銀歯を白くしたいけれど、費用が高額になるか不安【高知県高知市 木口歯科医院】


歯に対する美意識が高まっている昨今、「銀歯を白くしたい」という思いを持つ人が増えている。しかし、白い歯を入れるのは自由診療となるため、高額な費用負担が心配だ。また、「黄ばんだ歯を審美治療で治したい」と希望する人も多いようだが、歯の表面を削ったり、治療の痛みがどのぐらいになるのかも気になるところ。
今回はそんな不安を持つ人のために、歯を白くするための審美治療がどのくらいかかるのか、どのようにして治療を行うのかなどについて、審美治療に力を入れる「木口歯科医院」の木口 義朗先生に話をうかがった。
木口 義朗(きぐち よしろう)
木口歯科医院 院長
朝日大学歯学部を卒業後、医療法人口誠会大野歯科に勤務。2016年3月に「木口歯科医院」を開院。2021年に医療法人化し、「医療法人義貴会木口歯科医院」となる。SJCD ステップアップコースサティフィケイト授与、CO2レーザーサティフィケイト授与。
バランスのとれた美しい口元を実現する審美治療
先生は審美治療に力を入れておられますが、そもそも審美治療とはどのような治療なのでしょうか?
一般的な歯科治療のように、歯の痛みを取ったり噛む機能を回復させたりすることがメインの治療ではなく、「バランスのとれた美しい口元になりたい」という新しいニーズから生まれた治療スタイルのことです。

審美治療を受けることは、患者さんにとってどんなメリットがありますか?
銀歯は見た目的にもあまりよい印象はないですね
保険診療で使うパラジウムや銀などを使った歯は、時間が経つにつれて徐々に黒ずんできたり、イオン分解してボロボロになってきたりします。そうすると、歯の周囲からプラークや細菌などが入り込み、またむし歯になってしまうこともあります。
その点、セラミックなどの材質は丈夫で、錆びたり劣化したりすることもなく、長持ちしやすいというメリットがあります。
審美治療にはどんな種類がありますか?
セラミック治療のそれぞれの素材の長所短所、治療費を教えてください
最も価格が安いのは「メタルボンド」で、金額は1本75,000円(税込)です。メタルボンドは金合金などの金属にポーセレン(陶材)を焼き付けた被せ物で、見た目は他の歯と区別が付かないほど自然です。ただし、歯茎が下がってくると金属とポーセレンの継ぎ目が見えたり、歯茎の際が黒ずんだりすることもあります。
「オールセラミッククラウン」は、金属を使用せず、セラミックス材料を使用して作られた歯の被せ物のことです。金額は1本100,000円(税込)です。メタルボンドとは違い、何年経っても歯茎が黒ずむことがないのですし、表面がツルツルしているため、汚れがつきにくいのでむし歯が再発しにくく自然な歯が待つ色の光の反射特性に近いため、処置を行った歯と周囲の歯との違和感が少なくなります。また、金属アレルギーを持っている患者さんにも適しています。当院では二ケイ酸リチウムガラスセラミックと呼ばれる次世代の素材を用いたe-maxを使用しています。ジルコニアと比較して強度はやや劣りますが光透過性に優れた材料であるので装着後に自然観を得やすい傾向があり前歯に適しています。
「オールジルコニアクラウン」は、すべてジルコニアでつくられた被せ物です。金額は1本100,000円(税込)。硬くて割れにくく、奥歯の被せ物としても適しています。セラミックと同じように、何年経っても歯茎が黒ずむことがありませんし、汚れがつきにくいためむし歯の再発リスクが少ない特徴がありますが、自分の歯よりも硬い素材のため、噛み合う自分の歯をすり減らしてしまう場合があります。どちらもセラミックに分類される材料ですが、長所と短所が少しずつ異なりますので、それぞれのケースに応じて適切なものを選ぶことが大切です。
治療期間/回数
「メタルボンド」:2~4週間程度/2~4回
「オールセラミッククラウン」:2~2か月程度/2~4回
「オールジルコニアクラウン」:2~4週間程度/2~3回
次に、「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の違いについて、金額面も含めて教えてください
「オフィスホワイトニング」は、当院で行うホワイトニングです。金額は1回分が39,600円(税込)で、通常3回ほど行います。濃度の強い薬液を使うので、1回の治療で歯が白くなるのを実感できるため、モチベーションアップにつながります。ただし、ホームホワイトニングに比べて、後戻りしやすいというデメリットがあります。
「ホームホワイトニング」は、自宅で毎日行うホワイトニングの方法で、1~2カ月ほどかけて白くしていきます。時間をかけてじっくりと白くしていくので、オフィスホワイトニングに比べて期間は長くかかりますが、後戻りしにくいというメリットがあります。金額は約1カ月分が39,600円(税込)です。
最も結果が出やすいのは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行う「デュアル型」という方法です。その際の金額は75,000円(税込)です。どちらか一方を選択する場合、当院では基本的にホームホワイトニングをすすめていますが、結婚式や就職試験などが間近に迫っているような場合には、オフィスホワイトニングのほうが早くていいでしょう。

