【体験談】少し体重が増えたと思ったら「糖尿病」になっていた…(2/2ページ)

治療は自分が楽しめる方法で継続を

編集部
現在の治療やお体の様子を教えてください。
石井さん
仕事が安定し、時間を確保できるようになったこともあり、毎日30~40分の運動を続けています。その甲斐あってか、2021年11月の検査では、血糖値が99、HA1cが6.5と数値が改善しました。その後も、2022年1月は血糖値が129、HA1cが6.6、2022年4月は血糖値が121、HA1cが7.1と安定しています。2022年8月の検査では、血糖値が167、HA1cが7.3と数値の上昇は見られましたが、数値が安定していることもあり、主治医と相談の上、試験的に糖尿病の薬を2種類に減らすまでに改善しています。
編集部
順調に改善できたポイントなどはありますか?
石井さん
月並みですが、食事・運動・薬の継続です。体調が全般的に改善したおかげで、高血圧症の薬も1錠に減りました。現在服用している糖尿病薬は、糖尿病治療を始めた時に服用していた、インスリンの分泌を促す薬です。
編集部
食事はどのように気をつけていますか?
石井さん
食事に関しては高血圧症対策も兼ねて、野菜の摂取、みそや醤油を減らす減塩を心がけています。週に3~4日はヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べるようにしています。平日に節制する代わりに、週末はご褒美として晩酌をするなどメリハリをつけると、気持ちよく続けることができますよ。
編集部
運動はどうですか?
石井さん
運動は日本糖尿病学会の治療ガイドラインをHPで見て、主治医とも相談しながら行っています。毎日、散歩も兼ねたウォーキングを30分ほど行っていますが、雨の日はストレッチや軽いスクワッドだけにするなど、無理をしない運動を心がけています。2021年からはスマートウォッチとスマホアプリの活用も始めたので、楽しく習慣化できています。
編集部
糖尿病になる前のことで、後悔していることはありますか?
石井さん
当時の自分に一つだけ注文をつけるとすれば「体重の管理に気を使いなさい」という点です。病気の兆候がなかった時でも、体重が増加傾向にありましたからね。タイムマシンで戻れたら「将来後悔するよ」と言ってあげたいです。
編集部
糖尿病を意識していない人にメッセージをお願いします。
石井さん
私の場合、健康診断をきっかけに糖尿病を早期発見して、治療を開始することができました。定期的な健康診断を受ける機会がない方は、市町村の健診制度などを利用して、お体の状態を確認することをおすすめしたいですね。糖尿病の場合、血糖値、ヘモグロビンA1cの値が基準値の上限ギリギリの場合、予防も兼ねて内科に相談するといいのではないでしょうか。
編集部まとめ
厚生労働省の発表によると、糖尿病患者は予備軍も含めると2000万人以上に及ぶと推計されています。病気にかかる年齢層は幅広く、30代から少しずつ増えていきます。ただ、糖尿病は自覚症状がないまま進行することが多い病気です。悪化すると合併症や生活の質の低下などが起こる可能性もあります。定期的な健康診断に合わせて、家族歴がある、健康診断の数値が高い、など気になることがあれば、内科に相談し、病気の早期発見をめざしましょう。