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「副作用が怖い」は誤解?ピル服用のコツと正しい知識

 公開日:2025/06/18
「副作用が怖い」は誤解?ピル服用のコツと正しい知識

「正しい飲み方がわからない」「飲み忘れたとき、どうすればいいの?」など、ピルについての疑問や不安があるという方はいらっしゃいませんか?

ピルは避妊に用いられる薬として広く知られていますが、生理痛の軽減などほかの効果的もある薬です。その一方で、副作用を懸念し、ピルの服用をためらう方もいるでしょう。

この記事では、ピル服用にまつわる副作用の誤解、服用のコツなどピルの正しい知識を解説します。あなたの生活の助けになるかもしれないピルについて、正しく理解しましょう。

原 幹嗣

監修医師
原 幹嗣(エイチクリニック 新宿)

そもそもピルとは?

そもそもピルとは?
ピルとは、ホルモンの働きを利用して妊娠を防ぐ薬のことです。避妊目的の薬ということはよく知られていますが、避妊だけでなくさまざまな目的のために使用されます。まずはピルの効果と種類、ピルを使う理由を解説します。

ピルの効果

ピルは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを配合した薬で、主な効果は排卵を抑えることによる避妊です。
避妊以外にもさまざまな効果があり、子宮内膜が厚くなるのを防ぐことで生理痛やPMS(月経前症候群)、月経過多など月経に関する症状の緩和を目指す、月経周期を整える、子宮内膜症の症状緩和や進行予防などの効果も期待できます。
また、ホルモンバランスが整い、ニキビや肌荒れが改善されるケースもあります。

女性の健康を幅広くサポートする効果がありますが、効果には個人差があるため、医師と相談しながら適切に使用することが大切です。

ピルの種類

ピルには複数の種類があり、それぞれの用途や効果は異なります。主なピルは、以下のとおりです。

  • 低用量ピル(避妊目的)
  • 低用量ピル(治療目的)
  • アフターピル

低用量ピルは、避妊目的や治療目的など使用目的によってホルモンの配合比率が異なり、それぞれ効果や副作用の感じ方に違いがあります。
アフターピルは、常用ではなく緊急時のみに使用する緊急避妊薬です。強制的に生理を起こして妊娠を防ぐための薬で、性行為後72時間以内に服用すれば高い避妊効果を期待できます。
(参照:東京都庁 福祉局『緊急避妊について』)

ピルを使う主な理由

ピルを使う主な理由は、以下のとおりです。

  • 避妊
  • 生理痛の改善
  • 月経周期の改善
  • 月経過多の改善
  • PMS(月経前症候群)の症状緩和
  • 月経困難症の治療
  • 子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療補助

このように、さまざまな理由でピルが使用されています。
生理痛がひどく、仕事や学校に支障が出る方にとっては痛みを和らげる手段として、月経周期が不安定な方にとっては生理のタイミングをコントロールするためなど、ピルは単なる避妊薬ではなく、女性の健康をサポートしてくれる薬なのです。

ピルの副作用

ピルの副作用
ピルはさまざまな効果がありますが、副作用への不安から服用をためらう人もいます。
ピルに限らず、すべての薬には副作用の可能性がありますが、副作用について正しく理解することが大切です。一時的で軽度なものから注意が必要な症状まで、ピルの副作用について解説します。

軽度な副作用

ピルを服用し始めた初期にみられる軽度な副作用として、吐き気やむくみ、頭痛、めまい、不正出血などの症状が挙げられます。これらの症状は身体がホルモンの変化に慣れていない時期に起こりやすく、数週間〜1ヶ月ほどで自然におさまるのが一般的です。

吐き気がある場合は食後の服用、むくみは服用と同時に生活習慣を見直すことで改善できる可能性があります。頭痛やめまいがある場合は、無理をせずに休息をとりましょう。不正出血は一時的で、継続して服用することで安定することが多いでしょう。

アフターピルの場合は、吐き気や頭痛、胸のハリなどの副作用が出ることがあります。吐き気の症状が出るのが多い傾向にありますが、多くの症状は数時間~1日で自然に治まるのが一般的です。

どちらの場合も、副作用が長引く、あるいは日常生活に支障をきたすようであれば医師に相談することが大切です。

注意が必要な副作用

ピルの副作用の中でも特に注意が必要なのが血栓症です。血栓症は血管内に血のかたまり(血栓)ができて血流を妨げるもので、脳梗塞や心筋梗塞などの病気につながる可能性があります。
高血圧の既往がある方や肥満の方、喫煙者、家族に血栓症の既往がある方はリスクが高くなるため、特に注意が必要です。緊急対応を要する症状は以下のとおりです。

  • 下肢の急激な痛みや腫れ
  • 突然の息切れ、息苦しさ
  • 胸痛
  • 腹痛
  • 激しい頭痛
  • 四肢の脱力および麻痺
  • 言語障害
  • 急性視力障害

こうした兆候が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
また、ピルの服用によって血圧が上がるケースもあります。定期的に血液検査や血圧測定などのチェックを受けましょう。

副作用に関するよくある誤解

ピルの副作用に関して、次のような話を聞いたことはありませんか?