安い金額で白い歯にできる、保険適用の「CAD/CAM」

貴院では「CAD/CAM」を使って、保険適用になる審美治療も行っているそうですね。これはどのような治療なのでしょうか?
口腔内スキャナーで歯型や噛み合わせを撮影し、そのデータをもとに「CAD/CAM」の機械を使って歯を削り出し、それを審美治療に使う方法です。「ハイブリッドレジン冠」と呼ばれる、レジン(歯科用プラスチック)にセラミックの粒子を混ぜた、白い素材を使います。「CAD/CAM」は保険適用になるので、費用を抑えて審美治療を行えます。
ただし、セラミックほど強くないので割れる可能性もありますし、長年使っていると変色することもあります。それでも気軽に安い金額で審美治療を行えるため、「CAD/CAM」を利用する方は多くいらっしゃいますよ。自費治療にするのか、「CAD/CAM」にするのかは、メリットデメリットを考えながら選択されるとよいと思います。
院内に歯科技工士が在籍し、歯の色や形を直接相談できる

定期的なメンテナンスは、どのようなタイミングで行えばよいのでしょうか?
メンテナンスに来院していただくタイミングについては、その方のお口の状況などによっていろいろです。2~3カ月に一度の方もいますし、半年に一度来られる方もいます。
審美治療も大事ですが、その後のメンテナンスをしっかりと行うことで、常に口腔内をよい状態に保ち、美しい口元を長く維持することができます。
院内に歯科技工士さんがいらっしゃるというのは、歯科医院ではめずらしいのではないですか?
そうですね。個人の歯科医院としては数少ないと思います。でも、院内に技工士がいることで、より精密で正確な技工物がつくれるので、私は必要だと思っています。色合わせのときには、技工士さんと患者さんが直接お話をしながら、「こういう形にしましょう」「この色がいいのでは?」とやり取りをしながら、理想の色と形を決めていきます。
患者さんが満足できる歯の形や色を決めるためには、やはり技工士さんが患者さんのお顔を見ながら話し合うのがベストです。

院内の設備には、どんなものがありますか?
お口の中をより細かなところまでスキャンできる、「口腔内3Dスキャナー」があります。また、そのスキャナーのデータをもとにして、短時間に精密な補綴装置を製作できる「補綴物作製機器」があります。補綴物が出来上がるまで何日間か待つ必要なく、その日に治療を終えることができます。(※治療後は経過観察のため通院いただく場合があります)
肉眼の60倍に拡大して見られるマイクロスコープもあります。歯を形成するときや削るときなどに、高い精度で治療を行うことができます。
最後に、審美治療を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対して、メッセージをいただけますか?
歯の痛みを取ったり口腔機能を回復させたりすることは、歯科治療の原点として絶対に必要ですが、美しい口元になって明るい笑顔で過ごすための治療も、生活の質を向上させるという点でとても大切だと思います。口元にお悩みのある方は、自信を持って長い人生を歩むためにも、ぜひ審美治療にチャレンジすることをおすすめします。




