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まぶたの上がりづらさ・見えづらさを感じたら早めに受診。「我慢する期間」の短縮が今後の健康とQOLを守る【大阪府堺市中区 ひふみるクリニック】

 公開日:2025/09/29

まぶたの上がりづらさ・見えづらさを感じたら早めに受診。「我慢する期間」の短縮が今後の健康とQOLを守る
まぶたの上がりづらさ・見えづらさを感じたら早めに受診。「我慢する期間」の短縮が今後の健康とQOLを守る

眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる筋肉の力が衰え、まぶたの皮膚がたるんで瞳孔が隠れ、視野が狭くなる症状。原因の多くは加齢によるものだ。治療で必要になる手術は、条件さえ満たせば保険適用が可能となる。では、どういったケースで保険が適用されるのだろうか。気になる痛みや腫れを軽減する方法はあるのか。また、安心して手術を受けるためにはどのような点に注意すべきなのか。眼瞼下垂の日帰り手術を行っている大阪府堺市中区新家町のひふみるクリニックの院長、中林洋平先生に話を伺った。

Doctor’s Profile
中林 洋平(なかばやし・ようへい)
医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック院長

2008年、山形大学医学部卒業。山形大学医学部附属病院の初期臨床研修医を経て、大阪大学形成外科 入局。大阪警察病院形成再建外科・美容外科、大阪厚生年金病院形成外科での勤務後、2014年からJCHO大阪病院形成外科で医長を務める。2021年6月ひふみるクリニック開院。日本形成外科学会形成外科専門医。形成外科・皮膚科・美容外科・美容皮膚科に対応し、家族を診る気持ちで診療にあたる。同クリニックが2024年の1年間に行った眼瞼下垂手術は1,231件。

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眼瞼下垂手術は、条件を満たせば保険が適用される

眼瞼下垂に関する相談は近年増えていますか?

はい。「眼瞼下垂」=「病気」であるということ、条件を満たせば保険が適用されるということが徐々に認知されるようになり、相談に来られる人も増えています。

眼瞼下垂手術は、条件を満たせば保険が適用される

具体的には、どのような場合に保険が適用されますか?

問診と診察、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋という筋肉のテストなどを行い、医師が診断します。基本的に初診の日に診断ができ、大半の方がその日のうちに手術日のご予約をされていきます。もちろん、即決する必要はありません。一度、持ち帰って考えていただくこともできます。

眼瞼下垂はまぶたが上がりにくくなり、瞳孔が隠れる病気と聞いています。視野にはどのような影響がありますか?

特に視野の上方が狭くなります。車の運転中に信号が見えづらかったり、階段を上がる時に進む先が見えづらかったりといった問題が起こります。また、人や物を見ようとする時、その全体を視野に収めるために顎を突き出す癖がつく方もいらっしゃいます。

日常生活のさまざまな場面で支障が出るんですね。ほかに何か症状はありますか?

「目を開きづらい」「まぶたが重く感じる」「老けて見える」「眠そうに見える」といった症状が挙げられます。また、額の筋肉を使ってまぶたを持ち上げるようになるため、「額の横ジワが深くなる」「肩こり・頭痛などの不定愁訴を引き起こす」といったこともあります。

主な原因は加齢とのことですが、それ以外にも原因はありますか?

ハードコンタクトレンズの長期装用、かゆみなどによる目を擦る癖、アイメイクやそのメイクを落とす際のまぶたへの刺激なども眼瞼下垂の原因となります。そのため、患者層のボリュームゾーンは40代以降ですが、それ以下でも眼瞼下垂と診断されることはあります。

まぶたが下がると見た目も気になります。眼瞼下垂手術を行えば、見た目もよくなるのでしょうか?

保険の眼瞼下垂手術は、あくまで機能的な回復を目指すものですが、まぶたが上がりやすくなり、目元が若々しく見えるようになることが期待できます。美容を第一の目的とする場合には自費診療扱いとなります。

保険の眼瞼下垂手術では、どのような方法が取られますか?