  • ピルを飲むと太る
  • ピルを長期間飲むと妊娠できなくなる
  • 市販薬と併用できない
  • 副作用があるから身体に悪い

これらはすべて、ピルの副作用に関する誤解です。
まず、ピル自体に脂肪を増やす作用はありません。副作用として一時的なむくみや食欲増進がみられることがありますが、それはホルモンの変化に対する身体の反応で、生活習慣を工夫することでコントロールできます。

また、「長期間服用すると妊娠できなくなる」というのも科学的根拠がなく、ピルの服用をやめれば、多くの場合1〜3ヶ月で排卵が再開します。
市販薬との併用については、一部の薬で相互作用の可能性や効果に影響を与える可能性があるため、服用中の薬がある場合は事前に医師や薬剤師に確認しましょう。
副作用は、身体が変化に順応するための一時的な反応です。副作用が健康被害を意味するわけではないので、副作用について正しく理解し、医師のサポートのもと安全性を守って服用することが大切です。

ピルの副作用はなぜ起こる?

ピルの副作用はなぜ起こる?
ここからは、ピルを飲むことで生じる副作用が発生するメカニズムについて解説します。ピルを安心して服用するためにも、副作用が起こる仕組みを知っておきましょう。

ホルモンバランスが変化することによる身体の反応

ピルは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを含む合成ホルモン剤です。排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑えたり、頸管粘液を変化させて精子が子宮内に入りにくくしたりするなど、妊娠しにくい身体の状態を作り出します。
しかし、もともとのホルモンバランスが変化するため、身体がその変化に順応しようとして副作用が現れることがあります。

つまり、副作用はホルモンの変化に身体が敏感に反応しているというサインなので、服用を続けて身体が慣れてくると症状は軽減していきます。ピルの副作用は、身体の調整であると考えましょう。

副作用が出やすいタイミングや体質

ピルの副作用は服用開始から1~3ヶ月に出やすく、服用するまでホルモンバランスの乱れが少なかった方や、月経に伴う症状が軽い方ほど身体の反応が強く出る傾向があります。
また、体質や生活習慣によっても副作用の感じ方は異なります。例えば、頭痛持ちの方やPMS(月経前症候群)の症状が強い方は、ピルによって症状が一時的に悪化する場合もあります。

副作用が出やすい体質かどうかは実際に服用してみないとわからない部分も多いため、医師としっかり相談して自分に合う種類や用量のピルを処方してもらうことが大切です。

ピルに慣れるまでに起こる一時的な症状

ピルを飲み始めてから身体が慣れるまでの期間、一時的にさまざまな症状が出ることがあります。よく見られるのは、吐き気、乳房のハリ、不正出血、頭痛、軽度のむくみなどです。
ピルに身体が慣れれば自然に治まる一過性の症状なので、症状があるからといって自己判断で服用をやめず、医師に相談しながら様子をみていきましょう。

ただし、日常生活に支障をきたすほどの強い症状が出た場合は、無理に我慢せず医療機関を受診しましょう。また、症状が強く長引く場合は、薬が体質に合っていない可能性があります。ピルにはさまざまな種類があり、ホルモン量の少ないタイプなどほかのピルに切り替えることでより身体に合った選択ができることもあるので、医師に相談してみましょう。

ピルを正しく飲むためのコツ

ピルを正しく飲むためのコツ
ピルは、用法・用量を守り正しく飲むことで、その効果を充分に発揮します。適切なタイミングで毎日忘れずに服用することが重要であり、飲み方に注意を払うことで避妊効果やホルモンバランスの調整など、期待される効果を安定して得ることができます。
ここではピルを正しく飲むためのポイントを押さえ、安心感を持って服用するための注意点やコツを紹介します。

毎日決まった時間に飲むのが基本

ピルは、毎日決まった時間に継続して服用することが基本です。
特に低用量ピルは、ホルモン濃度を安定させるために24時間ごとの服用リズムを守ることが推奨されています。時間がずれるとホルモンバランスが乱れて効果が低下してしまう恐れがあるので、服用時間が遅れる場合でも服用時間から12時間以上の遅れが生じないように十分注意することが大切です。(参照:日本産科婦人科学会『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン 』)
スマホのアラーム設定や服薬アプリの活用、朝の歯磨き後や夜のスキンケア後など自分の生活リズムに合った忘れにくい時間帯を選ぶことが、ピルを飲み忘れず習慣化するコツです。
特に初めてピルを使う方は「1日くらい大丈夫」と考えてしまうこともありますが、きちんと効果を得るために、飲み忘れないよう時間を守って服用しましょう。

