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緑茶に含まれるカフェイン量はどのくらい? 1日の適量と健康効果を管理栄養士に聞く

 公開日:2023/05/09
緑茶に含まれるカフェイン量はどのくらい? 1日の適量と健康効果を管理栄養士に聞く

私たち日本人の一番身近なお茶である「緑茶」は、春から夏にかけて新茶の季節となります。緑茶はただの水分補給だけが目的にするはもったいないくらい、栄養や健康面でも私達の機能をサポートしてくれていることをご存知でしょうか。そこで、今回は「管理栄養士」の竹内さんに、緑茶に含まれるカフェイン量や1日の摂取目安量について、詳しくお話しを伺いました。

竹内 寿美恵

監修管理栄養士
竹内 寿美恵(管理栄養士)

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聖徳栄養短期大学卒業後、保育園勤務をしながら一般受験で管理栄養士試験合格。その後有名スポーツチーム、選手のスポーツ栄養士として活動し国立病院に就職。現在は幅広い指導経験を活かしフリーランスとして栄養指導を中心に活動している。

緑茶にはどのくらいカフェインが含まれているのか コーヒーと比較しながら解説

緑茶にはどのくらいカフェインが含まれているのか コーヒーと比較しながら解説

編集部編集部

緑茶にはどのくらいカフェインが含まれているのでしょうか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶はコーヒーと同様に、カフェインを豊富に含んだ飲み物です。緑茶のカフェインは100mlあたり約20mg含まれており、コーヒーと同じように覚醒作用もあります。

編集部編集部

緑茶とコーヒーでは、どちらの方がカフェインを多く含まれていますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

コーヒーには100mlあたり約60mgのカフェインが含まれています。コーヒーは緑茶と比較して約3倍程度カフェイン量は多いということですね。覚醒作用が気になり、カフェインの量を少なくしたいという方は緑茶のほうが適していると言えます。

編集部編集部

コーヒーには利尿作用がありますが、緑茶はどうでしょうか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶にはコーヒーと同様に利尿作用があります。利尿作用は体の余分な水分を尿として排泄し、むくみの予防などにも役立っている作用です。

緑茶を飲むことによる健康効果とは どのような病気の予防に効果的なのか

緑茶を飲むことによる健康効果とは どのような病気の予防に効果的なのか

編集部編集部

緑茶はカフェインや利尿作用以外ですと、どのような栄養・健康効果がありますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶のカフェインは覚醒作用や利尿作用などが有名ではありますが、そのほかにも、ダイエット、心臓病や脳卒中などのリスク低下。コレステロール低下作用など、さまざまな健康効果がわかってきています。主に緑茶の成分に含まれているのは、タンニンやテアニン、カテキンですね。さらにビタミンやミネラルも豊富です。

編集部編集部

よく耳にするのがカテキンですが、どのようなメリットがありますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

カテキンはポリフェノールの一種で緑茶の苦味に感じる成分のことです。カテキンは糖の吸収を阻害して生活習慣病である糖尿病の予防や、抗菌・抗ウイルスの作用も報告されています。生活習慣病の予防は毎日の食事によるケアが大切ですので、毎日手軽に飲むことができるお茶はとても健康メリットが大きいでしょう。

編集部編集部

ちなみに、カテキンの量はお茶の種類によって違うのでしょうか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

カテキンの量は種類により多少変化があります。煎茶16.3mg・玄米茶1.5mg・抹茶200mg・玉露383mgと同じお茶でもカテキンの量には違いがあります。これはカテキンがポリフェノールの一種のため、玉露や抹茶に多く含まれています。

編集部編集部

効率よくカテキンを摂取する方法はありますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

たくさんカテキンを摂取したいからといって、毎日玉露や抹茶は味や価格的に難しい方もいらっしゃるでしょう。そのため、日常的に利用できる緑茶で効率よく摂取するのがおすすめです。方法はとても簡単で、80度以上のお湯で多く溶け出します。逆に温度が低い水では溶け出しにくくなります。ご家庭のポットで温度調整するようにしましょう。

編集部編集部

カテキン以外にも注目の成分はありますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶に含まれるテアニンは紅茶や烏龍茶にはない成分で、興奮を抑えリラックス効果やストレスに対する自律神経の緩和も報告されています。仕事中にリフレッシュしたい時などに健康を意識して緑茶を飲む事でリラックスして仕事に集中できると思います。

緑茶の飲み過ぎに要注意! 飲みすぎることで起こる健康被害と1日の適量について解説

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編集部編集部

緑茶は1日何杯まで飲むことができますか? 飲みすぎたらどうなるのでしょう?

竹内 寿美恵さん竹内さん

1日のカフェインの上限は健康な成人で400mg程度と言われているので、100mlで20mg程度のカフェインが含まれている緑茶で考えると、2リットルほどは飲んでもいいという計算になります。しかし、緑茶には上述の通り、カフェイン以外にも様々な栄養素が含まれています。もし過剰に緑茶を飲むことが継続した場合は、睡眠障害や吐き気や下痢などの健康被害がでてくる可能性もあります。健康効果を考えるとたくさん飲んでしまう方も多いかもしれませんが、適量範囲に収めることが大切です。

編集部編集部

緑茶は妊娠中の方も飲むことはできますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶は妊娠中も飲むことは可能です。ですが、量を少なめに摂取する必要があります。世界保健機関(WHO)では1日300mg以上のカフェインの摂取は、胎児の低体重や流産のリスクも高まるとして、妊娠期間中のカフェイン量を減らすことをすすめています。

編集部編集部

では、カフェインの少ないお茶はありますか?

竹内 寿美恵さん竹内さん

あります。カフェインレスの紅茶やコーヒーなどご存知の方も多いですが、最近ではカフェインレスの緑茶も、スーパーやインターネットなどで購入できるようになっています。ペットボトルのものから、インスタントタイプ、ティーバッグタイプなどバリエーションも豊富です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

竹内 寿美恵さん竹内さん

緑茶は日本の代表的な飲み物であり、その健康効果は海外でも人気です。コーヒーと比べられることが非常に多いですが、緑茶ならではの旨味や香りを楽しみながら健康を手に入れることができます。ストレスが多く体調管理に気遣う生活の方には、体調管理の一環として生活習慣に取り入れる価値はあるのではないかと思います。

編集部まとめ

私たちの一番身近なお茶の「緑茶」について解説していただきました。緑茶はコーヒーよりもカフェインが少なくリラックス効果もあるので食事の時に飲むイメージでしたが、仕事中でも飲んでもよい飲み物という事がわかりました。覚醒作用や利尿作用などあるため飲む時間やご自身の体調にあわせて1日の飲む量を適度な量にコントロールして緑茶の健康効果を上手に生活に取り入れていきたいですね。

この記事の監修管理栄養士