「セルゲル法」ってどんな腰痛治療なの？ メリット・デメリットを医師が解説

簑輪先生

「セルゲル法」は、「椎間板修復インプラントゲル治療」とも呼ばれています。腰痛の原因の1つとして「椎間板の老化・損傷」があるのですが、「セルゲル法」、つまり「椎間板修復インプラントゲル治療」は、文字通りその「椎間板」を特殊なゲルで修復する治療です。手術のように皮膚を切開して椎間板にアプローチするのではなく、細い針でゲルを注入するため、侵襲の少ない治療法であると言えるでしょう。

簑輪先生

「椎間板変性症」や「椎間板ヘルニア」、「すべり症」など、「椎間板」が原因によるものであれば、ほとんどの場合は改善が期待できます。ただし、椎間板が完全に潰れてしまった場合などは治療が困難なこともあります。

簑輪先生

いいえ。1回の治療で済むので、定期的な通院は不要です。注入されたゲルは椎間板の損傷した部分に入り込み、老化・損傷を修復します。また、その後は、椎間板自体の再生能力で、元の正常な機能に回復していきます。体内に入ったゲルは一生なくならないので、基本的には一度の治療で完結して再発もありません。

簑輪先生

入院の必要がなく、かつ椎間板自体が修復されるため、治療効果が持続する点です。従来の腰痛治療、例えば手術療法であれば数日～数週間の入院が必要ですし、身体の負担も大きいですよね。また、薬物療法であれば、薬が効いている間しか痛みが取れません。身体への負担が小さく、効果も持続するセルゲル法は、両方の「いいとこ取り」な治療法と言えます。

簑輪先生

「保険が適用されず自費診療になること」や「すぐに効果が出るわけではなく、治療後1～2週間は症状が一時的に悪化する可能性があること」、先ほども述べた通り、「完全に潰れてしまった椎間板などは治療が困難な場合もある点」です。ほかにも、セルゲル法に限った話ではありませんが、ごく稀に局所麻酔薬によるアレルギー反応が出るケースもあります。

簑輪先生

治療に使用するゲルの注入は細い針でおこなうため、痛みも少なく傷の回復も非常に早いですよ。また、全身麻酔ではなく局所麻酔を使用するので、身体への負担も少なく日常生活に影響はほとんどないでしょう。

簑輪先生

はい。治療は日帰りで受けることができます。治療後、約1時間～1時間30分ほどは回復室で安静にしていただきますが、その後は普通に帰宅できます。その際、ご自身で車を運転して帰っても問題ありません。また、全身を使う重労働のような仕事でなければ、翌日から普通に出勤できます。

簑輪先生

当院では、椎間板1カ所の場合で120万円かかり、さらに治療箇所を増やす場合には10万円ずつ加算されます。なお、治療前のMRI検査や医師の診察なども全て含めた費用となっています。

簑輪先生

そうですよね。現在、日本では当院でしか採用されていない治療法ということもあり、十分な治療実績のデータが揃っていないため、不安に感じる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、海外では、すでに欧州を中心に54カ国以上で導入されている先進的な腰痛治療法です。実際に多くの研究でも、安全で高い治療効果が報告されています。

簑輪先生

セルゲル法は、海外ではすでに多く用いられている治療法ですが、日本ではまだ聞いたことのない人も多いかもしれません。しかしながら、腰痛がなかなか改善せずに長い間悩まされてきた人や、ほかの治療・手術などで改善しなかった人などにも、改善の可能性が多くあります。費用面が心配な人もいらっしゃるかと思いますが、画像診断などは無料です。ほかの医療機関で撮った画像でも構いませんので、腰痛にお悩みの人はお気軽にご相談ください。長年の悩みのタネから解放されるかもしれません。