「子宮筋腫」ができると「妊娠や出産」に影響はある?検査方法も医師が解説!
子宮筋腫の原因とは?Medical DOC監修医が子宮筋腫の原因・大きくなる原因・できやすい人の特徴・原因となる可能性の高い食べもの・妊娠や出産への影響などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「子宮筋腫の原因」はご存知ですか?原因となる可能性の高い食べものも医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
阿部 一也(医師)
目次 -INDEX-
「子宮筋腫」とは?
子宮筋腫とは、子宮という女性特有の臓器を形成している平滑筋(へいかつきん)という筋肉の一種から発生する良性の腫瘍(しゅよう:できもの)です。
子宮筋腫があっても無症状で、健康診断や婦人科検診などで発見されることもあります。
また、子宮筋腫から出血を起こすこともあります。石灰化(せっかいか;筋腫に石灰の沈着が起こる現象)や壊死(えし;組織が死んでしまうこと)などを起こしたりすることもあります。
子宮筋腫は、年齢が低い方から高齢の方まで、今や女性の1/3~1/2と高頻度に見られる疾患です。
今回の記事では、子宮筋腫の発生リスクとなるような食べものや、子宮筋腫が大きくなるようなリスクについて解説していきます。
子宮筋腫の種類
それでは、子宮筋腫の種類について解説しましょう。子宮は外側から漿膜(しょうまく)、子宮筋層、そして子宮内膜(ないまく)という3層の構造となっています。筋腫がどこにできるかによって、以下の3つの種類に分けられています。
粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
粘膜下筋腫は子宮内膜のすぐ下に発生する筋腫です。このタイプの筋腫は子宮腔内に向かって成長し、しばしば月経異常を引き起こします。
過多月経や過長月経、不正性器出血が主な症状です。また、月経痛が増加することや貧血を引き起こすことも見られます。
筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
子宮筋腫で、もっとも多い種類です。大きくなるとこの筋腫による圧迫症状が引き起こされることがあります。
月経量の増加、月経期間が長くなる、骨盤痛や腰痛が一般的な症状です。また、子宮筋腫によって子宮自体のサイズが大きくなってしまい、膀胱の圧迫により頻尿や腸管の圧迫で便秘を引き起こすことがあります。
漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
漿膜下筋腫は子宮の外側の漿膜下に発生する筋腫です。このタイプの筋腫は子宮の外に向かって成長し、周囲の臓器を圧迫することがありますが、かなり大きくなるまで症状が出にくい筋腫でもあります。
子宮筋腫が子宮本体から離れ、細い茎のようなものでつながる、有茎(ゆうけい)性漿膜下筋腫というものもあります。この茎がねじれてしまうことがあり、その場合には急に激しいお腹の痛みをともなうこともあります。
子宮筋腫の検査法
超音波検査
超音波を使い、子宮内部の筋腫を確認する方法です。経腟(けいちつ)エコーや、経腹部エコーがあります。痛みがなく、外来で行えるため、最も一般的な検査方法です。産婦人科での検査となります。
通常、入院不要で、当日中に帰宅可能です。
内診
内診は、医師が直接、指や専用の器具を使って子宮や卵巣の状態を触診する診察法です。子宮の大きさや形、位置、硬さを確認し、筋腫の有無やその影響を評価します。産婦人科医が行います。
内診は外来で行われるため、検査後すぐに帰宅可能です。内診自体は数分程度で終わります。
MRI(磁気共鳴画像法)
産婦人科で検査を受けることになります。
MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴画像法)は、磁場と電波を使って体内の詳細な画像を撮影する方法です。筋腫の位置や大きさ、種類を正確に評価できます。
通常は入院不要で、当日中に帰宅可能です。
子宮筋腫ができると妊娠や出産に影響はある?
子宮筋腫は妊娠や出産に影響を及ぼすことがあります。筋腫の位置や大きさによっては、不妊の原因となることもあります。また、妊娠中に筋腫が大きくなることがあり、これが原因で流産や早産のリスクが高まることがあります。さらに、出産時に筋腫があると陣痛が弱くなる原因になったり、赤ちゃんの通り道である産道を狭くさせたりして、分娩が困難になることがあり、帝王切開が必要となる場合もあります。
「子宮筋腫の原因」についてよくある質問
ここまで子宮筋腫の症状を紹介しました。ここでは「子宮筋腫の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
子宮筋腫はストレスが原因でできることはありますか?
阿部 一也 医師
ストレスが直接的に子宮筋腫の原因になるとは言い切れませんが、ストレスはホルモンバランスに影響を与えることがあります。その結果として筋腫の成長が促進される可能性があります。
性行為の影響で子宮筋腫ができることはありますか?
阿部 一也 医師
性行為自体が子宮筋腫の原因になることはありません。ただし、性行為によって筋腫が刺激されることで痛みや出血が起こることがあります。
子宮筋腫を放置するとどうなりますか?
阿部 一也 医師
子宮筋腫を放置すると、筋腫が大きくなり、症状が悪化する可能性があります。例えば、過多月経や貧血、骨盤痛、頻尿、便秘などの症状が現れることがあります。さらに、筋腫が大きくなると不妊や妊娠中の合併症のリスクも高まります。そのため、定期的な検診と適切な治療が重要です。
編集部まとめ
今回の記事では、子宮筋腫の原因として考えられている理由や食べものなどについて解説しました。
子宮筋腫の原因についてはまだわかっていない部分もあります。
しかし、無症状の子宮筋腫を早期発見したり、子宮頸がん予防をしたりといった意味でも、定期的に婦人科検診を受けるようにしましょう。また、今回の記事でも挙げたように、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。子宮筋腫だけでなく、メタボリックシンドローム予防にもつながるため、高糖質・高脂質の食事は控え、定期的な運動を心がけるようにしたいですね。
「子宮筋腫の原因」と関連する病気
「子宮筋腫の原因」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気
内分泌内科の病気
- 高コレステロール血症
- 糖尿病
- メタボリックシンドローム
婦人科の病気
- 子宮内膜症
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
子宮筋腫の原因としては、女性ホルモンの関与や生活習慣などに起因するものが考えられています。
「子宮筋腫の原因」と関連する症状
「子宮筋腫の原因」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
これらの症状は子宮筋腫が原因で引き起こされる可能性があります。症状が現れた場合は、早めに医師の診察を受け、適切な診断と治療を受けることが重要です。