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中等度~重度の歯周病に新たな選択肢。青色レーザーと過酸化水素水を活用した「ブルーラジカル治療」とは?【新潟県新発田市 田上歯科医院】

 公開日:2026/03/27

中等度~重度の歯周病に新たな選択肢。青色レーザーと過酸化水素水を活用した「ブルーラジカル治療」とは?
中等度~重度の歯周病に新たな選択肢。青色レーザーと過酸化水素水を活用した「ブルーラジカル治療」とは?

歯周病は、糖尿病・心疾患・骨粗しょう症などの全身疾患とも深い関連がある怖い病気。進行すると歯茎を切開する外科的な治療や、最悪の場合、抜歯を選択せざるを得ないこともある。そんななか、中等度~重度の歯周病でも非外科的に治療ができる歯周病治療器が登場。「ブルーラジカル」と呼ばれ、注目を集めている。新発田市五十公野の「田上歯科医院」では、このブルーラジカルを導入。どのような効果が期待できるのか、どのように治療が進められるのか、同院の田上正幸院長に詳しい話を伺った。

Doctor’s Profile
田上 正幸(たうえ まさゆき)
田上歯科医院 院長

1986年新潟大学歯学部卒業。新潟大学歯学部第2補綴学講座医員、新潟大学歯学部文部教官助手を経て、新潟県厚生連糸魚川総合病院歯科医長。1994年3月に新発田市五十公野にて「田上歯科医院」開業。一般歯科・予防治療・小児歯科・入れ歯・審美治療ホワイトニングインプラント・訪問診療と幅広く対応し、地域の人々の口腔の健康を守る。患者が前向きに治療に取り組めるよう、検査や治療の際には十分な説明を欠かさない。

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時間と労力のかかる歯周病治療。進行すると外科的な処置も必要に

歯周病が“怖い病気”であることはかなり認知されているように思います。患者さんの予防・治療の意識の高まりなどは感じますか?

症状のないうちから相談に来られたり、しっかりと治療に向き合われたりと、当院に通う患者さんの歯周病に対する意識は高まっているように感じます。早期治療ができるので、抜歯をしたり、入れ歯をつくったりする機会が少なくなりました。

時間と労力のかかる歯周病治療。進行すると外科的な処置も必要に

それはうれしい変化ですね。ただ、歯周病治療というと、むし歯の治療と比べて根気が必要なイメージがあります

むし歯治療と比べると、治療期間は比較的長くなります。歯磨きの方法や習慣の改善が不可欠であること、保険の枠内で行うと口腔内を分割してSRP(スケーリングルートプレーニング)を行う必要があり、通院回数が多くなることなどが影響しています。

根気強く治療を行えば、しっかりと効果は実感できるものでしょうか?

歯科医院と患者さんが協力して根気強く治療を行えば、歯茎の腫れや出血、口臭、歯のグラつきといった症状の改善が期待できます。
ただ、歯周ポケットが深くなっている場合には、歯磨き改善とSRPを合わせた歯周基本治療では十分な効果が得られないことがあります。

歯周基本治療を行っても効果を十分に得られない場合、次はどんな治療が必要になりますか?

歯茎を切開して歯周ポケットを開放し、露出した歯の根にこびりついた歯石を除去する「フラップオペ」、それに溶けた顎の再生を促す薬剤を併用する「エムドゲイン」「リグロス」といった、歯周外科治療が必要になります。

患者側からすると少しハードルが高いように感じます

そうですね。そのため、ここで治療をあきらめて抜歯を選択する患者さんも少なくありません。また、歯周外科治療を行ったからといって、必ず歯を残せるとは限りません。

抜歯を選択した後、そのままの状態にしておくのはやはりおすすめしませんか?

