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「太ももにかゆくない赤い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「太ももにかゆくない赤い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

太もものかゆくない赤い斑点で、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

後藤 和哉 医師

監修医師
後藤 和哉 医師(京都大学医学部附属病院)

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大分大学医学部卒業後、関西電力病院、京都大学医学部附属病院、研修医を経て
京都大学医学部附属病院、天理よろづ相談所、皮膚科医。

「太もものかゆくない赤い斑点」の症状で考えられる病気と対処法

太ももに痒みのない赤い斑点ができたことはあるでしょうか。太ももに限定する病気は少なく、太もも以外にも赤い斑点が見られることも多いので、他にも症状がないかどうかを確認してみましょう。考えられる病気とその対処法について解説していきます。

腕とお腹と太ももにかゆくない赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法

太ももに加え、うで、お腹などの柔らかい部分など広い範囲に赤い斑点がでるものとしては、薬疹や中毒疹、梅毒や膠原病などが考えられます。薬疹は、医薬品を内服したり注射することなどがきっかけで全身に赤い斑点のような発疹が出現します。中毒疹とは、原因不明の皮疹が全身に出現するもので、ウイルス疹とも言われます。梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜から感染することによって起こる性感染症の一つです。膠原病とは、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気で、多くの種類があります。これらは下段で詳しく説明しますが、早めの治療が必要になります。体の多くの場所に赤い斑点が出現している場合には皮膚科を受診しましょう。

太ももやスネにかゆくない赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法

軽くぶつけたことなどがきっかけとなり太ももやスネに赤い斑点が見られる場合、老人性紫斑を疑います。老人性紫斑とは、加齢によって血管や周囲の組織がもろくなり内出血が生じた状態のことです。手や腕に多くみられますが、歩行時に家具や壁にぶつかるなどして太ももにもみられることがあります。この皮膚病変は数週間から数カ月間をかけて消えることもありますが、消えずに残ることもあります。かゆみや痛みなどの症状もなく、治療を行う必要はありません。ただ、見た目の問題はありますので、気になる際には老人性紫斑かどうかを診断するために皮膚科を受診することを検討しましょう。

すぐに病院へ行くべき「太もものかゆくない赤い斑点」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

口・目・陰部などの粘膜の症状がある場合は、皮膚科へ

薬疹の中でも重症薬疹の恐れがあります。すぐに原因となる薬剤の中止と治療が必要になります。新しいサプリ、漢方、医薬品などを初めて2週間程度で赤い斑点が出たり、口・目・陰部などの粘膜の水疱・潰瘍・痛みなどの症状が出たりする場合には、すぐに総合病院の皮膚科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「太もものかゆくない赤い斑点」のセルフチェック法

  • ・太もものかゆくない赤い斑点以外に粘膜の症状がある場合
  • ・太もものかゆくない赤い斑点以外に腹痛、関節痛の症状がある場合

「太もものかゆくない赤い斑点」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「太もものかゆくない赤い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

薬疹

薬疹は飲み薬・注射薬・医薬品・サプリメント・漢方薬などが原因で起こる発疹で、特に飲み始めて1-2週間程度で起こるアレルギー性薬疹が重症化する可能性があるものです。全身の症状が出る中毒性表皮壊死症、目・口などの粘膜症状が強くでるスチーブンス・ジョンソン症候群、ウイルスが関与する薬剤性過敏性症候群などが重症薬疹に分類され、すぐに治療が必要になります。新しい薬を使い始めてすぐには体調の変化に十分注意しましょう。太ももなどに赤い斑点が出ても、薬をやめて改善してしまえば問題はありませんが、複数薬を飲まれている場合には、どの薬が原因なのか判断するのは難しいこともあります。悩むようでしたら、早めに皮膚科を受診しましょう。

IgA血管炎(ヘノッホ-シェーンライン紫斑病)

