「尿蛋白で考えられる7つの原因」はご存じですか?男女別の原因も医師が解説!

尿蛋白が出る原因と性別・年齢別の改善策とは?メディカルドック監修医が、生活習慣や運動の影響に加え、女性、男性、子供特有の要因と対処法を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『健康診断で「尿蛋白」と言われたら何が「原因」かご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
健康診断で尿蛋白と指摘された場合に多い原因と改善方法
腎臓病が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
尿蛋白陽性の原因が腎臓病と診断された場合、原因により治療は異なります。例えば、糖尿病が原因の腎臓病であれば、糖尿病の治療をする必要があり、腎炎が原因の腎臓病であれば腎生検など詳しい検査をした上で病態に合った治療が必要です。まずは、腎臓内科を受診して、どのような点に気をつけなければならないか、また必要な食事療法についても確認しましょう。
腎臓以外の病気・疾患が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
蛋白尿は腎臓病でみられることが多いですが、腎臓病以外の病気でもみられる事もあります。例えば、膀胱炎や尿路感染で炎症が起こっている場合、血尿とともに蛋白尿もみられます。感染症の場合、軽いものであれば水分を多く摂り、洗い流すことで感染症が改善することも多いです。しかし、残尿感や排尿時痛がなかなか取れない場合や発熱がみられる場合には泌尿器科を受診しましょう。
発熱が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
腎臓病以外で尿蛋白がみられる原因として、発熱が考えられます。高熱が出た時に尿蛋白がみられやすいです。熱が出ているときの尿検査で、尿蛋白を指摘された場合、まず病気を治すことが大切です。体調回復後に、尿蛋白も陰性化すると考えられます。
ストレスが原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
高熱が出るような感染症、激しい運動などは体に強いストレスを与えます。このようなストレスがある場合に、尿蛋白を認めることが多いです。通常は、ストレスがなくなると改善するため、回復後に再検査をしましょう。
脱水が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
身体に脱水がある場合、濃縮された濃い尿となります。そのため、ごく少量の蛋白でも濃度が濃くなり、定性検査で陽性となることも少なくありません。この場合には、脱水が改善されれば尿蛋白は陰性化します。
激しい運動が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
運動後は、尿蛋白を認めることが多いです。特に激しい運動では、直後に尿検査を行うと蛋白が陽性となる可能性があります。この場合、運動をしないで検査をすれば尿蛋白が改善します。運動が尿蛋白の原因と疑われる場合、まず運動を休み、再度尿検査をしてみましょう。
プロテインの過剰摂取が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
プロテインの摂取過剰が原因で尿蛋白が出る可能性があります。高蛋白食により、腎臓の糸球体内圧が亢進、過濾過、糸球体の損傷がひきおこされると考えられます。糸球体が損傷されると、蛋白尿がみられるようになります。腎機能が正常でも、プロテイン過剰が腎機能悪化や蛋白尿の原因となるかに関しては現在のところはっきりとした結論は出ていません。しかし、プロテイン摂取中に尿蛋白を指摘された場合、プロテインの影響を考えて摂取を中止してみましょう。
【女性】健康診断で尿蛋白と指摘された場合に多い原因と改善方法
女性では、生理や妊娠など特有の状態があります。この女性特有の状態の場合も蛋白尿の原因となるでしょうか?
