【糖尿病体験】「だらしない生活」はしていないのに… 食事も気を使っていた(2/2ページ)

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1型糖尿病を抱えた生活

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
結衣子さん
異常な喉の渇きと水分摂取量は、いまだに続いており、冬でも変化がありません。ミネラルウォーターやろ過水は、常に冷蔵庫に4リットル保管していますが、数時間で空にしてしまい、トイレの回数は数えきれない状況のままです。執筆業はフリーランスで行っているため、在宅ベースで症状の変化に対処しやすい点では恵まれていると思います。
編集部
あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。
結衣子さん
1型糖尿病は、医療従事者以外には、あまり理解されていません。1型糖尿病だと伝えると、「だらしない生活のせいだ」「自業自得の贅沢病だ」などと言われることも多く、そういう人たちへの説明は諦めています。もしあなたの身内の方が1型糖尿病を発症されたとき、大事なご家族に正しいサポートができなかったら、命に係わる可能性もあります。この病気には周りの理解と協力が必要です。私の場合、息子が自分でも糖尿病について調べながら、協力体制を取って同居してくれていることを、とてもありがたいと思っています。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
結衣子さん
私がもともとそちら側にいた経験もあり、なおさら医療従事者の方には感謝しかありません。今、研究職の方には、私よりも若い方に今後も発症され続ける1型糖尿病患者の方の、保険適用でのさまざまな治療方法の研究をお願いしたいと望んでいます。すい臓に原因があるということがわかっている1型糖尿病です。早く人工すい臓が実用化されて、安い医療費で手術装着が可能になることを祈ります。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
結衣子さん
糖尿病には1型と2型があり、治療方法は違います。普段の生活が規則正しく、生活習慣病とは無縁な食生活や運動をしていても、1型糖尿病は発症します。家事、仕事を今までのように続けていくことは難しい症状もあり、投げ出してしまいたくなる厄介な病気ですが、合併症を併発するとなれば、辛さはその比ではありません。糖尿病治療以上の辛さが待っています。罹患者には周囲の理解と協力を得て「これ以上は進行させない」という意識で頑張っていただきたいです。家事や仕事、育児と両立しながら、そして高額な医療費に悩みながら、治療を諦めそうになりつつ、今も1型糖尿病と向き合っている身としての願いです。
編集部まとめ
1型糖尿病は、発症する原因や完治させる治療法が確立されていない病気です。患者数が多いことにより、難病指定からも外れています。医師の指示に従って、進行させず大きな合併症を発症させないという目標で、治療を続けることが大切なようです。投薬、注射、定期的な検査によって、悪化と合併症を防ぎましょう。