「乳がん」の早期発見のためにはどうしたら良い? 医師のすすめる検診方法とは?
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乳がんは、日本人女性の9人に1人が発症する病気ですが、早期に発見することで治療の選択肢が大きく広がります。乳がん検診では、マンモグラフィと超音波検査のどちらを選べばよいのか迷う方も多いようです。それぞれの検査の特徴や頻度、高濃度乳房の方におすすめの検査法など「高崎乳腺外科クリニック」の吉田先生にお聞きしました。
編集部
乳がんの早期発見のためには、マンモグラフィと超音波検査どちらを受けたら良いのでしょうか?
吉田先生
やはり理想は、どちらも受けていただくのが良いです。40歳代でマンモグラフィと超音波検査の両方を受けると、マンモグラフィ単独と比べて乳がんの発見率が0.33%から0.5%に向上したことが臨床試験で明らかになっています。特に高濃度乳房(乳房の中の乳腺が多く、マンモグラフィで乳房が白っぽく写る乳房。がん組織も白く写るため同化してしまうリスクがある)の方は、超音波検査も受けたほうが良いでしょう。ただし、自治体の乳がん検診では超音波検査がまだ導入されていないことが多いので、超音波検査は自費となります。
編集部
検査の頻度も教えてください。
吉田先生
基本的に40歳以上は自治体の乳がん検診の対象となっていますが、40歳未満の方向けの検診方法はありません。ただし、血縁者に乳がんや卵巣がんの罹患者が複数いる場合などで遺伝性乳がんが心配な場合には、自費にはなりますが乳がん専門医のいる医療機関で相談することもできます。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
吉田先生
「マンモグラフィは痛い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、最近は装置の改善により痛みが少なくなってきています。具体的には、いきなり強く挟むことはなく、痛くないか確認しながら徐々に圧迫していきますのでご安心いただければと思います。また、マンモグラフィによる被爆は、一般の人が1年間に受ける自然放射線量の50分の1程度なので、身体への影響はほとんどありません。女性の9人に1人は乳がんを発症している時代ですので、40歳以上の方は定期的に検診を受けることをおすすめします。
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監修医師:
吉田 崇(高崎乳腺外科クリニック)
※この記事はメディカルドックにて【≪乳がん検診≫マンモグラフィと超音波(乳腺エコー)検査のどちらを受診すべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。