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「病は気から」の医学的根拠はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2026/05/13
「病は気から」って本当なの?重い病でも気持ちが前向きなら治る?【医師解説】

病は気からって言うけど本当なの?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「病は気から」って本当なの?重い病でも気持ちが前向きなら治る?【医師解説】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「病は気から」って言うけど本当なの?

「病は気から」って言うけど本当なの?

「病は気から」とは、病気は気の持ちようで良くも悪くもなる、つまり気持ちの持ち方が健康に大きく影響するという意味の慣用句です。確かに、ストレスが強くかかることで体調を崩しやすくなることを経験することも多いと思います。この「病は気から」は本当なのでしょうか?

「病は気から」の医学的根拠

「病は気から」の医学的根拠

ストレスが免疫力を低下させる

身体にストレスがかかると、交感神経が興奮するようになります。交感神経が興奮し、β2アドレナリン受容体が刺激されると、リンパ球がリンパ節から出るのを抑え、リンパ球が炎症部位に到達しづらくなることが報告されています。この現象は、感染症が身体で起こっている場合、炎症部位にリンパ球が到達しづらくなることで、感染症の治癒が遅れてしまうことにつながります。
精神的、肉体的な疲れやストレスが溜まっているときには感染症が治りづらくなることがあり、この現象がいわゆる「免疫力が低下している」という状態と考えられるでしょう。

プラセボ効果

プラセボ効果とは、実際に効果のない偽薬を服用したにも関わらず、患者さんが症状の改善を実感する現象のことです。このプラセボ効果は、効果のある薬を飲んでいるという気持ちが症状の改善を起こしていると言えます。過敏性腸症候群や腰痛症などの慢性疼痛などへのプラセボ効果を調査した研究では、プラセボ群での改善がみられました。このように実際に有効性のある薬でなくとも効果があると信じる気持ちで症状が改善することもあるのです。まさに「病は気から」ということもできるのではないでしょうか?

自律神経への影響

日常生活でのストレスや不安感などが影響して自律神経のバランスを崩したり、うつ病などの精神疾患の原因にもなります。日常生活のストレスをためやすかったリ、自分で抱え込むような性格の場合にはリスクになります。
逆にストレスを上手く解消できるようにしたり、自分がリラックスできる環境を整え、気持ちを安定させることで自律神経のバランスを整え、うつ病などの発症リスクを軽減させることが可能となるでしょう。
また、実際にストレスにより病状が悪化することが分かっている病気もあります。過敏性腸炎や胃・十二指腸潰瘍、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、片頭痛、筋緊張性頭痛などです。これらの病気も気持ちが前向きでストレスを感じにくくなれば病状が改善します。これらの病気もまさに「病は気から」と言えるかもしれません。

重い病に罹っても気持ちが前向きなら治ることはあるの?

重い病に罹っても気持ちが前向きなら治ることはあるの?

重い病気になった時、つい気分が落ち込みがちになります。また、精神的にも身体にもストレスがかかることも多いです。このような状態では前述したように、交感神経が活性化されリンパ球が炎症部位に到達しづらくなります。
重病でも、気持ちが前向きでストレスをあまり感じていないようであれば、これらの反応が起こりにくく、炎症が治りやすい可能性は考えられます。しかし、病気の種類によっては気持ちが前向きになってもなかなか治りにくい病気も多いです。
治りづらい時でも気持ちを前向きにすることでストレスをためにくく過ごすことができると考えられます。

気持ちが沈むと免疫力も下がる?

気持ちが沈むと免疫力も下がる?

気持ちが沈むと精神的にも身体的にもストレスがかかります。そうすると、リンパ球が炎症部位に到達しづらくなります。このような現象が起こるため、感染などに対して治癒しにくくなり、いわゆる免疫力が下がっているという状態になります。

「病は気から」についてよくある質問

「病は気から」についてよくある質問

ここまで病は気からについて紹介しました。ここでは「病は気から」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

病は気からはプラセボ効果と関連があるのでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

プラセボ効果は効果があると期待して内服した偽薬で、症状が改善する現象のことです。信じることで脳内麻薬と呼ばれる物質の放出や自律神経の調整が起こり、実際に症状が改善するという意味では、正に「病は気から」の一つの例だと言えます。

まとめ 「病は気から」は本当です

病は気からという昔からの慣用句がありますが、これが本当かについて今回は解説しました。病気の種類によっては、気持ちを前向きに持ってもなかなか治りにくい種類の病気もあります。しかし、精神面が影響することも少なくありません。

実際、ストレスによる影響が免疫力を低下させたり、自律神経のバランスを乱したりすることも多いです。このため、気分を前向きにして、ストレスをなるべくためこまず過ごすことで病気を改善させることも期待できます。普段から、このように気持ちを安定させることも病気にならない、悪化させないために大切です。また、プラセボ効果と言って治療を信じることにより改善することもあります。治療自体にあまり疑いを持ち過ぎず、担当医との信頼関係を築くことも大切であると言えます。

「病は気から」と関連する病気

「病は気から」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系

  • 動悸

消化器系

呼吸器系

神経系

ストレスなどにより悪化しやすい病気は上記の様にさまざまです。また、免疫力の低下により感染症などの治癒が遅れることも考えられます。

「病は気から」と関連する症状

「病は気から」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

精神面での影響を受けやすい病気によって症状の出方はさまざまです。特定の症状で区別ができるわけではありません。気になる症状があるようであれば、内科など症状が出ている部位の診療科を受診してください。

この記事の監修医師