歯並びの異常を治療する
矯正歯科は、見た目だけの問題ではなく、正しく機能的なかみ合わせと歯周病や虫歯の予防にもつながる。
治療時間が長く、費用負担も大きいからこそ、正しい知識を身につけて治療に臨みたい。日本では従来ワイヤー矯正が主流だったが、
近年では矯正していることが目立ちにくいマウスピース型も開発されている。ワイヤー矯正と
マウスピース型矯正の違いを、すまいる総合歯科クリニックの渡辺院長に伺った。
Doctor’s Profile渡辺 政継
すまいる総合歯科クリニック 院長
2001年朝日大学歯学部卒業後、新潟、大阪で勤務医として経験を積み、2008年スマイル歯科開業。ニューヨーク大学で矯正のNYUプログラムを学び、ドバイやドイツなどで開催される数々のセミナーにも参加して研鑽を積んでいる。
矯正というと、何となく口元が気になって自然に笑えない、表情がぎこちなくなる、歯の手入れがしにくいといったイメージがあります。現在は矯正器具の選択肢も増えてきているのでしょうか。
矯正は大きく分けて、ワイヤー矯正と
マウスピース型矯正の2つがあります。
ワイヤー矯正は歯全体に針金をつけないといけないので、すべての歯を動かすことになります。
一方で、
マウスピースは部分矯正も可能です。透明で薄いマウスピース型の装置なので、
目立たず、自分で取り外しができるという利点があります。痛みも少なく、金属アレルギーのある方にも対応できます。
マウスピースもいろいろな種類があるのでしょうか。
はい。さまざまなメーカーのマウスピースがあり、すまいる総合歯科クリニックではマウスピースの中では最も実績が豊富な
インビザラインを中心に、クリアライナーなど4種類のものを使用しています。それぞれのメリット・デメリットを患者さんに説明して、患者さん自身に選択してもらっています。
インビザラインの特徴はどんなところにあるのでしょうか。
最初の型取りですべてのマウスピースを作製するので、
何度も型取りをしなくてもいいというのが最大のメリットです。装着しても透明なので目立ちません。
また、食事や歯磨きのときは
患者さん自身で取り外しが可能です。専用の洗浄液があるので、自分で洗うことができて衛生的です。ほかのマウスピースより素材が柔らかいので、個人差はありますが痛みや違和感もあまりなく、口の中の粘膜を傷つけてしまう心配がありません。マウスピースを利用して、ホーム
ホワイトニングも同時に可能です。
ただし、
1日20時間は装着が必要なので、その装着時間が守れない場合はきちんとした結果が出なかったり、当初予定していた矯正期間が延びることもあります。20時間がどうしても難しい方には、
一日12~13時間の装着で矯正可能なオルソラインも用意しています。
どんな方にインビザラインはおすすめですか。
痛いのが嫌、ほかの人にあまり気づかれずに矯正したい人にはおすすめです。金属アレルギーがあるので、矯正ができなかったという方にも安心して使っていただけます。
自由に外せるとのことですが、外してしまったら矯正にならないのでは?
もちろん、必ず守っていただきたいのが装着時間です。先ほども言いましたが、
インビザラインは一日20時間以上の装着が必要なので、
食事と歯磨き以外のときは極力つけてもらわないといけません。装着時間を守っていただけなくて、2年予定していた矯正が倍の4年かかったり、結局はワイヤーで固定したりして矯正したケースもあります。
マウスピース型は何歳からつけることができますか?
これまでは永久歯が生える時期からしか使用できなかったのですが、
乳歯と永久歯が混在する混合歯列期前期から使用できるインビザラインファーストが登場しました。子どもは骨が硬くないので、大人より期間が短くて済みます。また、外科的手術を回避できる可能性も高くなりましたので、お子さんの矯正を考えていらっしゃる方はまずご相談ください。
インビザラインは奥歯のほうまで、すべての歯の矯正は可能ですか?
できますが、奥歯の矯正はかなりの経験と知識が求められ、非常に難易度が高い症例になります。的確な技術を身につけている先生ではないと失敗する可能性も高くなります。
経験の差はどういったところで出てくるのでしょうか?
