【医師解説】大腸がんの原因になりにくい肉の種類は? 加工肉より鶏肉が良いって本当?
毎日の食生活は、わたしたちの健康だけでなく疾患の原因ともなり得る要素です。なかでも、近年「肉食は大腸がんの発症リスクを高める」ということを良く見聞きします。一方で、肉の種類によって大腸がんの発症リスクは変わってくるようです。そこで、浜野胃腸科外科副院長の浜野先生に肉の種類と大腸がんの発症リスクの関係についてお話を聞きました。
監修医師:
浜野 徹也(浜野胃腸科外科医院)
編集部
肉食は大腸がんのリスクを高めるそうですが、鶏肉は赤肉や加工肉に比べて、大腸がんの発症リスクは低くなりますか?
浜野先生
※国立研究開発法人国立がん研究センター「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/8496.html
編集部
それはなぜですか?
浜野先生
鶏肉は赤肉に比べて低カロリーで、脂肪が少なく、良質なタンパク質を多く含みます。「脂肪が多い肉を食べると大腸がんや乳がんのリスクを上げる」ということも、これまでさまざまな研究で明らかになっており、その点、低脂肪でヘルシーな鶏肉は、がんのリスクを上昇させることがないだろうと言われています。
編集部
鶏肉だったら、どれだけ食べてもいいのですか?
浜野先生
もちろん調理法も大事です。揚げた鶏肉ばかり食べていては脂肪分が高く、がんだけでなく肥満や生活習慣病などのリスクを招いてしまいます。魚や野菜などとともに、バランスよく摂ることが大事です。
編集部まとめ
今回は、大腸がんの発症リスクと肉の種類の関係についてお話をお聞きしました。肉料理には好みがあると思いますが、できればハム・ソーセージのような加工肉を避けて、鶏肉を中心に選んでみるなどの工夫をすることが、将来の大腸がん発症リスクを下げることにつながりそうです。