まだ若いのに「顔のたるみ」が気になる… 加齢以外の“意外な原因”と対処法を医師が解説!

年齢を重ねるにつれて気になってくる「顔のたるみ」。スキンケアではなかなか改善されず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。顔のたるみの原因や日常生活でできる対策、医療の選択肢などについて、「上石神井手の外科・形成外科」の青木先生に解説していただきました。

監修医師:
青木 伸峰(上石神井手の外科・形成外科)
目次 -INDEX-
顔のたるみの原因

編集部
顔のたるみは、なぜ起こるのでしょうか?
青木先生
顔のたるみは、加齢によって皮膚や筋肉、脂肪の構造が変化することで起こります。コラーゲンやエラスチンの減少により皮膚の弾力が失われ、重力に逆らえず下がっていきます。加えて、筋肉の衰え、脂肪の下垂、骨の萎縮など複数の要素が関係して、たるみが進行していきます。
編集部
若いのにたるみが気になる人もいます。原因は何でしょうか?
青木先生
まず、1つ目は「日常の姿勢」です。特にスマートフォンやパソコンを使う時間が長く、うつむいた姿勢が続くと、重力の影響を受けやすくなり、たるみの原因となります。若くても、こうした生活習慣の影響でたるみが早く出てしまうことがあるのです。
編集部
表情もたるみに関係すると聞きましたが、それはどういうことですか?
青木先生
表情を作っているのは「表情筋」と呼ばれる様々な筋肉です。無表情で過ごす時間が長いと表情筋が使われず、徐々に衰えていきます。筋肉が衰えると皮膚を支えきれなくなり、たるみにつながるのです。意識的に表情を動かすことや、よく話したり笑ったりする習慣などがたるみの予防や改善につながります。
編集部
そのほかの要因には、どのようなものがありますか?
青木先生
「急激に痩せたとき」は、皮膚がたるむ原因となります。また、「紫外線」や「乾燥」もたるみの大きな原因です。紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンを破壊し、弾力を低下させます。また、乾燥は肌のバリア機能を弱め、たるみやしわができやすい状態にします。日々のスキンケアやUV対策が重要です。
たるみの予防法・改善法

編集部
たるみの予防法や改善法についても教えてください。
青木先生
たるみの要因に対して、一つひとつ対応していく必要があります。例えば、通称「顔ヨガ」と呼ばれるような表情筋をしっかり使うようなフェイスエクササイズや、正しい姿勢の維持、保湿を重視したスキンケアが基本です。また、紫外線対策を怠らないことも大切です。日常的に肌をいたわり、筋肉を意識的に動かす習慣がたるみの予防や改善につながります。
編集部
それでも気になる場合はどうしたらいいのでしょうか?
青木先生
見た目の変化によって、自信をなくしたり、人と会うことをためらったりすることも少なくありません。1人で抱え込まず、美容皮膚科などに相談することをおすすめします。
編集部
たるみに対するクリニックでの治療法にはどのようなものがありますか?
青木先生
高周波や超音波、レーザーなどのエネルギー系機器を使った非侵襲的な治療から、ヒアルロン酸やボトックスの注入、さらには皮膚を切開するような手術的な治療まで幅広くあります。最近は、皮膚の深い層に超音波の熱エネルギーをピンポイントで照射するHIFU(ハイフ)も一般的になってきており、たるみが気になるけれど手術には抵抗がある人に喜ばれています。それぞれメリット・デメリットが異なるので、まずは状態や自分の希望などをカウンセリングしてもらい、適した方法を提案してもらうといいでしょう。
たるみ治療の効果や費用

編集部
一度治療をすれば、たるみは完全に元に戻らないのでしょうか?
青木先生
たるみは加齢とともに進行するものなので、永久に止めることはできません。ただし、早期に適切な治療をおこなうことで、改善や進行の抑制は可能です。一度整えた状態をキープするためにも、先述のケアを継続していくことが大切になります。
編集部
費用も気になります。
青木先生
基本的にたるみ治療は保険が適用されないため自由診療となり、それぞれの医療機関によって費用は異なります。ただし、例えば視野障害を伴う眼瞼下垂など機能的な問題がある場合は、保険適用となることもあります。治療前にきちんと確認してからおこなうことをおすすめします。
編集部
ほかに、たるみ治療について知っておいた方がいいことはありますか?
青木先生
実際のところ、慢性の炎症を伴う皮膚疾患(例えばアトピー性皮膚炎や慢性湿疹など)でも、真皮コラーゲンにダメージが蓄積し、肌質の低下、たるみの原因となり得ます。こうした疾患に対して適切な治療を提供し続けることも予防として重要だと考えます。アトピーやアレルギーの治療をきちんとおこなうことで、将来的なたるみ予防になるということです。最近では抗老化目的のサプリメントなども多数出ているので、気になったら医療機関で相談してみてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
青木先生
顔のたるみは命に関わる症状ではありませんが、改善することで得られる満足感は大きく、表情や気持ちに前向きな変化をもたらします。当院でも高齢者を含む多くの患者さんがたるみ治療を受けており、治療後は笑顔が増えています。無理なく通えること、安心して相談できることが美容医療においては大切な要素で、当院でも保険診療・自費診療の枠を超えて、それぞれの希望を伺いながら最適な治療を提案できるよう努めています。肌の悩みについて気兼ねなく相談できる“お肌の主治医”を見つけてほしいと思います。
編集部まとめ
顔のたるみは、姿勢や表情のクセ、紫外線など、日々の生活習慣も大きく影響しています。気になるサインに気づいたら、まずは専門医に相談することが予防や早期改善の第一歩かもしれません。気になる場合はまず、お近くの美容皮膚科に相談してみてはいかがでしょうか。
医院情報
所在地 | 〒177-0044 東京都練馬区上石神井1-40-13 第7田中ビル1階 |
アクセス | 西武新宿線「上石神井駅」 徒歩4分 |
診療科目 | 形成外科、整形外科、皮膚科、美容皮膚科 |