IgA血管炎はかつてヘノッホ・シェーライン紫斑病と呼ばれていました。IgAという免疫グロブリンの一種が関与する小さな血管に起こる血管炎の総称で、太ももや足にできる紫斑(多くは足にできますが、全身どこにでもできます)、関節痛、腹痛、腎障害が典型的な症状です。子どもで起こりやすいですが、成人では腎障害を起こしやすく、重症化する傾向があることがわかっています。腎障害などの進行・重症化を防ぐためにも、症状がでてすぐに病院を受診し治療を受ける必要があります。
IgA血管炎を疑うような足の紫斑をみたら、すぐに小児科・内科を受診しましょう。

全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデス(SLE)とは、膠原病の一種で、全身の様々な臓器に炎症が現れる病気です。発熱や全身倦怠感、皮膚症状、関節炎などのさまざまな特徴的な症状があり、いくつかの症状が複数そろった場合に診断されます。20−30代女性に多い病気です。
膠原病では、自分の体を守るために細菌やウイルスなどに対抗して攻撃する「免疫」という働きが過剰に働いてしまい、自分自身の体の細胞や組織を攻撃してしまう状態になります。治療の基本は、過剰な自己免疫を抑えることです。病状に応じてステロイドや免疫抑制薬などのお薬を使います。膠原病内科で専門的な治療が必要です。

梅毒

梅毒とは、梅毒トレポネーマという細菌が粘膜や小さな傷から感染することによって起こる性感染症です。感染すると約1ヶ月後に性器や肛門、口のしこりがみられ、約3ヶ月後には手や足などに全身性の発疹が現れます。ただし、一旦症状が消えるため治ったと考えてしまい、発見が遅れるという危険性があります。梅毒の感染者は近年増加していることが知られています。梅毒はエイズ(HIV感染症)の発症する危険性を高めますし、検査や治療が遅れると脳の病気を発症します。
多数の相手と性的接触がある場合には感染の危険性が高まります。感染しているかどうか不安な場合には、お住まいの地域の保健所や皮膚科、感染症科、泌尿器科、婦人科などで相談するのが良いでしょう。

「太もものかゆくない赤い斑点」の正しい対処法は?

何かしらの病気が原因で太ももの斑点が起こっているのだとすると、薬疹やIgA血管炎などの重症化のある病気であるため、セルフケアで対処せず、一度皮膚科を受診した方がよいでしょう。
受診までには、1ヶ月以内に新しいサプリメントや漢方薬、医薬品を飲み始めたなどがないかどうかをまとめておいたり、斑点が広がったり粘膜症状がでていないかどうかチェックしてみましょう。

「太もものかゆくない赤い斑点」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「太もものかゆくない赤い斑点」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

太腿に赤いブツブツが出たら痒くなくても皮膚科に行くべきですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

痒みがなくても、ブツブツがでてお困りの時には皮膚科を受診しましょう。

ストレスとかゆくない太ももの赤い斑点には関係性がありますか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

検査の結果、薬疹やIgA血管炎などの明らかな原因がなく、その他斑点の原因がストレス以外にない場合にはストレス性と判断されることもあります。

太もものかゆくない赤い斑点はダニが原因ですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

ダニによる赤い斑点の場合は通常は痒み、痛み、腫れを伴います。

太ももにかゆくない赤い斑点があるのは内出血ですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

ぶつけたり、他の病気で抗血小板薬、抗凝固薬などの血がサラサラになる薬を使ったりしている場合は明確な外傷がなくても内出血が原因で斑点が出ることがあります。

まとめ

太ももに斑点ができた時に考えられる病気について解説しました。記事を読んで、今ある症状に不安がある場合には病院で相談してみましょう。

「太もものかゆくない赤い斑点」で考えられる病気と特徴

「太もものかゆくない赤い斑点」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

内科の病気

  • IgA血管炎
  • 全身性エリテマトーデス(SLE)

太ももに限定する病気は少ないです。太もも以外にも症状がないかどうかを確認してみましょう。

「太もものかゆくない赤い斑点」と関連のある症状

「太もものかゆくない赤い斑点」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「太もものかゆくない赤い斑点」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「薬疹」「IgA血管炎」「中毒疹」「SLE」「老人性紫斑」「梅毒」などの疾患の可能性が考えられます。
皮疹だけではなく息苦しいなどの全身症状が出現した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

この記事の監修医師

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