緩んだ挙筋腱膜を瞼板から一旦切り離し、十分に目を開ける位置で腱膜・瞼板を縫い合わせる「挙筋前転法」、眉下の皮膚を切除し縫い縮める「眉毛下皮膚切除術」が主流です。当院ではこれに加え、重度の眼瞼下垂に適した「挙筋短縮術」、眼瞼挙筋の力が低い眼瞼下垂に適した「前頭筋吊り上げ術」も行っています。

眼瞼下垂手術は、条件を満たせば保険が適用される

まぶたの状態によって術式を使いわけるのですね。眼瞼下垂の相談は、どんなタイミングですればよいでしょうか?

「視野が狭くなった」「まぶたが上がりづらい」といった症状が気になったタイミングで、一度ご相談ください。手術が保険になるか自費になるかは、結局は受診するまでわかりません。「自費になるなら手術は受けない」という選択ももちろんできますので、まずは信頼できる医師に相談するのがよいでしょう。

手術の痛み・術後の腫れを抑えるためにできること

手術の痛み・術後の腫れを抑えるためにできること

手術までの流れについてお伺いします。初診の日には何を行いますか?

問診と診察、診断を行います。保険が適用されるかどうかは、このときに判断してお伝えします。手術の内容を説明し、ご理解・ご同意いただけましたら、手術日を決定します。基本的に、次にご来院いただくのは手術当日ということになります。手術の前日は、深酒、日焼けなどを避け、普段通りお過ごしください。

手術当日はどういった流れになりますか?

ご来院後、体調の確認、洗顔・メイク落としを行っていただきます。続いて医師が仕上がりについての説明を行い、ご同意いただけましたら麻酔をかけて手術となります。手術中は生体モニターで血圧・心電図・酸素飽和度などを常に測定していますので、万が一異常が起きたときも速やかに対応します。

気になる手術中の痛みですが、貴院ではどのように対応されていますか?

点眼麻酔、目のまわりへの注射麻酔、笑気麻酔を行っています。笑気麻酔とは、鼻から笑気ガスを吸っていただくことで、不安・緊張・痛みを感じにくくなる麻酔です。小児歯科でも使用されている安全性の高い麻酔です。ほかに麻酔テープも用意しておりますので、患者さんに合わせた麻酔が可能です。

すると、手術中はほとんど無痛になるのでしょうか?

麻酔はただ効けばよいというものではありません。手術中に行う目の開き方のチェックが難しくなる恐れがあるためです。また、注射麻酔の量が多いと、液体としての作用によってむくんだりすることがあります。痛みは少しある、とお考えください。

痛みがないからよいというわけではないんですね。手術後の腫れについても多くの人が気になるかと思います

程度の差はありますが、切開を伴う手術ですので、必ず腫れます。ただ、いろんな工夫をすることで、腫れを軽減することが可能です。当院では、飲酒・入浴の制限といった基本的な対策だけでなく、まぶたを冷却したり、水・塩分を摂り過ぎないようにしたり、姿勢に気をつける等のアドバイスを行っています。

「姿勢に気をつける」とは、具体的にどのようなことでしょうか?

患部が心臓より低い位置にあると腫れやすくなります。そのため、就寝時以外は横にならないようお願いしています。また可能であれば、就寝時にも頭を高くし、ソファで座って眠っていただくと、翌朝の腫れが抑えられます。

小さなことの積み重ねで腫れも軽減できるんですね。貴院では手術の際にレーザーメスを使用すると伺っています。レーザーメスも痛みや腫れの軽減につながりますか?

痛みについては大きく変わりませんが、切開・止血を同時にできるため、手術時間が短縮されます。腫れについては、レーザーメスを使用した場合のほうが、術後の腫れが早く引くことが期待できます。
なお、当院の場合、手術(切開~縫合)時間は30~40分、院内の滞在時間は1時間半くらいが目安となります。

手術の痛み・術後の腫れを抑えるためにできること

最後まで安心して通える・まかせられるクリニック選びを

最後まで安心して通える・まかせられるクリニック選びを

手術後、いつから仕事に復帰できますか?