最初の治療計画で大きな差がでます。イメージ通りに矯正していくには、この治療計画をどう立てていくかが大切ですね。
一人ひとり、口の中の状態は違います。歯が現在どう動いているのか見極める力も必要になってきます。マウスピース型の矯正は歯科医師の力量の差が歴然とでてくる治療かもしれません。
矯正というと、ときには歯を抜かなければならないケースがあるようですが、インビザライン矯正はその点でどうでしょうか。
もちろん
インビザライン矯正でも歯を抜くケースはあるのですが、
ワイヤー矯正よりは非抜歯での矯正が可能です。小学校低学年の早い時期から予防矯正を行うことで、歯を抜かなくてよいケースが増えていますので、
なるべく早期の治療をおすすめしています。
治療中患者さんはどんな点に注意すべきでしょうか。
まずは決められた時間きちんと装着して、月1回は通院してもらうことが大切です。
また、マウスピースを装着したまま糖分の入ったジュースは飲まないほうがいいでしょう。そのままにしておくと虫歯になりやすくなります。もし装着したまま飲んでしまった場合は、あとで外して水洗いしておきましょう。
治療が完了した患者さんからはどんな声が届いているでしょうか。
「こんなにきれいに治ると思わなかった」「ワイヤーのように目立つことなく矯正できてうれしかった」など、さまざまな喜びの声をいただいています。
インビザラインは治療開始から完了まで、どういった歯の動きになっているかを動画で確認できるので、患者さんも
治療のゴールがイメージできてよかったという声も多いです。
他院で
マウスピース型矯正では治せないと言われた方や、
マウスピース型矯正をしたけど治らなかったという患者さんが
セカンドオピニオンで受診される方も増えています。あきらめずにぜひ一度ご来院ください。
機能改善のみならず、歯並びの矯正で行動が積極的になることも!
すまいる総合歯科クリニックの矯正治療の特徴を教えてください。
マウスピース、ワイヤー以外に、完全オーダーメイドの裏側矯正、部分矯正にも対応しています。なかでもマウスピースによる
矯正治療は数多く行っています。
インビザラインは
実績症例数に応じて材料費が変わってくるのですが、それによって患者さんに
リーズナブルな料金で治療を受けていただくことが可能になりました。また、一般歯科の治療もできますので、
矯正治療中でも歯周病や虫歯の治療を並行して行うことができます。
治療はどのような流れで行われますか?
最初は
無料相談を行っています。そこで興味を持たれたら、口腔内の写真撮影、
アイテロというデジタル機械で模型の型取りを行ったあと、一人ひとりに適切な矯正計画を立案し、オリジナルのマウスピースを作製します。そこから口に装着してもらって、矯正がスタートします。
その後、月に一度通っていただきながら、メンテナンスをしていきます。
部分矯正だと半年~1年、
全体矯正だと2~3年かかります。矯正が完了したら、1年に3~5回後戻りしていないか確認を行います。
治療に際して、先生は特にどのような点に留意していますか。
マウスピース型矯正は抜歯をせずに矯正を行うことが多いのですが、スペースを作るために歯と歯の間を削ることがあります。削りすぎると、しみたり虫歯の原因になったりしてしまうので、
削る量は必要最小限にするよう気を配っています。
インビザラインは
クリンチェックと呼ばれるシミュレーションソフトを使って治療計画を作製します。当院ではそのシミュレーションに、
長年の経験と知識を加味して的確に修正する技術を持っているのも最大の強みです。
院内の設備、システムについて教えてください。
従来は口の中に粘土のような素材、シリコンを入れて型取りを行っていましたが、3D光学スキャナ(iTeroアイテロ)を導入しました。シリコンを使っての型取りは、シリコン材が固まるまで時間がかかるなど、嘔吐反応のある患者さんにとってはとてもつらい治療だったと思います。アイテロはカメラで口の中をスキャニングするだけなので、患者さんに負担がありません。そのデータをもとに、より精密な歯型を記録することができます。
最後に読者へのメッセージがあればお願いします。
矯正は痛くて、かっこ悪いなどマイナスなイメージを持たれて、気になりながらもなかなか第一歩が踏み出せない方もいらっしゃるかと思います。
マウスピース型矯正は、これらのデメリットをなくした画期的な矯正方法です。
歯並びが悪いと、頭痛や
肩こり、腰痛など全身に悪影響が出ることもあります。美しい歯並びに矯正すると、しっかり噛めるようになるなど機能的に改善されるだけでなく、顔の印象が変わることで自信がついたり、積極性が出たりする患者さんも多く見てきました。
当院は無料でカウンセリングを行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
渡辺院長は、ニューヨーク大学で矯正の新しい技術を学び、現在もドバイやドイツに勉強に行かれるなど、技術をさらに高めるための研鑽を積まれています。いつも穏やかな渡辺院長ですが、マウスピースを決まった時間つけていない患者さんには、患者さんのことを思って、ときに厳しい口調で注意されるという院長の言葉に、患者さんと常に真剣に向き合われているのだなと安心感を持ちました。インビザラインをはじめとするマウスピース型矯正は、歯科医選びが本当に大切なのだなと痛感したインタビューでした。矯正を考えている方は、一度無料相談に行かれてみてはいかがでしょうか。
医院情報
すまいる総合歯科クリニック
所在地 |
〒791-3120
愛媛県伊予郡松前町筒井850番
エミフルMASAKI エミモール1F
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アクセス |
伊予鉄道郡中線 古泉駅 徒歩1分 |
診療内容 |
矯正歯科 マウスピース型矯正 小児矯正 他 |