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腎機能を保護する薬物療法とは?慢性腎臓病における基本と注意点【医師解説】

 公開日:2026/01/30
慢性腎臓病の薬物療法

慢性腎臓病の治療では、原因となる疾患への対応とともに、腎機能を保護するための薬物療法が行われます。血圧のコントロールや合併症への対応など、複数の側面から治療を進めることで、病気の進行を遅らせることが可能です。定期的な血液検査の結果をもとに、薬の種類や量を調整していきます。

井筒 琢磨

監修医師
井筒 琢磨(医師)

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江戸川病院所属。専門領域分類は内科(糖尿病内科、腎臓内科)
2014年 宮城県仙台市立病院 医局
2016年 宮城県仙台市立病院 循環器内科
2019年 社会福祉法人仁生社江戸川病院 糖尿病・代謝・腎臓内科
所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本不整脈心電図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心エコー学会

慢性腎臓病の薬物療法

慢性腎臓病の治療では、原因疾患への対応とともに、腎機能の低下を遅らせるための薬物療法が行われます。適切な薬の使用により、病気の進行を抑えることが可能です。

降圧薬による腎保護

血圧のコントロールは、慢性腎臓病の進行を遅らせる上で重要な治療の一つです。特に、ACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)は、単に血圧を下げるだけでなく、腎臓を保護する効果があることが示されています。

これらの薬は、腎臓の糸球体にかかる圧力を下げることで、腎臓への負担を軽減します。タンパク尿を減らす効果もあり、慢性腎臓病の方に使用されることが多い薬です。ただし、使用開始後にクレアチニン値が一時的に上昇することがあるため、医師の管理のもとで使用することが大切です。

他の降圧薬も、血圧のコントロールに応じて併用されます。カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などがあり、個々の状態に合わせて選択されます。目標血圧を達成するために、複数の薬を組み合わせることも少なくありません。

降圧薬は、継続的に服用することが重要です。血圧が下がったからといって自己判断で中止すると、再び血圧が上昇し、腎臓への負担が増します。副作用が気になる場合は、医師に相談し、薬の種類や量を調整してもらいます。

合併症への対応

慢性腎臓病が進行すると、さまざまな合併症が現れます。これらに対しても、適切な薬物療法が必要です。貧血は、腎臓から分泌されるエリスロポエチンという造血ホルモンが減少することで起こります。鉄剤やエリスロポエチン製剤を使用して治療します。

高カリウム血症には、カリウム吸着薬が使用されます。食事療法だけでコントロールできない場合に処方されます。高リン血症に対しては、リン吸着薬が用いられます。食事中のリンの吸収を抑える薬で、食事と一緒に服用します。

骨の代謝異常に対しては、活性型ビタミンD製剤が使用されることがあります。腎機能が低下すると、ビタミンDの活性化がうまくいかなくなり、カルシウムの吸収が低下します。これにより骨が弱くなるため、補充療法が行われます。

代謝性アシドーシス(身体が酸性に傾く状態)に対しては、重曹などのアルカリ化薬が使用されます。身体の中の酸塩基バランスを整えることで、症状の改善や腎機能の保護が期待できます。薬物療法は、定期的な血液検査の結果に基づいて、種類や量が調整されます。

まとめ

慢性腎臓病は、早期発見と適切な管理により、進行を遅らせることが可能な病気です。健康診断でクレアチニン値の異常を指摘された場合は、速やかに医療機関を受診し、精密検査を受けることが重要です。

食事療法、薬物療法、生活習慣の改善を組み合わせた総合的なアプローチにより、腎臓の機能を守ることができます。定期的な検査で状態を把握し、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った治療を続けていきましょう。

病気の進行には個人差があり、治療の効果も異なります。不安や疑問があれば、遠慮せず医療スタッフに相談することをおすすめします。適切なサポートを受けながら、前向きに病気と向き合うことが大切です。

この記事の監修医師