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【闘病】告知受け「早く死にたい」と願った「原発性側索硬化症」 身体が動かなくなっていく病(2/2ページ)

 更新日:2025/02/21
【闘病】告知受け「早く死にたい」と願った「原発性側索硬化症」 身体が動かなくなっていく病

病気になったことで「すべては自分ごとで自分の大切な人ごとだ」と考えるように

病気になったことで「すべては自分ごとで自分の大切な人事だ」と考えるように

編集部編集部

現在の様子について教えてください。

落水さん落水さん

現在(取材時)は株式会社を設立して、講演会を中心に医療や福祉の情報発信サービスを作っています。また、医療や福祉に特化をしたシェアオフィスとレンタルスペース、フリースペースの運営も始めました。ほかの法人でもパートをさせてもらっていて、週に2回ほどカフェの店員をやらせてもらったり、SNSを使用しての広報などもやらせてもらったりしています。YouTubeも始めて、今後はいろんな働き方や人生の楽しみ方があることも発信していきたいと考えています。

編集部編集部

お身体の方はいかがですか?

落水さん落水さん

身体は少しずつですが動きづらくなっており、車椅子で座っている時間も姿勢を保持するのが難しく、集中力が続かなくなることも増えました。しかし、専門職の仲間のサポートもあり工夫しながらほぼ毎日外に出て働かせてもらっています。

編集部編集部

落水さんの病気を意識していない人にメッセージをお願いします。

落水さん落水さん

いつ誰がどこで病気になったり、障がい者になったりするかはわかりません。実際私も身体が丈夫なことだけが取り柄でした。「あなたの家族が、あなたの友人や大切な人がいつそうなるかなんて絶対にわからない」ということが、今の私には分かります。すべてが自分ごとで自分の大切な人ごとなんだなと。だからこそ、今を当たり前と思わず、今を大切に生きることが大事なのだなと思います。私は今を大切に、今を楽しむように生きられるようになり、今が本当に幸せだなと感じることができています。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

落水さん落水さん

目の前の人が、自分の家族や友人や大切な人だったらと考えてみてほしいです。そして笑顔で接してほしいです。笑顔は本当に伝染します。笑顔でいられるだけで幸せな気持ちになれます。もちろん私も笑顔でいられないこともありましたが、今は笑顔でいられて毎日幸せです。

編集部編集部

最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

落水さん落水さん

私は病気になった時に暗い未来ばかり考えて苦しみました。まだ起こってもいない未来に対して、勝手に暗いイメージして自分を苦しめる毎日でした。病気になったことをいくら悩んでも悔やんでも、私の病気は治りません。病気でも寝たきりでも幸せに生きている人がいること、寝たきりでもバリバリ働いている人がいることを知りました。僕も明るい未来をつくると決めました。だから、僕は今が人生の中で一番幸せです。

編集部まとめ

少しずつ変わっていくご自分の身体の変化に戸惑い、苦しむ日々を過ごした落水さん。それでも前向きな心持ちでいられるよう意識して過ごし、現在もさまざまなお仕事をされています。「練習することで前向きになれる」という落水さんの言葉は、闘病中の患者さんだけでなく、どんな人にも当てはまることではないでしょうか。そして自分の身体に違和感を感じたらなるべく早めに受診することが重要だと思いました。

この記事の監修医師

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