目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 整骨TOP
  3. コラム(整骨院)
  4. 産後の骨盤矯正はした方がいいの? いつから始める?

産後の骨盤矯正はした方がいいの? いつから始める?

 更新日:2023/03/27
産後の骨盤矯正はした方がいいの? いつから始める?

出産後、骨盤の歪みによる不調で悩む女性は少なくないそうです。産後はホルモンの影響で骨盤が歪みやすいとされています。また、骨盤の歪みが原因で腰痛や背中の痛みだけでなく、便秘など様々な不調をきたすこともあります。そこで今回は、産後の骨盤矯正はした方がいいのか、骨盤矯正を開始した方がいいとされる時期などについて、「エース接骨院」の田端先生にお話を伺いました。

田端 友樹

監修田端 友樹(エース接骨院)

プロフィールをもっと見る
日本健康医療専門学校卒業。柔道整復師資格取得。千葉や都心を中心とするグループ系の接骨院に約10年勤務。2014年、東京都葛飾区に「エース接骨院」を開院。これまで整体を受けたことがない人に対しても、入門編としての優しい施術を提供する。

骨盤矯正とは

骨盤矯正とは

編集部編集部

まず、骨盤矯正について教えてください。

田端 友樹先生田端先生

骨盤矯正とは、骨盤の左右差、前後の傾きなどの歪みを整えて、骨盤を本来の正しい位置に導く施術です。骨盤を土台から整えて姿勢を改善したり、骨・関節・筋肉など人体にかかるストレスを減らしたりすることで血液の巡りをよくして、様々な不調を改善する効果が期待できます。

編集部編集部

骨盤が歪むというのは、どのような状態なのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

簡単に言えば、骨の位置関係がズレてしまうことです。骨盤は、仙骨・腸骨・恥骨など複数の骨で構成されており、これらの骨は筋肉や関節によって支えられています。しかし、姿勢が悪かったり外部から物理的に衝撃が加わったりすると、関節部分が正しくない形になり、長い時間をかけて覚えてしまうことがあるのです。

編集部編集部

骨盤が歪むと、体にどのような影響があるのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

全身に広く影響が及ぶことが考えられます。具体的には、腰痛や背中の痛み、肩こり、反り腰、猫背、坐骨神経痛等の神経痛、頭痛、O脚やX脚などが挙げられます。そのほかにも、便秘や生理痛などの内臓に関連する痛みが出ることもあります。

編集部編集部

骨盤の歪みは自然には治らないのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

運動やストレッチで改善されるケースもあります。しかし、慢性化している場合には、体がその状態を覚えてしまっているため、自然に改善することは難しいでしょう。一方、転職や引っ越し、大変だった育児がひと段落するといった、生活の負担が軽減されれば多少の改善が見込めることもあります。ほかにも、成長期のお子さんは「自家矯正力」という自然にまっすぐに整う力が備わっており、活動しているうちに骨盤の歪みが改善されることはあります。

産後の骨盤が歪む理由

産後の骨盤が歪む理由

編集部編集部

そこで本題です。なぜ、産後は骨盤が歪みやすいとされているのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

産後に骨盤が歪みやすい原因の1つとして、妊娠中に卵巣や子宮、胎盤から分泌される「リラキシン」というホルモンの影響が考えられます。

編集部編集部

ホルモンが主な原因なのですね。

田端 友樹先生田端先生

そうです。リラキシンは、赤ちゃんがスムーズに産まれてこられるよう、骨と骨の隙間を緩めるために分泌されます。分泌されている間は、骨盤の関節部分が柔らかく緩んだ状態になっています。ホルモンの分泌は産後次第に消失していきますが、筋肉量が足りない場合などは骨盤が緩んだままになってしまい、無理な姿勢で授乳したり子どもを抱いたりするなどの状態が続くことで、骨盤がさらに歪みやすくなってしまうのです。

編集部編集部

つまり、産後は骨盤矯正を受けた方がいいということでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

必ずしも受けなければならないということではありません。ただし、「骨盤の歪みから姿勢の悪さが目立つ」「腰痛がつらい」「産前・産後に体調が優れない」といった場合は、一度施術を受けてみることをおすすめします。

産後の骨盤矯正はいつから始めるのがいい?

産後の骨盤矯正はいつから始めるのがいい?