当院の場合であれば、手術の翌朝に診察を受け、そのまま出社される方が全体の3割くらいを占めます。3日以内に復帰される方が約6割、「できるだけ腫れが引いてから出社したい」と1週間ほどお休みになる方が約1割といった具合でしょうか。

患者さんがどの程度「人に腫れを見られたくない」と考えるかによっても変わってきますね。腫れを隠すためにできることはありますか?

簡単にできるのが眼鏡とマスクの着用です。また、傷口を避けていただければ、手術の翌日からコンシーラーの使用が可能です。ただし、感染予防のため、アイメイクは1カ月ほど控える必要があります。

その他、洗髪や洗顔、入浴、コンタクトレンズ装用など、術後の制限が必要な期間について、目安を教えてください

首下のシャワーであれば当日から、洗髪・洗顔であれば翌日から、入浴であれば約1週間後の抜糸以降から、コンタクトレンズ装用であれば1カ月後から、それぞれ再開できます。髪や身体の汚れが気になる方は、手術の当日、お風呂に入ってから受診されることをおすすめします。

手術前や手術後も細やかなケア・アドバイスをされているのですね

私たち医師にとって手術は日常的なことですが、患者さんにとっては特別なイベントです。期待だけでなく、不安や怖さもあることを私たちは忘れてはならないと考えています。患者さんの声を聞き、気持ちを汲み取り、さらによりよい治療を追求していきたいですね。

手術後も経過観察で幾度か通院が必要と思います。そこではどんな診療を行いますか?

手術の翌日、1週間後(抜糸)、1カ月後、3カ月後、6カ月後に来院をお願いしています。経過観察に加え、気になること・心配なことを伺ったり、合併症予防のための処置やアドバイスを行ったりします。来院の際、「見えやすくなった」「鏡を見るのが楽しい」といったお声をいただいたときには本当にうれしく思います。

患者さんからのフィードバックが得られることで、先生がまたよい治療を追求できるというよいサイクルが生まれていますね

そうですね。そういった意味で眼瞼下垂の手術を数多く行い、かつ責任を持って最後までしっかりと診ているかどうかは、クリニック選びの基準の一つとなると思います。私も、いつも自分の家族を診るつもりで診療にあたっています。

日帰りの眼瞼下垂手術の費用について教えてください

保険適用となれば、どの医療機関でも費用は変わりません。3割負担の方の場合であれば、手術費用、短期滞在手術基本料など含めた治療費の総額は、両眼で約5~6万円です。使用する薬剤や麻酔などによって、多少前後します。

最後まで安心して通える・まかせられるクリニック選びを

貴院で自費診療となった場合の費用についても、教えていただけますか?

両眼であれば、挙筋前転法で税込55万円、重瞼線皮膚切除で税込33万円となります。オプションとして重瞼(二重)をつくる場合は、別途税込11万円がかかります。自費の場合は、美容外科としてより細やかなデザイン、自由度の高い治療ができますので、ご希望の方はぜひご相談ください。

最後に、読者の方にメッセージをお願いします

眼瞼下垂は、私たちにとって当たり前となっている「見る」という機能を低下させる病気です。5年手術が遅れれば、その状態を5年我慢することになります。医師として、患者さんが我慢する期間は少しでも短くあってほしいと願っています。もしかしたらと感じる症状があれば、まずは一度、信頼できる医師に相談をしてみてください。もちろん、それが当院であればうれしく思います。

編集部まとめ

眼瞼下垂手術を検討されている方は、「保険か自費か」ということが気になるかもしれません。しかし、その判断は医師がするものであり、一人で考える意味はありません。痛みや腫れについても医師・患者さんの工夫によって軽減することが可能とのことなので、まずは信頼できる医師に相談してみましょう。クリニックを選ぶ際には、手術の実績だけでなく、手術前の説明を丁寧にしてくれるか、手術後のケアがしっかりしているかといった点も、大きなポイントになりそうです。

医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック

医院名

医療法人まぶたラボ ひふみるクリニック

診療内容

眼瞼下垂手術 形成外科 美容外科 など

所在地

大阪府堺市中区新家町589-10

アクセス

南海高野線「初芝」駅より車で5分

この記事の監修医師