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「血圧の薬」を飲み忘れるとどうなる?薬を服用する際の注意点も医師が徹底解説!

 公開日:2025/12/10

Medical DOC監修医が血圧の薬を飲み忘れたらどうなるのか・薬を服用する際の注意点などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「血圧の薬」を飲み忘れるとどうなる?薬の種類や副作用についても医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

血圧とは?

血圧とは、心臓から血液が送り出された時に血液が血管の壁を押す力のことです。まずは血圧の基礎について、簡単に解説します。

血圧の数値で体の何がわかる?

血圧の数値を調べると、心臓と血管の状態が分かります。

たとえば、高血圧が続いている場合は、動脈硬化や腎臓への負担、心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高まっている可能性があります。

つまり、血圧の数値は全身の血流の状態や臓器への負担を知る手掛かりとなるのです。

血圧の測定方法

血圧は日常的に変動しており、身体の正確な状態を知るには毎日同じ状況で測る家庭での血圧の把握が欠かせません。
毎日朝晩に、静かで落ち着いた状態で血圧を測定しましょう。

血圧の状態によっては、夕食前や調子の悪いときなどのタイミングで追加の計測が必要な場合もあります。

血圧の薬を飲み忘れたらどうなる?

血圧の薬を飲み忘れると、薬の効果が切れて血圧が上がる可能性が高いと考えられます。一度の飲み忘れで重篤な症状が出るケースはまれですが、飲み忘れが多くて血圧コントロールが悪い状態が続くと、脳梗塞や脳出血、心不全などのリスクが上がる可能性があります。早い段階で飲み忘れに気づいた場合は、1回分を服用するのが基本です。決して次に飲むタイミングで2回分を飲んではいけません。薬の種類や服用回数によって詳細は異なるため、飲み忘れた際の対処法を医師・薬剤師に確認しておくとよいでしょう。

血圧の薬を服用する際の注意点

血圧の薬を安全かつ効果的に服用するために覚えておきたい注意点を解説します。

指示された飲み方を守る

血圧の薬は、現在の血圧の状況や持病の有無などから、一人ひとりにあわせたものが処方されています。自己判断で薬を調節してしまうと、血圧の変動が大きくなったり、十分な効果が得られなかったりする可能性があるため、必ず医師が指示した飲み方を守りましょう。副作用を疑う症状や、体調の変化がある場合は早めに受診して指示を仰ぐようにしてください。

他の病院にかかる時は飲んでいる薬のことを伝える

他の病気で別の医療機関を受診する際や、歯科治療を受ける際、薬局で市販薬を購入する際などは、必ず血圧の薬を服用していることを伝えてください。「お薬手帳」を活用すると、正確な情報を漏れなく伝えられます。

気になる症状が出たら早めに医師・薬剤師へ相談する

服用後に体調の変化や普段と違う症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せずに、速やかに医師・薬剤師に相談してください。副作用の程度や種類によっては、薬の変更や量の調整が必要になる場合があります。

「血圧の薬」についてよくある質問

ここまで血圧の薬について紹介しました。ここでは「血圧の薬」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血圧を下げるデメリットについて教えてください。

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

血圧を下げるデメリットは、以下のとおりです。
・下がりすぎるとめまい、ふらつきが出る可能性がある
・薬が合わないと副作用が出る可能性がある
・長期的な治療が必要なこともあり、医療費がかかる
ただし、基本的には血圧が高い状態を放置すると、心不全、腎不全、脳卒中などの病気が引き起こされることもあります。この場合には命の危険性もあり、またさらに高額な医療費がかかります。血圧について不安な点がある場合は、早めにかかりつけの内科・循環器科へ相談しましょう。

血圧の薬を飲む目安について教えてください。

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

血圧の薬を飲み始めるタイミングは、以下のような複数の要因から総合的に判断します。
・現在の血圧
・基礎疾患の有無(心疾患・脳血管障害・生活習慣病、腎臓病など)
・年齢
・喫煙の有無
血圧がやや高くても、リスクとなる因子が少ない場合は生活習慣の改善による血圧低下を試みます。生活習慣を改善しても血圧が下がらない、もしくは改善が難しいなどの場合は、薬の処方を行います。
どの程度の期間、生活習慣の改善のみで様子をみるかも、リスク因子と現在の血圧によって異なります。

まとめ

血圧の薬には、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、利尿薬などのさまざまな種類があります。それぞれの薬は異なる方法で血圧を下げるため、医師の指示する飲み方を守って正しく服用することが非常に大切です。高血圧は治療が長期にわたり、自覚症状がないケースも多いため、自己判断で薬を中止して体調が悪化するケースが珍しくありません。将来の脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などのリスクを軽減するために、ぜひ自分が処方された血圧の薬について知り、正しく飲むことを心がけてください。

「血圧」の異常で考えられる病気

「血圧」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

内分泌系の病気

  • 原発性アルドステロン症
  • 偽アルドステロン症

脳外科の病気

血圧は体内のさまざまなホルモンによって調節されています。何かしらの病気により血圧が高い場合は、原因となっている病気の治療を行いましょう。

この記事の監修医師