「眉下切開」は痛い? ダウンタイムの期間は? 術後トラブルを避けるポイントも医師が解説!

目元をすっきりさせ、たるみを改善する効果が期待できる「眉下切開」。しかし、興味はあっても「手術後、トラブルに巻き込まれた話を聞いたことがある」「痛みやダウンタイムなどが気になる」という人も多いかもしれません。そこで、手術の実情や手術後のトラブルを回避するポイントなどについて、「麗ビューティー皮フ科クリニック」の松村先生に解説していただきました。

監修医師:
松村 迪(麗ビューティー皮フ科クリニック)
眉下切開とは?

編集部
まず、眉下切開について教えてください。
松村先生
眉下切開は「眉下リフト」とも呼ばれ、眉下のたるんだ皮膚を切開して目元をスッキリ見せるための手術です。日帰りで手術をすることができ、傷跡も残りにくいので現在、人気となっています。
編集部
眉下切開は、どのような人に適しているのでしょうか?
松村先生
- 上まぶたが厚く、腫れぼったい
- 二重のラインがたるみのために一重になっている
- 二重にしたくないが、まぶたのたるみをスッキリさせたい
- 加齢とともに目尻が下がってきた
編集部
二重を強調せず、上まぶたをすっきり見せたいという人に適しているのですね。
松村先生
はい。当院を例に挙げると、30代後半から50代や60代で、眉下切開を受ける患者さんが多くいらっしゃいます。その多くは、「目元をすっきりさせて、昔の自分に戻りたい」というニーズを持っています。眉下切開は、不自然な方法で二重まぶたを強調することなく、自然でマイルドな方法でたるみを取ることができるので、患者さんに喜ばれています。
編集部
まぶたをすっきり見せるほかには、どのような効果がありますか?
松村先生
たるみが取れることで、二重のラインが自然と見えるようになるのもメリットと言えるでしょう。また、まぶたが重い人は、無意識に額の筋肉を使って目を引き上げる癖がついており、額にしわが刻まれていることも少なくありません。眉下切開をすることで上まぶたがすっきりするため、しわが改善されることもあります。加えて、まぶたが重くなると眼精疲労が起きることもあるため、目の疲れの軽減も期待できます。
眉下切開の方法とダウンタイム

編集部
眉下切開はどのようにおこなうのですか?
松村先生
まずはカウンセリングでまぶたの状態を確認し、患者さんの希望を伺いながら、切除する皮膚の形や量をデザインします。その後、手術で余分な皮膚を切除します。当院では局所麻酔で手術をおこないますが、場合によっては笑気麻酔や静脈麻酔を併用することもあります。
編集部
その後は?
松村先生
皮膚を引き上げながら縫合します。通常、術後7日目に抜糸となります。目元の洗顔やメイクは抜糸後翌日から可能です。傷跡はしばらく赤味が出ますが、最終的には目立たなくなります。
編集部
ダウンタイムはありますか?
松村先生
手術後には内出血が出たり、違和感を覚えたりする場合があります。腫れやむくみが完全に落ち着くまでは1~3カ月程度かかることがあります。
編集部
傷跡は本当に目立たないのでしょうか?
松村先生
通常、眉下切開は眉の下の際を切開するので、傷は目立ちにくいとされています。また、術後は3日間ほど痛みが出ることもありますが、クリニックから鎮痛剤が処方されると思うので、適宜使用してください。
眉下切開でよくあるトラブル

編集部
眉下切開の手術では、どのようなトラブルが考えられますか?
松村先生
眉下切開は非常に安全性が高く、トラブルの少ない手術ですが、麻酔を使ってメスを入れます。そのため、非常に稀ですが、ほかの手術と同様に感染、血種、創部離開などのリスクを伴うこともあります。また、皮膚のたるみを切除する量が少なすぎる、あるいは多すぎるといったことでトラブルになることも考えられます。
編集部
たるみの切除が少なかったり、多すぎたりするとどうなるのですか?
松村先生
例えば、たるみの切除が少なければ、期待した通りの効果が得られず、たるみが残ってしまうことがあります。反対に、たるみの切除が多すぎれば、目を閉じるときに違和感を覚えることがあります。
編集部
そのような場合、どうするのでしょうか?
松村先生
実際にはほとんどありませんが、たるみの切除が少なければ再手術になることもあります。一方、たるみの切除が多い場合には、再手術することはほぼありません。時間の経過とともに、加齢に伴って再びたるみが生じてくるので、目を閉じるときの違和感は改善していくと考えられます。
編集部
そのトラブルを回避するには、どうしたらいいでしょうか?
松村先生
手術後の状態を完全に予想するのは、ベテランの医師であっても困難です。というのも、眉下の皮膚を切除することで眉毛が下がることもあるのですが、どの程度眉毛が下がるのかを正確に予測することは難しく、実際に手術をしてみないとわからないからです。そのため、患者さんに気をつけていただきたいのは、まずはカウンセリングで医師としっかり話し合うこと。そして、納得いく説明をしっかりしてもらってから、手術に臨んでほしいと思います。
編集部
手術前のカウンセリングが大事なのですね。
松村先生
はい。当院では、必ず医師が患者さんと対面し、カウンセリングをおこなっています。クリニックのなかには、医師ではなくカウンセラーがカウンセリングをおこない、手術当日まで担当医師に会う機会がないという話を聞いたことがあります。しかし、美容医療の手術では、医師が責任を持って説明をする必要がありますし、多少なりとも医師の好みやセンスが出ます。そのため、事前に医師と相性を確認しておくことがとても大切です。手術を受けるにあたっては、カウンセリングで医師と対面し、医師と直接話ができる医療機関を選択することをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
松村先生
眉下切開は、お顔の印象を大きく変える手術ではなく、いってみればアンチエイジングに近い内容です。「手術」と聞くと怖いというイメージを持つ人もいらっしゃるかもしれませんが、それほど身体に負担の多い手術ではなく、日帰りで受けることができます。もし、目元のたるみで悩んでいる場合には、ご相談いただければと思います。
編集部まとめ
目は他人に大きな印象を与える部位。「若い頃のすっきりした目元に戻りたい」という場合、眉下切開は有効です。最近は男性で眉下切開を受ける人も増えているそうなので、悩んでいる場合にはぜひ、医療機関に相談してみましょう。
医院情報
所在地 | 〒525-0037 滋賀県草津市西大路町4-32 クサツエストピアホテル1F |
アクセス | JR「草津駅」 徒歩3分 |
診療科目 | 皮膚科、美容皮膚科 |