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薬の正しい保管方法を薬剤師が解説 注意すべき点は?

公開日:2023/01/10  更新日:2023/01/06
薬の正しい保管方法を薬剤師が解説 注意すべき点は?

体調不良やケガをして病院に行ったときにもらう薬。皆さんは、薬をどのように保管しているでしょうか。薬にはそれぞれ適した保管方法があり、正しく保管できていないと薬の効果が十分に発揮されなくなる可能性があります。本記事では薬の正しい保管方法について薬剤師の齋藤さんに伺いました。

齋藤 彩

監修薬剤師
齋藤 彩(薬剤師)

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新潟薬科大学薬学部卒業。大学卒業後、新潟県内の調剤薬局に就職。現在は、「有限会社大手薬局」で薬剤師として従事。新人教育部門にて、学生・新人薬剤師・管理薬剤師の教育に携わりながら現場で活動中。モットーは「人と薬を繋げ、人と人を結ぶ」。人材教育や人事業務を専門に行っている。研修認定薬剤師。

正しい保管方法は薬によって異なる

正しい保管方法は薬によって異なる

編集部編集部

薬には様々な種類がありますが、どのように保管すればいいのでしょう?

齋藤 彩さん齋藤さん

薬にはいくつかの剤型があり、保管方法がそれぞれ異なります。錠剤やカプセル剤、散剤は基本的には室温で保管します。梅雨など湿気が高い時期は水分を吸収して薬の成分が変化してしまうこともあるので、密閉できる缶などに乾燥剤をいれて保管するのがおすすめです。目薬、点鼻薬は遮光袋がついている薬は袋に入れ、指示がある場合はその指示に従い保管します。一部冷所保管が必要な目薬もあります。

編集部編集部

ほかの種類についてはいかがでしょう?

齋藤 彩さん齋藤さん

シロップなどの液剤、坐薬、インスリン注射薬は冷蔵庫などの冷暗所に保管します。凍ってしまうと薬の成分が変化してしまうことがあるので、凍らないように注意が必要です。冷蔵庫のドアポケットや卵ケースのような場所が望ましいです。

編集部編集部

「室温保管」とか「冷所保管」とありましたが、具体的に何℃のことなのでしょう?

齋藤 彩さん齋藤さん

「室温保管」や「冷所保管」という言葉はよく聞きますよね。この「室温」や「冷所」は日本薬局方の中で温度が定められています。「標準温度:20℃」「常温:15〜25℃」「室温:1〜30℃」「冷所:1〜15℃」という定義がありますので参考にしてください。

※厚生労働省:「日本薬局方」ホームページ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html

編集部編集部

それぞれ温度が決まっているのですね。薬を保管するときの温度はどれが多いのですか?

齋藤 彩さん齋藤さん

薬は室温保管のものが多いですね。病院や薬局から薬をもらうときに、保管方法について特別な注意や指示がなければ基本的には室温保管と考えて問題ないかと思います。逆に保管方法について注意や指示があった場合は、室温ではなく指示通りに保管する必要があります。

保管するときの注意点 薬の誤飲に注意!

保管するときの注意点 薬の誤飲に注意!

編集部編集部

薬の保管時はどのようなことに注意したら良いのでしょうか?

齋藤 彩さん齋藤さん

小さい子どもがいる場合、誤って飲んでしまわないように子どもの手の届かない場所に保管するようにしましょう。冷蔵庫に保管している薬などは、子どもが冷蔵庫を開けたときに手に取ってしまう可能性があるので注意が必要です。

編集部編集部

子どもが手に取らないように気を付けたいですね。よくPTPシートを1錠分ずつ切り離して保管している人もいますが、問題ないですか?

齋藤 彩さん齋藤さん

確かに、1錠分ずつ切り離している方も見かけますよね。服薬カレンダーに薬をセットしたり、ピルケースで管理して飲み忘れを防いだりしている方は1錠分ずつ切り離さざるを得ない方もいるかもしれませんが、これは意外と危険です。

編集部編集部

誤って飲んでしまった場合はどうなるのでしょう?

齋藤 彩さん齋藤さん

「そんなことしないよ」と思う方もいるかもしれませんが、PTPシートの誤飲事故は意外にも多いのです。少し前の調査にはなりますが、国民生活センターが2000年~2009年の10年間で薬の誤飲事故の情報を収集した報告があります。誤飲事故が86件報告されており、大部分をPTPシートの誤飲が占めると考えられています。乳幼児や高齢者が多いですが、20代〜50代も少なからず誤飲事故を起こしています。

編集部編集部

PTPシートの誤飲事故って意外とあるのですね。

齋藤 彩さん齋藤さん

びっくりですよね。報告書に記載のある誤飲事故に「処方された薬を包装ごと飲みこんだ」という事例があります。喉が痛く救急車で病院に行ったのですが、喉仏の裏側に薬が引っかかってレントゲンでは見つからず、数時間かけて内視鏡で取り出したそうです。怪我せずに取り出せたのですが、間違えば大変な事になっていたでしょう。薬の誤飲事故は他人事ではありません。誰もが起こり得る事故なので、保管するときは注意しましょうね。

薬袋や説明書も一緒に保管を!

薬袋や説明書も一緒に保管を!

編集部編集部

薬をもらっても説明書や薬袋を捨てがちなのですが、残しておいた方が良いですか?

齋藤 彩さん齋藤さん

説明書や薬袋には薬の用法・用量や効能・効果についての情報、服用時の注意点、問い合わせ先などが記載されています。薬の保管方法がわからなくなってしまったり、副作用が出たりしたときなど、薬をもらった病院や薬局に問い合わせが必要になることもあるので、薬袋や説明書は薬と一緒に保管するようにしましょう。

編集部編集部

薬を使い切らず残った場合、次回同じ症状があったら使っても良いですか?

齋藤 彩さん齋藤さん

確かに薬が残ってしまうこともありますよね。「今後同じ症状が出たときのためにとっておこう」と考える方もいるかもしれませんが、これは危ないので控えてください。薬には期限があります。もらったときには期限内の薬も、次使うときには期限が切れていることもあります。

編集部編集部

期限内であれば飲んでも大丈夫かなと思うのですが、どうでしょう?

齋藤 彩さん齋藤さん

薬としては期限内だとしても、次起こる症状は同じ原因とは限りません。例えば腹痛で病院から薬をもらって服用し、余ってしまったとします。時間が経って再度腹痛が起きた場合、残っている薬が効くとは限りません。腹痛の原因は便秘やストレスからくる自律神経の乱れ、虫垂炎やがんなど様々で、必要な薬は異なります。自分で判断して残っている薬を飲んで、本来必要な治療ができなくなってしまうことがないように、都度受診するようにしてください。

編集部まとめ

本記事では、薬の保管方法や保管するときの注意点、誤飲事故についてお伝えしました。薬の効果を十分に発揮し、安全に服用するために、薬の保管方法はしっかり守るようにしてくださいね。