「お酒を飲むと体に赤い斑点」ができる症状の特徴的な病気・疾患はご存知ですか?
お酒を飲むと体に赤い斑点ができるのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「お酒を飲むと体に赤い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
金子 緑(医師)
目次 -INDEX-
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
肝機能の低下
アルコール性肝障害とは、長期の飲酒によって肝臓に負担がかかり肝臓の機能が低下した状態のことです。アルコール性肝障害の病状には程度の差があります。初期の段階であれば禁酒により改善しますが、最終段階であるアルコール性肝硬変になると、元の状態まで戻ることは困難です。肝臓の機能が低下すると、目や肌が黄色くなる、疲れやすくなる、食欲がなくなる、お腹が張るなどの症状が現れることがあります。ただし、肝臓は沈黙の臓器とも言われ、ダメージがあってもある程度耐えてしまうため、症状が出たときにはかなり障害が進行していることがあります。肝硬変ではホルモンの影響で血管が拡張しやすくなり、血管がクモの足のような形に見えることがあります。これをクモ状血管腫といいます。
このような赤い斑点ができている場合は、この時点でアルコール性肝硬変となっている可能性があります。前述の通り、肝硬変は元の状態まで治すことは難しいので、禁酒は必要です。長期間の禁酒で肝臓の機能も少し良くなり、飲酒を続けているよりも改善が見込めるといわれています。
また、どの程度肝臓が弱っているか調べたり、合併症などに対する治療も必要であるため、内科(消化器内科)への受診が必要です。
アルコールアレルギー
上記の通り、飲酒後すぐに体中がまだらに赤くなっている場合はアレルギー反応の可能性があります。アレルギーの場合は症状が悪化し、最重症となった場合は窒息や血圧の低下などが起こる可能性があります。一刻も早く薬を投与しなければならないため、すぐに病院を受診する必要があります。安静にして救急車を呼びましょう。
そこまで重症でなく、気が付いたら症状が消えていたという場合でも、再びアルコールを摂取することで症状が出現することがあります。さらに怖いのは、再び症状が出たときは前よりもひどくなる可能性があるということです。よってアレルギーを疑う時点で、それ以後はアルコールを取らないようにするということが重要です。
また、アレルギーがアルコールにより引き起こされているかどうかを判断するためにも、病院で検査を受け、原因を調べておいた方が良いでしょう。
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
お酒を飲むと体に赤い斑点ができるときの対処法はありますか?
金子 緑 医師
飲み続けると悪化する場合があるので、その際にはお酒を飲むのを止めましょう。アルコールアレルギーである場合、2度目のアレルギー症状が起こる際には、前回よりも重症になることも考えられるので、早めに検査を受けるのが良いでしょう。
お酒を飲むと赤い斑点が出るのはアルコールアレルギーでしょうか。
金子 緑 医師
可能性はあります。かゆみや息苦しさなどの症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。一時的な症状である場合には、後日に消化器内科を受診すると良いでしょう。
飲酒で赤い湿疹が出るのはお酒が飲めない体質なのでしょうか?
金子 緑 医師
その可能性はあります。アルコールアレルギーやアルコールの代謝酵素が不足している可能性が考えられます。
アルコールで痒み・湿疹ができるのは皮膚科で治療できますか?
金子 緑 医師
かゆみや湿疹については皮膚科で治療可能です。しかし、症状の原因は肝臓の機能の低下である可能性も考えられますので、消化器内科を受診して精査を受けるのが良いでしょう。
まとめ
お酒を飲むと顔や身体が赤くなることは往々にしてあるかと思います。しかしながら、時にはアレルギーなど重症化すれば命に関わるものもあります。喉の違和感など普段と違う症状がある場合はすぐに病院を受診してください。また、長期的に赤い斑点が出ている場合はアルコール性肝硬変などの可能性もあります。気になる方は一度病院で検査を受けてください。
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状で考えられる病気
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
消化器系の病気
- アルコール性肝障害、肝硬変
免疫系の病気
お酒が弱い人は無理をしないことが大事です。お酒が強くても、肝機能の悪化やアレルギー症状が出現することはありますので注意しましょう。
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」に似ている症状・関連する症状
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- お酒を飲むと真っ赤になる
- お酒を飲むと体中が痒くなる
- お酒を飲むと熱くなる
- 赤い斑点 かゆくない
- 腕に赤い斑点 かゆくない
- 足に赤い斑点
- 顔 赤い斑点
- 赤い斑点 かゆくない 太もも
「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「アルコール性肝障害」「肝硬変」「アレルギー」などの疾患の可能性が考えられます。
かゆみや息苦しさがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。