ボトックスとヒアルロン酸の違いを美容皮膚科医が解説 どちらを選ぶか悩み別の施術も紹介
美容皮膚科の治療として一般的におこなわれている「ボトックス」と「ヒアルロン酸」の注射。どちらも表情を若々しく見せるのに効果のある治療であるため、どちらを選べばいいか迷う人も多いのではないでしょうか。今回は両者の違いやメリット・デメリット、選び方について、「CHARIS BEAUTY CLINIC」の西平先生に解説していただきました。
監修医師:
西平 守明(CHARIS BEAUTY CLINIC)
目次 -INDEX-
美容皮膚科医に聞くボトックス注射の特徴やシワ取りなどの効果、施術のメリット・デメリット
編集部
まず、ボトックスの効果について教えてください。
西平先生
ボトックスは、筋肉を柔らかくする製剤です。主に顔へ注射することによって、美容の悩みを改善します。
編集部
具体的に、どのような悩みの改善に効果が期待できるのですか?
西平先生
・表情筋によるシワの改善
額、眉間、目尻など、シワが気になる部分の筋肉にボトックスを注入することで、シワの改善を目指します。
・筋肉萎縮による小顔、痩身効果
例えば「咬筋」という筋肉が必要以上に発達していることが原因であるエラ張りには、咬筋にボトックスを注入することで筋肉の働きを抑制し、小顔に見せる効果が期待できます。また、ふくらはぎなど筋肉の膨らみが目立つ部位に注入することで発達した筋肉を小さくし、ほっそりと見せることが期待できます。
・汗止め
ワキに注入することにより汗腺の働きを抑え、ワキガや多汗の改善を目指します。
編集部
ボトックス注射のメリットはなんですか?
西平先生
- 注射を打つだけなので手軽に効果が得られる・ダウンタイムが短い
- 体への負担が少ない
編集部
反対に、ボトックス注射のデメリットはありますか?
西平先生
治療をする部位にもよりますが、一般にボトックス注射の持続効果は3~6カ月程度とされています。そのため、効果を持続させるには継続して治療を受ける必要があります。また、施術者の技量によっては表情が不自然になったり、まぶたが下がったりすることもあります。ただし、この場合は時間が経つにつれて解消します。
編集部
誰でもボトックス注射を打つことができるのですか?
西平先生
治療後数カ月は避妊をしなければならないため、妊娠を望む女性はボトックス注射を受けることができません。
ヒアルロン酸注射の特徴やシワ取りなどの効果、施術のメリット・デメリット
編集部
次に、ヒアルロン酸注射の効果について教えてください。
西平先生
ヒアルロン酸はもともと体内にある物質で、肌の水分量を保ったり、弾力を維持したりする成分です。ヒアルロン酸を注射によって補うことで、シワや溝を薄くしたり、顔全体をリフトアップしたり、若々しく見せたりする効果を期待できます。
編集部
なぜ、ヒアルロン酸を注射することで効果が得られるのですか?
西平先生
大きく分けて2つの理由があります。1つ目は「ヒアルロン酸を入れることでヒアルロン酸の体積分、ボリュームアップを図ることができる」、2つ目は「ヒアルロン酸を注射することで骨のボリュームアップを目指すことができる」からです。そもそも加齢に伴い顔が下がって見えるのは、顔の骨が萎縮するのが原因です。そのため、ヒアルロン酸を注射することで骨のボリュームをアップし、リフトアップを図るのです。
編集部
ヒアルロン酸注射は、どんな人におすすめですか?
西平先生
- お顔全体のリフトアップをしたい
- こめかみをふっくらさせたい
- 頬のコケを改善させたい
- ほうれい線を薄くしたい
- マリオネットラインを薄くしたい
- 唇をボリュームアップしたい
- 鼻を高く、鼻筋を通したい
- あごを作ってEラインを改善させたい
- 額を丸くしたい
編集部
ヒアルロン酸注射のメリットとデメリットを教えてください。
西平先生
ボトックス注射と同じく、注射を打つだけなので非常に手軽で、体への負担が少ないのがメリットです。また、ダウンタイムが短く、処置後すぐに効果を実感できるのもメリットと言えるでしょう。反対にデメリットは、効果が永続的ではなく、一般に効果が持続するのは6~18カ月とされています。そのため、効果を持続するには治療を継続する必要があります。
編集部
ヒアルロン酸注射によるダウンタイムはありますか?
西平先生
ダウンタイムは短いとはいえ、注入後少し膨らんだり、内出血や浮腫、軽度の痛みが生じたりすることもあります。ほとんどの場合1~2日で治りますが、もし長引くようなら医師にご相談ください。
シワやたるみを取るならボトックスとヒアルロン酸どっち?選び方や注意点、施術の流れを美容皮膚科医が解説
編集部
シワをとるならボトックスとヒアルロン酸、どちらがいいのでしょうか?
西平先生
ボトックス | ヒアルロン酸 | |
成分 | ボツリヌス菌が産生するボツリヌストキシン | 体内に存在する成分 |
効果 | 筋肉を一時的に弛緩させ、筋肉の働きを抑制する | 皮膚のボリュームをアップさせる |
症状 | シワ、エラ、ワキガ、ふくらはぎの張り | シワ、ほうれい線、マリオネットライン、頬などのコケ |
効果が出るタイミング | 3日後 | 直後 |
持続期間 | 3~6カ月 | 6~18カ月 |
編集部
どちらもシワに効果があるようですが、どちらを選べばいいのですか?
西平先生
一般に、ボトックス注射は筋肉の働きを抑制するため、「表情を動かすときにできるシワ」に効果が期待できます。一方で、ヒアルロン酸は皮膚をふっくらさせるため、「表情を動かさなくてもできるシワ」に効果が期待されます。
編集部
なるほど、シワの特性によって使い分ければいいのですね。
西平先生
はい。例えば、笑ったときに目尻にシワができる場合にはボトックス注射が適していますし、ほうれい線やマリオネットラインのように表情を動かさなくても固定されているシワにはヒアルロン酸注射が適しています。また、頬がコケている場合など、表情を若々しく見せたい場合にはヒアルロン酸注射がおすすめです。迷ったら専門医に相談し、どちらがご自分に適しているか、判断してもらうといいでしょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
西平先生
ヒアルロン酸とボトックスはどちらもよく知られた治療ですが、両方とも注射を打つだけという点で似ており、「自分の悩みを解決するにはどちらを施術したらいいのかわからない」という人も多いと思います。迷ったらぜひ、カウンセリングでご相談ください。ヒアルロン酸とボトックスは、それぞれ適用となるお悩みが異なるため、両方とも施術している人も少なくありません。基本的に、同日に2つの治療をおこなうことができますから、興味があればカウンセリングでご相談ください。
編集部まとめ
シワやたるみなど、美容の悩みを解消するものとして多くの人が施術を受けているボトックスとヒアルロン酸。手軽に受けることができ、ダウンタイムも短いので気軽に受けることができるのがメリットとのことでした。ただし、期待した効果を得るには、施術者の技量がものをいうため、経験豊富な医師を選ぶことが大切です。
医院情報
所在地 | 〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場3丁目9-3 心斎橋MTビル3F |
アクセス | 「心斎橋駅」 徒歩5分 |
診療科目 | 美容皮膚科 |