飲み忘れたときの対処法を確認しておく

ピルを処方されたときは、医師に飲み忘れたときの対処法を確認しておくことが重要です。ピルはどの段階で何時間空いたかによって対処法が異なるため、事前に確認しておく必要があります。
例えば、24時間以内であればすぐに1錠飲み、次回以降は通常通り服用するのが一般的です。48時間以上空いた場合は残りのピルを飲むのを中断し、医師に相談してください。その周期中の薬の効果が不安定になる可能性があるため、月経周期の乱れや不正出血が起こることがあります。避妊にも気をつける必要があります。

自己判断で服用・中止をしない

ピルはホルモンに作用する薬なので、不適切な服用はホルモンバランスの乱れや月経異常を引き起こす恐れがあります。自己判断で飲み始めたり中止したりせず、医師に指示された用法と用量を守ることが必要です。
服用前、服用中、服用後のすべてのタイミングで医師と連携し、気になることは相談するのが、安心してピルを服用するためのコツです。

副作用が気になったら医師に相談する

ピルの副作用は人によって異なります。軽度の副作用は服用を続けるうちに自然と治まることもありますが、強い頭痛や息苦しさ、視覚異常などがある場合は血栓症の可能性もあるため、すぐに医師の診察を受ける必要があります。
また、軽い副作用であっても「これくらい大丈夫」と放置せず「念のため確認しておこう」という意識で医師に相談することで、より身体に合ったピルに変更できる可能性があります。小さな不安でも、医師に相談してみましょう。

ピルやアフターピルの処方はエイチクリニック 新宿にご相談を

エイチクリニック 新宿
ピルについて相談したい方やピルを服用したい方は、エイチクリニック 新宿に相談してみてはいかがでしょうか。
ピルの服用は、通いやすくてピルの効果や副作用についての知識が豊富なクリニックで処方してもらうのがおすすめです。エイチクリニック 新宿は、新宿駅から徒歩6分というアクセスのよい立地に加え、診療時間の長さや完全予約制など利便性の高い診療体制を整えています。
ここからは、エイチクリニック 新宿の特徴を紹介します。

夜間診療で仕事帰りにも通いやすいクリニック

エイチクリニック 新宿は、火曜から土曜まで毎日23時30分まで、日曜は21時まで診療を行っており、患者さんが仕事帰りなどスケジュールに合わせて通院予定を組みやすいクリニックです。
ピルを正しく服用するための知識やコツ、服用タイミングについてわかりやすく説明し、患者さんの副作用や飲み忘れへの不安な気持ちに寄り添った診療を行われています。

個室の待合室完備などプライバシーへの配慮でデリケートな悩みも相談しやすい

ピルの処方では、デリケートな内容の会話が必要なことも少なくありません。特にアフターピルの処方は、他人に聞かれたくないと感じるでしょう。エイチクリニック 新宿は個室の待合室でプライバシーに配慮されています。
「ピルを飲み忘れてしまった場合、どうしたらよいのかわからない」「正しい服用タイミングに悩んでいる」「月経のことで悩みがある」「避妊について相談したい」など、デリケートな内容でもリラックスして相談できる環境が整っています。

LINEやWebで予約が可能な完全予約制でスムーズな診察

ピルは定期的に処方してもらう必要があるため、予約のしやすさや待ち時間の少なさといった通いやすさは重要なポイントです。
エイチクリニック 新宿はスムーズな診察のために、完全予約制を採用し24時間利用可能なLINE予約やWEB予約に対応しています。診療時間内なら電話予約も可能なので、都合のよい方法で予約を取ることができます。クリニックの利用方法など、わからないことがある場合は公式ホームページからAIチャットを利用するのもおすすめです。

忙しい方やピルの処方を考えている方にとって頼りになるクリニックなので、ピルに関するデリケートな悩みがある方は、エイチクリニック 新宿に相談してみてはいかがでしょうか。

エイチクリニック 新宿の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

JR山手線 新宿駅 徒歩6分

東京都新宿区歌舞伎町1丁目5-4 第22東ビル2階

診療時間
16:00~23:30
18:30~23:30

▲:14:30〜21:00
※診療の最終受付は22:30まで

【費用(税込)】
 ピル
  ルナベル:5,500円/1ヶ月(1日約180円)
  トリキュラー28(国産):1,650円/1ヶ月(1日約60円)
  マーベロン28(国産):2,200円/1ヶ月(1日約80円)
  血液検査:11,000円(半年に1回)
  1割負担:約1,500円 3割負担:約4,500円
 アフターピル
  レボノルゲストレル 1.5㎎:12,100円/1錠
  プラノバール:7,150円/4錠

【治療期間】2~5年程度
【治療回数】3ヶ月ごとのフォローアップあり

この記事の監修医師