歯を抜けたままにしていると噛む力が弱くなり、十分に栄養が摂れない・食事を楽しめないといったことで全身の健康・QOLに影響します。また、周囲の歯や歯茎に余計な負担がかかり、ドミノ式に歯を失っていくおそれもあるため、インプラント入れ歯、ブリッジなどの追加治療は必須です

時間と労力のかかる歯周病治療。進行すると外科的な処置も必要に

見た目が悪いだけでなく、残っている歯の寿命にも影響するんですね。貴院で導入されているブルーラジカル治療は、そういった進行した歯周病の治療に有効と聞きました

ブルーラジカル治療は、進行した歯周病を非外科的に改善する効果が期待できる新しい治療です。主な適応は、歯周ポケットの深さが6mm以上の中等度~重度の歯周病です。特に、歯周外科治療や抜歯を避けたい方には、ぜひ一度ご検討いただきたい治療です。

中~重度の歯周病に対し、1歯あたり5分の処置で高い効果が期待

中~重度の歯周病に対し、1歯あたり5分の処置で高い効果が期待

それでは改めて、ブルーラジカル治療について教えてください

ブルーラジカル(ブルーラジカルPO-1)とは、東北大学が開発した歯周病治療器です。厚生労働省より、重度歯周病に対する効果が認められる医療機器として承認を受けています。
2024年の4月から販売が始まりましたが、当院では2024年の11月からブルーラジカルによる中等度~重度の歯周病治療を開始しています。

具体的にどのような治療になるのでしょうか?

口の中に入る部分(スケーラーチップ)は、従来の歯石取りで用いる「スケーラー」よりひと回り大きくなっています。同部は中空構造で、その先端から405nmの青色レーザーと3%過酸化水素水を出し、歯周病菌を殺菌します。一般のスケーラーと同じように、歯周ポケットに挿し込んで使用します。

過酸化水素水が青色レーザーに反応し、作用するということでしょうか?

そのとおりです。レーザーが過酸化水素水を分解することで活性酸素の一種である「ヒドロキシルラジカル」が発生し、これが殺菌効果を発揮します。
1本の歯に対する所要時間は約5分で、歯周ポケット内部の歯周病菌の高い殺菌効果が実証されています。

少し気になる単語が出てきました。「活性酸素」の一種が発生するとのことですが、体の酸化や老化といった悪影響はないのでしょうか?

ヒドロキシルラジカルの発生が過度になると身体を酸化させますが、5分程度であれば生体には悪影響がないことが治験で証明されています。また、あくまでレーザーが過酸化水素水を分解したときに発生するものであり、レーザーの照射をやめればヒドロキシルラジカルの発生も同時に止まります。

治験で安全性が確認されているのは大きな安心材料ですね。歯周ポケットの高い殺菌効果が発揮されると、どのような効果が得られますか?

歯周病菌が大幅に減って炎症が抑えられるため、「歯周ポケットが浅くなる」「歯茎の腫れ・出血・膿が軽減する」といった効果が期待できます。
歯周ポケットが浅くなると、歯磨きによる清掃性が高まり、歯茎の状態を維持しやすくなります。また、徹底した殺菌によって口腔内の環境が改善され、「口臭の改善」につながるケースも多くあります。

なぜ、それほどよくなるのでしょうか?

やはり、歯周ポケットの歯周病菌の多くを殺菌する効果によるものだと思います。原因菌を大幅に殺菌することで、炎症の抑制とともに、術後の早い段階から口臭の抑制を実感しやすいのがこの治療の特徴です。

歯周ポケットに挿し込んで使用するとのことですが、痛みはないのでしょうか?

歯茎に麻酔注射を打ちますので、ブルーラジカルの治療自体には基本的に痛みはありません。治療後、麻酔が切れて少し痛みが出ることはありますが、それも痛み止めを飲めば抑えられる程度です。痛みが心配な方も、安心して受けられる治療です。

進行した歯周病に対する治療として、歯周内科治療が行われることもあるかと思います。ブルーラジカル治療と歯周内科治療との違いについてはいかがでしょうか?

歯周内科治療では抗菌薬を用いて殺菌を図りますが、耐性菌が生まれて十分な効果を得られないことがあります。ブルーラジカル治療では耐性菌が生まれることがないので、その点では優位性のある治療と考えています

中~重度の歯周病に対し、1歯あたり5分の処置で高い効果が期待

治療効果を十分に発揮させるには歯周基本治療、メンテナンスとのセットが必要

治療効果を十分に発揮させるには歯周基本治療、メンテナンスとのセットが必要

適応症例であれば、ブルーラジカル治療のみで歯周病治療は完結するのでしょうか?

