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【胃腸科専門医解説】肉食が大腸がんのリスクを高めるのは本当? 加工肉は危ない?

 公開日:2023/12/12

「肉をよく食べる人は大腸がんになりやすい」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか? また、「ソーセージやハムなどの加工肉を食べすぎると危険」と言われることもありますが、実際のところどうなのでしょう。浜野胃腸科外科副院長の浜野先生に話を聞きました。

浜野 徹也

監修医師
浜野 徹也(浜野胃腸科外科医院)

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杏林大学医学部卒業。立川相互病院、東京女子医科大学八千代医療センターを経て、2021年浜野胃腸科外科副院長就任。東京女子医科大学八千代医療センター内視鏡科非常勤講師、東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科非常勤医師、千葉県がんセンター消化器内科非常勤医師。日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・指導医、日本消化器病学会 消化器病専門医、日本内科学会認定医、日本胆道学会認定指導医。

編集部編集部

肉をよく食べる人は大腸がんのリスクが高くなると聞いたことがあります。本当でしょうか?

浜野 徹也先生浜野先生

研究により、肉食と大腸がんのリスクには相関関係があることが示されています。たとえば、国立がん研究センターが過去に行った研究によると、「赤肉の摂取量が多いグループで女性の結腸がんのリスクが高くなった」「肉類全体の摂取量が多いグループで男性の結腸がんリスクが高くなった」という結論が得られています。

※国立研究開発法人国立がん研究センター「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2869.html

編集部編集部

なぜ、肉をよく食べると大腸がんのリスクが高まるのですか?

浜野 徹也先生浜野先生

「肉」と一口にいっても大腸がんとの相関関係が指摘されるのは、赤肉です。赤肉とは、一般的に牛肉、豚肉、羊肉のように見た目が赤い肉のことを言います。赤肉には亜鉛とヘム鉄が多く含まれており、亜鉛は大腸がんのリスクを軽減する働きをしますが、反対にヘム鉄は大腸がんリスクを上げてしまうことがわかっています。

編集部編集部

生肉だけでなく、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉も大腸がんのリスクを上げると言われますが。

浜野 徹也先生浜野先生

ハムやベーコン、ソーセージなどを加工する過程で、硝酸塩や亜硝酸塩などの添加物が使用されます。これらは、加工肉の鮮度維持や防腐を目的として使用されるのですが、実は、これらに発がん性があるため、大腸がんのリスクを上げるとされているのです。もちろん大腸がんだけに限らず、がん全体のリスクが上がります。

編集部まとめ

食事の献立を考えるとき、メインディッシュにお肉を選ぶご家庭は多いと思います。ですが、肉の種類によっては大腸がんの罹患率を高めてしまう可能性があるそうです。ぜひ、肉の種類や魚・大豆などほかのたんぱく質が豊富な食材を選ぶなどの工夫してみてください。

この記事の監修医師