「息を吸うと背中が痛い」際の正しい対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!
息を吸うと背中が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「息を吸うと背中が痛い」原因は?深く吸うと痛む場合や対処法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
目次 -INDEX-
「息を吸うと背中が痛い」ときの正しい対処法は?
筋肉が原因の疾患(肋間筋損傷、ぎっくり背中)であれば、市販の鎮痛剤を使用しても構いませんし、日常生活程度の活動ならば特に活動の制限は不要です。主な市販薬は、ロキソニンSやラックル、タイレノールAなどの内服薬です。湿布や塗布剤での消炎鎮痛剤でも構いません。湿布を貼る場合は肌の弱い方が日光に当たると湿布かぶれを生じやすいのでお気をつけください。過度なマッサージは筋肉内に血腫をつくる場合があり逆に痛みが長引く原因にもなります。病院、クリニックなどでの理学療法士によるリハビリテーション(ストレッチやマッサージ)が適しているでしょう。筋性の疼痛の場合、症状が出始めたばかりの時期は冷やす、慢性化した症状の場合は温めましょう。
「息を吸うと背中が痛い」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「息を吸うと背中が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大きく息を吸うと背中が痛いのは何科にかかるべきですか?
今村 英利 医師
呼吸時に症状がある場合は、胸郭(肋間筋、肋骨)や胸膜、肺に関係のある疾患が原因となっていることが考えられます。胸を押して痛いところがあれば胸郭に原因がある場合が多く整形外科が適しています。また、触って痛いところがなく、安静時にも呼吸苦などの症状がある場合は、内科を受診しましょう。
息を吸うと背中が痛い症状の予防で気をつける生活習慣は何ですか?
今村 英利 医師
肋間筋炎や僧帽筋炎など筋肉の炎症による息を吸うときの背中の痛みの場合、運動不足による筋力の低下や柔軟性の低下がある時、またいつもと違う運動をした時などに起こりやすくなります。日頃から適度な運動習慣を身につけましょう。
深呼吸をすると息が詰まって背中が痛くなるのはすい臓が原因ですか?
今村 英利 医師
膵臓が原因の可能性もあります。痛みの他に、お腹が張る感じや食欲不振などの症状があれば腹部精密検査を受けましょう。
ぎっくり背中で息を吸うと痛い場合、どんな治療方法がありますか?
今村 英利 医師
ぎっくり背中という正式名称はありませんが、ぎっくり腰ならぬ、ぎっくり背中とよく呼ばれます。背部周囲の筋肉に急に炎症を起こすことで疼痛を感じます。僧帽筋などの炎症によって、肩甲骨周囲の痛みを自覚される方が多いようです。消炎鎮痛剤や湿布での加療が基本となりますが、筋の凝りをほぐしてくれるようなお薬もあります。また、整形外科クリニックなどでは、理学療法士によるリハビリテーション加療(治療)を行なっていることが多く、ストレッチやマッサージなど専門職による施術が受けられます。
まとめ
息を吸う時に背中の痛みの原因になる疾患は上記のように多く考えられます。呼吸とは関係ありませんが、上記以外にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腎盂腎炎、尿管結石などなど背部痛の原因疾患は多岐に渡り、呼吸のしづらさを感じることもあります。長引く場合やいつもと様子が違う場合は、無理せず早めの病院受診を心がけましょう。
「息を吸うと背中が痛い」で考えられる病気と特徴
「息を吸うと背中が痛い」から医師が考えられる病気は13個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
呼吸器科の病気
消化器科の病気
- 急性膵炎
- 急性胆嚢炎
腎泌尿器科の病気
痛みがどのくらい痛いか、どのように発症したか、呼吸によって痛みが変わるか、などによって考えられる病気は変わってくるので、詳しく医師へ伝えましょう。
「息を吸うと背中が痛い」と関連のある症状
「息を吸うと背中が痛い」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
「息を吸うと背中が痛い」の他に、これらの症状が見られる際は、「気胸」「骨粗しょう症」「腰椎圧迫骨折」「急性胆のう炎」「大動脈解離」などの病気の存在が疑われます。
急な症状の出現の際には、すぐに医療機関へ受診することを検討しましょう。