ブルーラジカルには、超音波の振動で歯石を落とす超音波スケーラーとしての役割もあります。ただ、従来の一般的なスケーラーと比べると、歯石除去の効果は十分ではありません。そこで当院では、先に歯周基本治療(SRP+歯磨き指導)を行い、歯石除去・プラークコントロールをした上で、ブルーラジカル治療による殺菌を実施します。

下準備をしてからブルーラジカル治療を行うのですね。では、ブルーラジカル治療を行う場合の、初診からの流れを教えてください

初診では、まずレントゲン検査・歯周ポケット検査を行います。続けて歯周基本治療を行い、歯石・プラークを十分に落とします。そして歯周基本治療の効果を評価した上で、いよいよブルーラジカル治療を行います。
さらにその後、2度ほど治療効果の評価・歯磨き指導を行って終了です。ブルーラジカル治療を実施するのは、2~3度目の受診のときということになります。

ブルーラジカル治療は基本的に1回で終了するとのことですが、繰り返し必要になることもあるのでしょうか?

3カ月に1回程度、継続して行っていくのが理想といわれています。ただ、メンテナンスをしっかりと行って浅くなった歯周ポケットを維持できれば、その間隔を延ばしたり、繰り返しのブルーラジカル治療が不要になったりすることが期待できます。

画期的な治療ではありますが、歯周病が簡単に治る治療ではないということですね

ブルーラジカル治療が必ずしも万能ではないとういことは、患者さんにもしっかりと説明しています。ブルーラジカル治療の前に行う歯周基本治療、後に行う定期的なメンテナンスがセットになって、初めて十分な効果が得られる治療と考えます。

ブルーラジカル治療は自費診療ですね。貴院の治療費用を教えてください

1歯のみの場合は9,000円(税込)、1ブロック(4歯まで)の場合は33,000円(税込)となっています。歯周病は基本的にお口全体で進行しますので、特に歯周ポケットが深くなっている部位に対して、ブルーラジカル治療を選択的に実施します。

治療効果を十分に発揮させるには歯周基本治療、メンテナンスとのセットが必要

ちなみに、軽度の歯周病に対してブルーラジカル治療を行うこともありますか?

患者さんが希望される場合は、軽度歯周病でも実施可能です。ただ、軽度であれば歯周基本治療でも十分に対応できますので、基本的にこちらからおすすめすることはありません。
多くの人にその効果を体験していただきたく、ブルーラジカル治療の費用はできるだけ抑えていますが、決して安い治療ではないので、やはりもっとも効果を実感しやすい中等度以上の方におすすめしています。

ありがとうございました。それでは最後に読者の方々にメッセージをお願いします

従来の歯周病治療は、治療時間が長かったり、通院回数が多かったりと、治療そのものが患者さんのご負担になることが少なくありませんでした。ブルーラジカル治療であれば、少ない負担で中等度~重度の歯周病を改善する、歯周外科治療・抜歯を回避するといったことが可能です。気になる方は、ぜひ当院にご相談ください。

編集部まとめ

ブルーラジカル治療のよい面だけでなく、必ずしも万能ではないこと、歯周基本治療やメンテナンスも必要だということも丁寧に説明していただきました。とはいえ、進行した歯周病であっても歯周外科治療や抜歯を回避できる可能性を秘めた画期的な治療であることには変わりありません。新発田市やその周辺にお住まいで、なかなか終わらない歯周病治療であきらめそうになっている人、あるいは歯周外科治療をすすめられたものの、できれば避けたいという人は、田上歯科医院に一度相談されてみてはいかがでしょうか。

田上歯科医院

医院名

田上歯科医院

診療内容

歯周病治療 予防治療 一般歯科 など

所在地

新潟県新発田市五十公野5083-3

アクセス

JR羽越本線・JR白新線「新発田」駅より車で10分
バス「五十公野団地前」バス停留所より徒歩1分

この記事の監修歯科医師