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眼瞼下垂の受診目安は? こんな特徴・症状があったら要注意!?

公開日:2021/08/15  更新日:2021/08/20

まぶたが垂れ下がることによる“見えの不具合”は、比較的、体感しやすいものと思われます。しかし、治療を受ける線引きをするとなると、なかなか難しいでしょう。そこで、受診の目安となるセルフチェックの方法を、「元町マリン眼科」の蓮見先生に伺いました。

蓮見由紀子

監修医師
蓮見 由紀子(元町マリン眼科 院長)

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信州大学医学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修了。国内の眼科勤務や米国国立衛生研究所(NIH)研究員を経た2020年、神奈川県横浜市に「元町マリン眼科」開院。生まれ育った地元で地域医療に尽くしている。医学博士。日本眼科学会専門医。横浜市立大学附属病院非常勤講師。日本眼炎症学会、日本眼形成再建外科学会、日本眼感染症学会、日本眼科手術学会の各会員。

受診目安は黒目の中心が見えているかどうか

受診目安は黒目の中心が見えているかどうか

編集部編集部

加齢などでまぶたが垂れ下がると、身体上の支障を伴うと聞きます。

蓮見由紀子蓮見先生

たしかに、その可能性は考えられますね。「眼瞼下垂(がんけんかすい)」呼ばれている疾患と、その合併症のことです。セルフチェックするのであれば、「目に現れる項目」と「目以外に現れる項目」を、それぞれ確認してみてください。

編集部編集部

では、「目に現れる項目」から解説をお願いします。

蓮見由紀子蓮見先生

わかりやすいのは、力まずに目を開けたときに、「上まぶたで黒目の中心が隠れてしまっているかどうか」ですね。鏡を使って確認してみてください。眼瞼下垂がひどいと、朝、目を開けられなくなる人もいらっしゃいます。

編集部編集部

ちなみに、目の下にできる「ぷっくりとした膨らみ」は別物ですよね?

蓮見由紀子蓮見先生

はい。それは眼瞼下垂ではなく、目袋といって目の周囲にある脂肪の塊が、たるんだ皮膚や皮下組織を後ろから押し出しているのです。崖崩れをイメージしていただければわかりやすいと思うのですが、崖下にたまった土砂が「ぷっくりとした膨らみ」に相当します。セルフチェック項目の趣旨とは離れますが、眼瞼下垂と同時期に起きがちな老化現象ともいえますので、眼瞼下垂を疑ってみるきっかけになるかもしれません。

編集部編集部

総じて眼瞼下垂は、まぶたの皮膚の「伸び」と捉えればいいでしょうか?

蓮見由紀子蓮見先生

そうとも限りません。まぶたを動かす筋肉の萎縮もあり得ます。また、筋肉は正常でも、まぶたとのつながりが弱まってくると、十分に開閉できません。総じて、「目の周辺の運動器官の衰え」といっていいのではないでしょうか。

目以外では、姿勢としわに注目

目以外では、姿勢としわに注目

編集部編集部

続けて「目以外に現れる項目」についてお願いします。

蓮見由紀子蓮見先生

明らかな項目としては「姿勢」です。まぶたで瞳孔が覆われてしまうと、顎を上げて見ようとします。当院でも、壁に貼ってあるキャラクターのポスターを患者さんに見ていただいて、そのときの姿勢に着目しています。

編集部編集部

気になるのは、眼瞼下垂が肩こりや頭痛の原因になるかどうかです。

蓮見由紀子蓮見先生

あり得る話ですが、本当に眼瞼下垂が原因となっているかどうかは、眼瞼下垂を解消してみないとわからないですよね。したがって、初手としては「まぶたが半分閉じている状態」そのものの解決を主眼に置けばいいように思います。

編集部編集部

なるほど。半閉じの影響が目以外にもあれば教えてください。

蓮見由紀子蓮見先生

額の筋肉で目を開けようとするので、おでこにしわが寄っているかもしれません。ただし、眼瞼下垂とセットでチェックしてみてください。おでこのしわだけをもってセルフチェックの項目としないよう、お願いします。

手術したことによる不具合も起こり得る

手術したことによる不具合も起こり得る

編集部編集部

ちなみに眼科では、どうやって診断を付けていくのでしょうか?

蓮見由紀子蓮見先生

「見た目」と「まぶたの動き」です。瞳孔の中心から上まぶたまでの高さと、下を向いた状態からおでこを使わずに上を向いてもらった状態でのまぶたの上がり具合で、眼瞼下垂を診断します。眼科に限定すると、「肩こりなどの解消」を求めて眼瞼下垂のご相談に来る人は、あまりいらっしゃいません。なお、当院では「HIFU(ハイフ)」という、お肌のたるみの引き締め効果がある超音波療法をご用意しています。手術が怖いという人の有力な選択肢となるでしょう。

編集部編集部

眼瞼下垂の手術を受けるとして、注意しておきたい点はありますか?

蓮見由紀子蓮見先生

例えば、まぶたが開けやすくなったことで、「ドライアイ」の進行を許してしまうかもしれません。また、視野の欠けが「緑内障」によっても発生していて、眼瞼下垂の手術だけでは解決しない場合もあります。そのため、手術後の“見え”に引き続きご留意いただいて、困ったことがあったらご相談ください。

編集部編集部

眼瞼下垂の手術をしない方がいい人はいますか?

蓮見由紀子蓮見先生

ドライアイが進んでいる場合は、要相談ですね。また、「動眼神経麻痺」によってまぶたが下がっている人も検討を要します。動眼神経麻痺が起きた側の目は、周辺の筋肉が麻痺して動かしにくくなっています。良好な視野を得たことで、「モノが二重に見えてしまう」かもしれません。事前の検査で、まぶたを十分に開けて複視が出るようなら、慎重に判断していきましょう。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

蓮見由紀子蓮見先生

ご自身の過去の写真と見比べるのも、眼瞼下垂に気付くきっかけになるでしょう。注目すべき部分は、当たり前ですが、「まぶた」です。全体の印象に引きずられることなく、目という局所を比べてみましょう。

編集部まとめ

どうやら、肩こりや頭痛といった身体症状と眼瞼下垂は、ストレートに結びつかないようです。なぜなら、ほかの要因が絡んでくるからです。それよりも、「黒目の中心が隠れているかどうか」をセルフチェックしてみてください。まぶたのかかり具合が微妙でも、相談していけないことはありません。ただし、「動眼神経麻痺」のような一部の病気は、外科手術の適応外になることがあります。セルフチェックの結果、気になる点が見つかったら、一度受診してみてはいかがでしょうか。

医院情報

元町マリン眼科

元町マリン眼科
所在地 〒231-0861 神奈川県横浜市中区元町4-166 元町ユニオン3階
アクセス JR「石川町駅」 徒歩5分
みなとみらい線「元町・中華街駅」 徒歩6分
診療科目 眼科、美容皮膚科