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~実録・闘病体験~ 子育てと乳がん治療に入院。「ママが入院するということ」

公開日:2022/05/21  更新日:2022/05/20
~実録・闘病体験~ 子育てと乳がん治療に入院。「ママが入院するということ」

病気を抱えながら子どもを育てるのは、身体的にも精神的にもとても大変です。ましてや入院となると、考えることは山ほどあります。今回は、乳がんと診断され、娘さんと2人暮らしでありながら入院・手術が必要となったSanaさんに話を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年10月取材。

Sanaさん

体験者プロフィール
Sanaさん(仮称)

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1984年生まれ、札幌在住。シングルマザー。2020年9月に乳がんと診断される。

村上 友太

記事監修医師
村上 友太
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

「ママ、なんかボールみたいなのある」

「ママ、なんかボールみたいなのある」

編集部編集部

乳がんと判明した経緯について教えてください。

SanaさんSanaさん

当時8歳の娘はまだおっぱい大好きな子だったのですが、いつもの様に私の胸を触っている途中で『ママ、なんかボールみたいなのある』と教えてくれました。右胸の内側だった事、生理前だった事もあり「ホルモン現象かな?」とも思ったのですが、念のため、乳腺クリニックを受診しました。

編集部編集部

そこではどんな検査を?

SanaさんSanaさん

エコー検査の時点で、根が深い事、また根が綺麗じゃない事から、「残念だけど良性腫瘍とは言ってあげられない」と言われました。詳しいことは私には分かりませんが、良性の腫瘍だとツルッとしているそうです。暗い気持ちで病理検査をしてもらい、その2週間後に乳がんと診断されました。

編集部編集部

どんな気持ちでしたか?

SanaさんSanaさん

我が家は母子家庭なため、娘の事を考えただただ悲観しました。そして同時に、明日いなくなっても後悔しないくらい毎日娘に愛情を注いだ日々を誇りにも思いましたし、今日からの日々を今以上に大事に過ごそうと思いました。

編集部編集部

医師からは何と説明があったのですか?

SanaさんSanaさん

年齢が30代だと再発の確率も高いため、出来ることは全てしたいと言われ、乳房を全て摘出する全摘術を勧められました。しかし、全摘だと約2週間の入院が必要と言われ、その間は娘がひとりになってしまうので、主治医との相談の末、再発覚悟で部分切除を選択しました。

入院中は毎日アバターで娘と会っていた

入院中は毎日アバターで娘と会っていた

編集部編集部

お子さんが小さい中での入院は大変であったと思います。

SanaさんSanaさん

はい。全摘をやめて部分切除にしたとはいえやはり入院は必要だったので、子どもは実家に預けることにしましたが、毎日片道1時間近くかけて車で娘を小学校に送迎してもらうのは申し訳なく、学校を休ませなければならないのではないかと途方にくれました。1か月手術を延期し、土日・祝日とからめて予定を組み、娘は3日間だけ実家から小学校に通ってもらいました。

編集部編集部

コロナ禍で入院中はコミュニケーションを取れましたか?

SanaさんSanaさん

コロナの影響で面会も出来なかったため、入院中は『どうぶつの森』(ゲーム)のオンライン通信で娘と遊ぶのが日課になっていました。大自然の中で娘と遊びまわって、すごく癒されました。ゲームには賛否両論あるとは思いますが、私達のような状況下では、離れていてもオンラインでアバターを使って一緒に遊べたので、とてもありがたいツールだと感じました。

編集部編集部

手術後の治療はどのように進みましたか?

SanaさんSanaさん

手術の後約半年間の抗がん剤治療、1か月の放射線治療と8年間のホルモン治療が必要となりました。抗がん剤治療と放射線治療は終わりましたが、ホルモン治療は現在も継続中です。

編集部編集部

がんと診断されて、ご自身にどのような変化がありましたか?

SanaさんSanaさん

自分で自負するほど我慢強くもあり、仕事も育児も日々頑張っていましたが、幾度の手術や治療により出来ない事が増えてしまったので、抱え込み過ぎず適度に手を抜き、娘を筆頭に周りに甘えるようになりました。

編集部編集部

では、もし以前の自分に会えたら、なんと言いますか?

SanaさんSanaさん

娘との毎日を今以上に大切に。泣いた日も辛かったときも全て大切な思い出になるからくだらない事で喧嘩しないようにと伝えます。

闘い抜いた先には、必ず素敵な未来が待っている

闘い抜いた先には、必ず素敵な未来が待っている

編集部編集部

現在の体調や生活などの様子について教えてください。

SanaさんSanaさん

ホルモン治療の副作用で、めまいと動悸が常にあります。夏頃から仕事に復帰しましたが、非常に疲れやすく家事が終わると早々に横になる事が多いです。身体はキツいですが、毎日前向きに幸せに過ごしています。

編集部編集部

医療従事者に望むことはありますか?

SanaさんSanaさん

感謝しかありません。私の通っている病院はコロナ患者受け入れ病院でした。入院した時期はまさにコロナ禍でコロナ患者が多数いたため、小児科病棟へ入院したくらいです。そんな大変な中でも、どなたもとても親切にしてくださり、感謝してもしきれません。また、乳がんと診断されたとき、娘にどのように伝えるかという悩みにも、病院のケースワーカーさんにアドバイスをいただくことができました。

編集部編集部

同年代の女性やママさんに、何かあればお願いします。

SanaさんSanaさん

セルフチェックをこまめにする事をオススメします。「自分は大丈夫」とは決して思わずに!

編集部編集部

では最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

SanaさんSanaさん

私は、病気になったからこそ日々のありがたみを感じることができました。また、改めて私には娘が必要で、人生の全てなのだと再認識もできました。辛くしんどい思いをしたからこそ、誰かの悲しみを以前よりはるかに理解出来る心が持てたようにも感じますし、優しくなれた気もします。病気にならないに越したことは無いですが、なっても決して不幸な訳ではなく、闘い抜いた先には必ず素敵な未来が待っていると信じて、日々奮闘しています。

編集部まとめ

母としての強さと娘さんへの愛情を強く感じました。乳がんを知らない女性はいないと思いますが、「自分にも起こりうる」と意識している人は多くないと思います。Sanaさんの「”自分は大丈夫”とは決して思わずに!」という言葉の通り、セルフチェックや乳がん健診などで自身の状態を定期的にチェックし、早期発見に繋げていきましょう。