「亜鉛」の過剰摂取で現れる4つの症状は?不足で現れる症状も管理栄養士が解説!

亜鉛を過剰摂取・不足するとどのような症状が現れるでしょうか。メディカルドック監修医が亜鉛の過剰摂取・不足時の症状について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」?過剰摂取すると現れる症状ついても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「亜鉛」とは?

亜鉛は、体内でさまざまな機能を調節するミネラルの一種で、健康維持に欠かせない栄養素です。成人の体内に約2g含まれ、95%が全身の細胞内に存在しています。
主に骨格筋や骨、肝臓、腎臓などに存在し、味覚を正常に保つ働きや皮膚・粘膜の健康維持を補助する成分です。他にもタンパク質の合成に関わる酵素の材料としても使われるなど、細胞の生まれ変わりが活発なところで亜鉛が必要になります。また、人体で作り出すことができない成分なので、食べ物やサプリメントなどから積極的に摂取していく必要があるとされています。
亜鉛の一日の摂取量

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、亜鉛の1日あたりの推奨量は以下のとおりです。
成人男性
18~29歳:9.0mg/日
30~64歳:9.5mg/日
成人女性
18~29歳:7.5mg/日
30~64歳:8.0mg/日
*妊婦(中期)の付加量:+2.0mg
*授乳婦の付加量:+3.0mg
また、亜鉛は耐容上限量も定められています。
成人男性
18~29歳:40mg、30~64歳:45mg
成人女性
18~64歳:35mg
亜鉛を過剰摂取すると現れる症状

胃腸症状
亜鉛を過剰に摂取すると、胃が刺激され、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などが起こることがあります。亜鉛サプリを服用している場合、まずは服用を中止することが大切です。嘔吐、下痢がある場合は脱水症状を防ぐために水分補給が有効です。特に、スポーツドリンクや電解質飲料がおすすめです。内科を受診するのが一般的です。
神経系への影響
長期間の過剰摂取は、神経系に悪影響を与えることがあります。神経障害や感覚異常が現れることがあり、例えば手足のしびれや、歩行の不安定さなどの症状が出ることがあります。内科もしくは神経内科を受診すると良いでしょう。
銅不足による症状
亜鉛の過剰摂取は銅の吸収を妨げることがあります。これにより、銅不足が引き起こされ、貧血や免疫機能の低下などの症状が現れることがあります。銅不足による貧血や免疫系の問題が疑われる場合は、血液内科を受診することも検討します。血液検査を通じて、貧血や銅不足の診断が行えます。
味覚異常
過剰な亜鉛摂取は味覚に異常を引き起こすことがあります。亜鉛は味覚に影響を与えることがあり、特に過剰摂取によって「金属的な味」や、味覚の鈍化が感じられることがあります。内科、神経内科、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
亜鉛が不足すると現れる症状

味覚障害
亜鉛は味蕾細胞の新陳代謝に関与し、不足すると味覚が鈍くなります。牡蠣や牛肉、レバー、大豆製品、ナッツ類など、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取することをおすすめします。食事だけでは補いきれない場合は、医師に相談して亜鉛サプリメントを検討してください。味覚に異常を感じた場合は耳鼻咽喉科を受診し、いつから異常を感じたか、どの味が感じにくいかをメモしておくと診察がスムーズです。
免疫力の低下
亜鉛は免疫機能維持に重要で、不足すると風邪や感染症にかかりやすく、傷の治りが遅くなることがあります。バランスの取れた食事を心がけ、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂取し、偏食や過度なダイエットは避けた方が良いでしょう。頻繁に感染症にかかる、または傷の治りが遅い場合は内科を受診し、病歴や食生活、服用中の薬剤を医師に伝えることで、適切なアドバイスや治療が受けられます。
皮膚や髪のトラブル
亜鉛不足は皮膚炎、口内炎、脱毛症、褥瘡などの皮膚や毛髪の問題を引き起こします。亜鉛を多く含む食品の摂取に加え、清潔を保ち、保湿を心がけてください。ストレス軽減や十分な睡眠も重要です。脱毛が主な症状の場合は、皮膚科や専門の脱毛外来が適しています。
成長や発育の遅れ(特に子ども)
亜鉛は成長に必要な栄養素で、不足すると身長や体重の増加が遅れることがあります。特に乳幼児や小児では発育障害が現れることがあります。成長に関する診断やアドバイスを受けるために、小児科を受診し、成長曲線のデータや食事内容、家族の成長歴を持参すると診断の参考になります。
「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」についてよくある質問

ここまで亜鉛サプリを毎日飲むとどうなるかについて紹介しました。ここでは「亜鉛サプリを毎日飲むとどうなる」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
亜鉛サプリは朝と夜、どちらで飲むと効果的ですか?
都々地尾 ゆき
亜鉛サプリは、基本的に食後に摂ることが推奨されています。朝でも夜でも、食事と一緒に摂取することで、吸収がスムーズに行われます。また、他のサプリメント(特にカルシウムや鉄分)と一緒に摂取すると、亜鉛の吸収が阻害されることがあるため、これらとは時間をずらして摂るのがベターです。
亜鉛サプリの服用で髪の毛は増えるのでしょうか?
都々地尾 ゆき
亜鉛サプリが髪の毛に与える影響については、一定の研究結果が示唆されていますが、個人差があります。亜鉛不足の場合、サプリで髪の成長をサポートできる可能性がありますが、脱毛の原因によって結果は異なります。亜鉛サプリを使う際は、過剰摂取を避け、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。髪の健康が気になる場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。
編集部まとめ
亜鉛は免疫力向上や美容、ホルモンバランスの調整に重要な栄養素ですが、通常の食事では不足しやすく、亜鉛を多く含む食品を食事に取り入れることが大切です。しかし、食事だけで十分な亜鉛を摂取できない場合は、医師に相談の上、サプリメントの使用を検討することもあります。亜鉛欠乏症は多岐にわたる症状を引き起こしますが、早期の対策と適切な医療機関の受診により、改善が期待できます。日頃からバランスの良い食事を心がけ、体調の変化に注意を払うことが大切です。
「亜鉛」と関連する病気
「亜鉛」と関連する病気は15個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
小児科の病気
- 成長障害
- 免疫不全
耳鼻咽喉科の病気
皮膚科の病気
- 皮膚炎
- 脱毛症
血液内科の病気
- 銅欠乏症
精神科・心療内科の病気
- うつ症状・精神的不調
「亜鉛」と関連する症状
「亜鉛」と関連している、似ている症状は14個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。