「乳がん」の初期症状やがんの種類とは? 乳がん検診の重要性を医師が解説!
乳がんは乳腺組織の細胞ががん化して起こる悪性腫瘍で、特に女性に多い病気として知られています。初期段階では症状がほとんどなく、自覚が難しいため、定期的な乳がん検診が非常に重要です。本記事では、乳がんの基本的な仕組みや分類、進行に伴う症状について、「高崎乳腺外科クリニック」の吉田先生にお聞きしました。
監修医師:
吉田 崇(高崎乳腺外科クリニック)
編集部
「乳がん」とはどんな病気ですか?
吉田先生
まず、乳房の中には乳汁をつくり分泌するための乳腺組織があります。乳腺組織は、乳汁を作る小葉と作られた乳汁を乳頭まで運ぶ乳管からできています。乳がんは、この乳腺(乳管や小葉)の細胞ががん化し、異常に増殖することによってできる悪性腫瘍です。
編集部
乳がんにも分類があるのですか?
吉田先生
はい。乳がんの90%は乳管の細胞からできる「乳管がん」で、小葉から発生する「小葉がん」の割合は5~10%になります。また、がん細胞の広がりによっても分類されます。
編集部
がん細胞の広がりでは、具体的にどのような分類になりますか?
吉田先生
がん細胞が乳管の中に留まっていて、乳管外に出ていないものを「非浸潤がん」と呼びます。一方、がんが増殖して乳管を破って外に広がったものは「浸潤がん」と呼びます。「浸潤がん」は、血管やリンパ管にはいって全身に転移する可能性があります。
編集部
初期の乳がんにはどのような症状がありますか?
吉田先生
初期の段階だと、症状はほとんどありません。進行していくと、徐々にしこりなどの症状が現れ、人によっては血性分泌物やエクボのような凹凸、皮膚のただれなどがみられることもあります。しかし、気がつかないまま何ヶ月も経ってしまっている方も多いので、そうならないためにも定期的な乳がん検診がとても大事です。
※この記事はメディカルドックにて【≪乳がん検診≫マンモグラフィと超音波(乳腺エコー)検査のどちらを受診すべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。