患者にとって優しいインプラント治療を徹底追求【奈良県生駒市 有山おとなこども歯科】
私たちの暮らしの多くを支えている重要な役割を果たす歯。しかし、歯全体の健康はわずか1本を失うことでも損なわれてしまう。「たった1本」と思うかもしれないが、その1本の欠損で、ほかの歯にかかる負荷が大きくなり、残った歯が早期に失われる確率まで高まってしまう。それを防ぐ治療の一つとして挙げられるのがインプラントだ。失った歯の代わりに人工歯根を埋め込み、その上部にアバットメントで固定した人口のかぶせものを取り付けることで、元の歯に劣らない噛む力・咀嚼力が復活する。「最も負担の少ない形で患者にインプラントを提供する」というモットーのもと、治療を提供し続ける「有山おとなこども歯科」の有山院長にお話しをうかがった。
有山 誠人(ありやま・せいと)
有山おとなこども歯科 院長
愛知学院大学歯学部卒業後、大阪歯科大学附属病院・歯科医師臨床研修医として経験を蓄積。同病院第二口腔外科勤務、日本放送協会健康保険組合大阪診療所(歯科)勤務、心斎橋セントラル歯科勤務を経て、2020年4月、奈良県生駒市で有山おとなこども歯科を開業した。最善の治療を提供するため、新しい設備の導入と自己研鑽に積極的に取り組む姿勢が信頼を集めている。日本口腔外科学会認定医。日本口腔インプラント学会、京都インプラント研究所所属。
歯の欠損が引き起こす危機と、その治療方法
何らかの理由で歯を失ったまま放置した場合、どういったことが起こるのでしょうか?
歯がなくなった状態で放置していると、噛み合わせのズレが生じ、残った歯への負荷が大きくなります。「食事をとりにくくなる」「ほかの歯が早期に損なわれる」といった新たな問題も起こりかねません。そのため、失った歯を補う治療が必要です。
では、それぞれについてご説明をお願いします
まず、ブリッジは失った歯の両隣の歯に被せ物をして、その被せ物と被せ物との間に人口のかぶせものを取り付ける治療方法です。両隣の歯から人口のかぶせものを橋渡しするような見た目から、この名前が付いたといわれています。違和感が少ない治療方法ですが、被せ物を取り付けるには両隣の歯を削る必要があるので、健康な歯に負荷をかけてしまいます。
入れ歯もよく知られた方法ですが、総入れ歯・部分入れ歯ともに、違和感を持たれる方もいらっしゃいます。ただ、口内の状況によく適合した入れ歯なら、残っているほかの歯を十分に守れます。当院では入れ歯の製作にも対応しています。お気軽にご相談ください。
そして、インプラント。手術によってインプラントと呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人口のかぶせものを取り付ける治療方法です。インプラントと人口のかぶせものは、アバットメントという部品でしっかりと連結するため、天然の歯とほぼ同じように噛めますし、ほかの歯に負荷をかけることもありません。適応できるかどうかは顎の骨の状態にもよりますが、条件が整っているのであれば、失った歯の治療方法として最良の選択となる可能性が高いのがインプラントです。
「インプラントを顎の骨に埋め込む」とのことですが、どのように行うのか具体的に教えていただけますか?
インプラントは手術を伴う治療で、その方法には、一回法と二回法とがあります。一回法では、歯ぐきを切開し、専用ドリルを使ってインプラントを顎の骨に埋め込みます。この際、同時にアバットメントと仮歯を装着する手法は、即時荷重と呼ばれています。インプラントと顎の骨とが結合したら、型取りをして人口のかぶせものを製作。できあがった人口のかぶせものをアバットメントに取り付けて、違和感がなければ治療は完了です。
二回法は、歯ぐきの切開とインプラントの埋め込みまでは一回法と同様ですが、アバットメントは取り付けずにインプラントと骨との結合を待ちます。結合を確認したら、二回目の手術です。再び歯ぐきを切開し、インプラントにアバットメントを連結します。連結後の型取り・人口のかぶせもの製作・取り付けは、一回法と同じ流れです。
技術と素材に対するこだわりで、患者の負荷を軽減
「一回法の適応を満たす」数値には、インプラントの埋め込み方も関わってくるのでしょうか?
埋め込み方、具体的にはドリルの使い方によって変わります。当院では、特殊な方法でドリルを用いる手術を行っています。通常の方法では、削った骨が奥から浮き上がってしまいます。当院の方法では、削った骨がドリル周りの骨にぐっと押し込まれ、骨が緻密化していきます。削れば削るほど骨が硬くなっていくイメージですね。そのためインプラントを埋め込んだ時点から固定が取りやすく、一回法も適応しやすくなるのです。
患者さんにとって、手術が1回で済むか、2回必要なのかは大ごとです。可能な限りご負担を減らしたい思いで治療方法を開発し、設備も新しいものをそろえ、治療期間の短縮化に努めています。
インプラント自体も、こだわって吟味なさったものをお使いですか?
それでは、貴院のインプラント治療の流れについて教えてください
まずはカウンセリングで、患者さんのお悩みをうかがいます。その内容も考慮して治療方法をご提案し、その治療にかかる費用や期間を説明します。レントゲン撮影も、ヒアリングの際に行います。
ヒアリングの次は、精密検査と撮影です。歯科用CTで、顎の骨の量、厚み、歯の状態、血管が通っている場所などを詳しく確認します。
検査結果を踏まえ、改めて治療計画を立てます。その内容に同意をいただけたら、いよいよ手術です。先ほどお話ししたように、ほとんどの場合は一回法で治療を進めていきますが、骨の状態によっては二回法を適応する場合もあります。
手術後から1週間後には抜糸、その1週間後にインプラントを埋め込んだ部分の様子を見て、さらに4週間後には機械で歯の型を取ります。型取りの10日後には、アバットメントに装着する人口のかぶせものが出来上がるので、患者さんの負担軽減にもつながり、このスピード感も安心してインプラント治療に取り組んでいただける要因の一つだと考えています。治療期間は約2か月、通院回数は約5回と患者さんも無理なく治療に取り組めそうですね。
貴院でのインプラント治療にかかる費用について教えてください
インプラントを埋め込む手術費用として、インプラント1本あたり275,000円(税込)を申し受けています。アバットメントや人口のかぶせものの取り付けなどにかかる費用は、1本あたり165,000円(税込)です。人口のかぶせものの素材は基本的に、ジルコニアセラミックを提案しています。
患者の希望に寄り添うために技術を徹底追求
治療において、先生が大切にしていることは何でしょうか?
Short(短期間治療)、Simple(シンプル)、Small(最小限)、Safe(安全)の4つのSからなる、患者さん目線の「4Sコンセプト」という考え方に深く共感し、治療にもこれらを反映させています。
たとえば“技術”です。手術を1回で済ませる特殊なドリル使用方法や、歯科技工士と連携してつくり上げるフィット感の高い人口のかぶせものは、その代表例ですね。耐久性に優れ、患者さんにとって違和感の少ない形をした人口のかぶせものは、長持ちする可能性が非常に高い。こうしたポイントをおさえていない人口のかぶせものは、きれいな状態を保ちにくいので、歯周病などを発症する確率が高いのです。技術をはじめ、治療のすべてが「患者さんのご負担軽減、治療期間の短縮」につながるよう心がけています。