【胃腸科専門医解説】肉食が大腸がんのリスクを高めるのは本当? 加工肉は危ない?
「肉をよく食べる人は大腸がんになりやすい」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか? また、「ソーセージやハムなどの加工肉を食べすぎると危険」と言われることもありますが、実際のところどうなのでしょう。浜野胃腸科外科副院長の浜野先生に話を聞きました。
監修医師:
浜野 徹也(浜野胃腸科外科医院)
編集部
肉をよく食べる人は大腸がんのリスクが高くなると聞いたことがあります。本当でしょうか?
浜野先生
※国立研究開発法人国立がん研究センター「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2869.html
編集部
なぜ、肉をよく食べると大腸がんのリスクが高まるのですか?
浜野先生
「肉」と一口にいっても大腸がんとの相関関係が指摘されるのは、赤肉です。赤肉とは、一般的に牛肉、豚肉、羊肉のように見た目が赤い肉のことを言います。赤肉には亜鉛とヘム鉄が多く含まれており、亜鉛は大腸がんのリスクを軽減する働きをしますが、反対にヘム鉄は大腸がんリスクを上げてしまうことがわかっています。
編集部
生肉だけでなく、ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉も大腸がんのリスクを上げると言われますが。
浜野先生
ハムやベーコン、ソーセージなどを加工する過程で、硝酸塩や亜硝酸塩などの添加物が使用されます。これらは、加工肉の鮮度維持や防腐を目的として使用されるのですが、実は、これらに発がん性があるため、大腸がんのリスクを上げるとされているのです。もちろん大腸がんだけに限らず、がん全体のリスクが上がります。
編集部まとめ
食事の献立を考えるとき、メインディッシュにお肉を選ぶご家庭は多いと思います。ですが、肉の種類によっては大腸がんの罹患率を高めてしまう可能性があるそうです。ぜひ、肉の種類や魚・大豆などほかのたんぱく質が豊富な食材を選ぶなどの工夫してみてください。