編集部編集部

産後の骨盤矯正を始める時期について教えてください。

田端 友樹先生田端先生

骨盤矯正は、産後2~6カ月までに完了させておくのが望ましいです。自然分娩の場合、産後すぐには、骨盤周りの筋肉量が低下して不安定な状態となっています。出産直後に骨盤矯正をおこなっても矯正の効果が定着しづらいため、十分な矯正の効果を期待するためには2~6カ月ほどの間が好ましいというわけです。

編集部編集部

なるほど。あと、産後すぐだと余裕がなさそうです。

田端 友樹先生田端先生

そうだと思います。そのため、赤ちゃんとの生活にある程度慣れてから施術を開始された方がいいと考えます。また、産後すぐに施術に通うことは、お母さんにとって身体的・精神的な負担も大きいでしょう。ただし、時間が経ちすぎてしまっても骨盤を正しい形へと導きにくくなってしまいます。産後2カ月ほどまではホルモンの作用も続いているため、骨盤が柔らかい状態のうちに矯正をした方がいいとされているのです。

編集部編集部

帝王切開で出産した場合も、同じくらいの時期に始めた方がいいですか?

田端 友樹先生田端先生

一概にそうとは言えません。帝王切開の場合には、出産した病院の主治医の判断のもとにおこなうため、一度産院に骨盤の矯正をしても大丈夫かを確認してください。

編集部編集部

産後の骨盤矯正は、どのようにしておこなわれるのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

産後の骨盤矯正のやり方は、施術院によって異なります。一般的には、問診や検査を経て、カイロプラクティックや整体などの施術といった流れでおこなうのではないかと思います。いずれの場合にも、まずは問診をしっかりおこない、身体の悩みなどを伺います。その後、様々な検査をもとに、椎間板が薄くなっていないか、痺れがないかなどを調べて、現在の身体がどんな状態であるかということを患者さんにお伝えします。

編集部編集部

その後、施術に進むのですね。

田端 友樹先生田端先生

はい。当院の場合は、カイロプラクティックを中心におこなっています。カイロプラクティックでは、専用のベッドを使用して「骨→関節→靭帯→筋肉」と、硬い部分から順番に施術していきます。専用ベッドは首、胸、骨盤、足とパーツごとに区切られており、それぞれ上げ下げしながら身体に負担がかからないようにストンと軽く落として、骨盤の位置を正常に戻したり、ねじれている状態を元に戻したりしています。また同時に、関節が硬くなっている部分を治したり、硬くなっている筋肉があればその都度緩めたりしていきます。

編集部編集部

骨盤矯正はどのくらいの頻度で受ければいいのでしょうか?

田端 友樹先生田端先生

大きな異常がなければ、だいたい週に1回程度から始めていきます。その後、徐々に間隔を空けていき、1~2カ月ほど正しい姿勢で生活できるよう数回継続するといいでしょう。

編集部編集部

骨盤矯正を受ける際は、出産した産科に許可を取った方がいいですか?

田端 友樹先生田端先生

そうですね。また、出産した産科で意見を仰ぐことができない場合には、保健センターの保健師さんなどの意見を参考にしてみてもいいのではないでしょうか。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田端 友樹先生田端先生

産後の矯正に限らず、骨盤矯正は決してハードルが高い施術ではありません。産後の骨盤の歪みが気になる場合には、一度信頼できる接骨院で相談してみてください。その際、施術院を選ぶうえで大事な点は、「しっかり話を聞いてくれること」、「施術の前の検査を入念におこなってくれること」、「わかりやすい症状の説明をしてくれること」、「どれくらい治療すれば改善するのかを教えてくれること」、「施術毎に効果が実感できること」だと思います。これらを重視して選んでみてはいかがでしょうか。

編集部まとめ

産後の骨盤矯正は、必ずしもおこなわないといけないわけではないとのことでした。ただし、骨盤の歪みから肩こりや腰痛など全身に影響している場合には、骨盤矯正を検討してみてください。また、産後の骨盤矯正は、効果やお母さんの身体的負担を考慮し、産後2~6カ月までに完了させておくことが望ましいとのことでした。産後の不調でお悩みの場合には、この時期までに相談してみてはいかがでしょうか。

医院情報

エース接骨院

エース接骨院
所在地 〒125-0061 東京都葛飾区亀有3-11-11 マーベラス大協2F
アクセス JR「亀有駅」 徒歩5分
診療科目 接骨院