップ3杯にあたるためです。
編集部
妊婦さんやお子さんの、コーヒーの目安摂取量はどのくらいですか?
丹羽さん
妊婦さんの場合、1日のコーヒーをマグカップで2杯程度、カフェイン量でいうと200mgに抑えるのがおすすめです。妊婦さんがカフェインを摂り過ぎると、子どもが低体重で生まれてしまう可能性があるためです。10~12歳のお子さんの場合、1日にカフェイン85mg、コーヒーでいうとカフェオレをマグカップに約1杯までが推奨されています。子どもはカフェインの影響が大人よりも出やすいため、要注意です。
編集部
コーヒーを飲む際、不眠や胃腸障害などの症状が出にくいタイミングはありますか?
丹羽さん
眠れなくなるのをさけるには、寝る時間から逆算して、8時間前にはコーヒーを飲み終わるのが理想です。カフェインを摂取してから2~8時間は、体内で覚醒作用が働く可能性があるからです。時間帯には個人差があるため、自分の体に合わせて考えてみてください。また、胃腸障害を予防するために、空腹時はなるべくさけるのがおすすめです。
コーヒーを飲み過ぎたらどうしたらいい? 飲み過ぎないようにするポイントを併せて解説
編集部
コーヒーを飲み過ぎたと感じたら、どのように対処すればよいでしょうか?
丹羽さん
コーヒーを飲み過ぎた時の対処法として、水や白湯を飲むのがおすすめです。水分は、体内のカフェインの作用を和らげ、排出させるのに役立ちます。また、症状が重い場合は病院にかかるのもひとつの手です。ただ、一番は飲み過ぎないようにすることなので、日頃から注意しておきましょう。
編集部
コーヒーを飲み過ぎないようにするための、コツやポイントを教えてください。
丹羽さん
空腹時やのどが渇いている時は、コーヒーを飲まないようにするのがポイントです。タイミングを意識すれば、思わずたくさん飲んでしまうこともありません。また、カフェラテにすることで、コーヒーの成分であるカフェインやタンニンが薄まり、過剰摂取を防げます。カフェインレスコーヒーを使うのもひとつの手ですね。また、コーヒー以外にも、カフェインを多く含む食べ物の摂り過ぎには気をつけましょう。
編集部
コーヒー以外に、カフェインが多い食べ物は何があるのでしょうか?
丹羽さん
代表的なものだとエナジードリンク、ほかには紅茶・煎茶・ほうじ茶・ウーロン茶などにもカフェインが含まれます。特にエナジードリンクは、商品によってはコーヒーの2倍のカフェインが含まれているため、注意が必要です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
丹羽さん
コーヒーの危険性や注意点を解説させていただきましたが、カフェインやタンニンなどの実際の作用や、体の反応は人それぞれです。また、コーヒーは適量を守ればメリットが多い飲み物でもあります。この記事を参考に、ご自分の体質に合ったコーヒーの飲み方を意識してみてくださいね。
編集部まとめ
コーヒーを飲み過ぎると、カフェインが中枢神経や消化器官を刺激して、体の不調を引き起こします。症状を引き起こさないためには、コーヒーは健康な成人で1日マグカップ3杯までにするのがベターです。正しい知識を知り、実践することでコーヒーのよい効果を引き出していきましょう。