生理前が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
生理中は潜血とともに尿蛋白が陽性となる事が多いです。また、見た目は経血が混じっていないように見えても潜血や蛋白が陽性となる事もあるため、生理前後、生理中の尿検査はなるべく避けましょう。生理が終わってから3.4日以降での再検査をお勧めします。
妊娠が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
妊娠中は、循環血液量が増え、胎児の老廃物も処理しなければならないなど、母体の腎臓への負担が増えます。このため、少量の尿蛋白が一時的にみられやすいです。一時的であれば、経過をみても良いでしょう。しかし、妊娠高血圧症候群では持続的に高血圧や蛋白尿がみられるため、症状が持続する場合には主治医に相談をしましょう。
【男性】健康診断で尿蛋白と指摘された場合に多い原因と改善方法
前立腺炎などの男性特有の疾患で尿蛋白がみられることもあります。また、男女ともに起立性蛋白尿や腎臓病などさまざまな病気が尿蛋白の原因であることも考えられます。
起立性蛋白尿が原因で尿蛋白と診断された場合の改善方法
体位が原因となり、尿蛋白が出る場合があります。立ち上がることで腎静脈が圧迫されてうっ血が起こることが原因となり、蛋白が尿に出やすくなると考えられています。これが起立性蛋白尿です。起立性蛋白尿の予後は良好であるため、通常は経過観察のみとなります。起立性蛋白尿の診断は、排尿直前まで横になっている朝一番の尿(早朝尿)で尿検査を行い、陰性であることで判定されます。
【子供】健康診断で尿蛋白と指摘された場合に多い原因と改善方法
子どもでは、起立性蛋白尿がみられやすいです。そのため、健康診断で尿蛋白が陽性と判定された場合、早朝尿で再度判定をする必要があります。また、大人と同様に、睡眠不足や疲労、感冒などの体調不良時、運動の直後などでは通常では見られない蛋白尿がみられることがあります。これらの原因が考えられた場合には、体調を整え、再度尿検査をしましょう。
「尿蛋白の原因」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿蛋白の原因」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
プロテイン等たんぱく質を摂りすぎると尿蛋白になりますか?
伊藤 陽子(医師)
プロテインなどの蛋白を摂取しすぎると、尿蛋白が陽性となる可能性があります。正常な腎機能の場合でも、蛋白過剰摂取で尿蛋白が出やすくなるという報告がありますが、現在のところはっきりと結論は出ていません。しかし、少なくとも腎機能が低下した方では、食事の蛋白量が過剰になると尿蛋白量が増加したり、腎機能が低下しやすくなることが分かっています。尿蛋白陽性を指摘された方で、プロテインを摂りすぎている場合は、まずプロテインの摂取をやめ、腎臓内科を受診して相談しましょう。
健康診断の前に水など飲み物をたくさん飲めば尿蛋白は薄まりますか?
伊藤 陽子(医師)
水分を多く飲むと希釈された尿が出るため、尿蛋白の濃度が薄くなります。このため、尿蛋白が陽性になりにくい可能性はあります。しかし、尿蛋白が薄くなり、見た目上異常がなかったとしても、本来の腎臓病がなくなったわけではありません。万が一、腎臓病があるにもかかわらず、治療が遅れてしまうと腎機能が低下してしまう可能性も考えられます。健康診断前は、脱水を防ぐ適量での水分摂取としましょう。
健診で尿蛋白が指摘されたら、何科の病院で原因が特定できますか?
伊藤 陽子(医師)
健康診断で尿蛋白が認められた場合、まず再検査を行うことが必要です。この再検査や精密検査を行うには、腎臓内科を受診すると良いでしょう。すぐに腎臓内科を受診できない場合には、まず内科を受診し、再検査を行い、再検査でも尿蛋白がみられる場合には腎臓内科を紹介してもらうのが良いでしょう。
まとめ 尿蛋白の原因は腎臓病
尿蛋白がみられる場合、多くは腎臓病による原因が考えられます。腎炎や糖尿病性腎症、生活習慣病による腎臓病などの可能性が高いです。しかし、体調不良や運動直後では尿蛋白が陽性となりやすいです。また、女性の場合には生理の影響や妊娠の影響の可能性も考えられる。また、起立性蛋白尿と言って、病的に問題がないものもあるため、再検査や早朝尿での精密検査を行うことが勧められます。
腎臓病はなかなか症状が出づらい病気です。しかし、進行すると改善しにくいため、早目に治療を開始することが大切です。健康診断で尿蛋白を指摘された場合、早めに腎臓内科を受診しましょう。
「尿蛋白」の異常で考えられる病気
内科系の病気
- 発熱
- 感染症
循環器系の病気
代謝・内分泌系の病気
産婦人科系の病気
- 妊娠