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「膵臓がんの検査・治療法」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/07/10

膵臓がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が膵臓がんの初期症状・検査法・治療法・早期発見のポイントや何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「膵臓がんの前兆となる初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

飯田 綾子

監修医師
飯田 綾子(医師)

プロフィールをもっと見る
2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。現在は患者さんの不安に寄り添い、何でも相談できるかかりつけ医を目指して、大阪市内のクリニックで高血圧や糖尿病など主に慢性疾患の外来や在宅診療を行っている。消化器病専門医、肝臓専門医、総合内科専門医、認定産業医の資格を有する。

膵臓がんの検査法

腹部超音波検査

腹部超音波検査は放射線の被曝もなく、検査時間も15分程度と比較的手軽に行える検査です。膵臓がんを疑う場合には最初に行うことが多いと思います。がんの有無に加え、膵管の拡張がないかなどを見るのですが、最初に述べましたように、膵臓は周囲の消化管のガスの影響で細部まで観察できないことがしばしばあります。実際には超音波検査に下記の画像検査を追加して精査を進めていきます。

腹部CT・MRI検査

かかりつけの内科を受診し、血液検査や腹部超音波検査で膵臓がんが疑われた場合、次に行う検査が腹部CTやMRI検査です。より詳細な診断を行うために造影剤を使うことが多いです。がんの大きさや位置、周囲の血管への広がりや転移の有無などを見ます。CTやMRI検査は比較的大きな病院でしか受けられないので、消化器内科宛てに紹介状を書いてもらって受診することになります。検査には入院は必要ありません。検査時間はCTなら5分、MRIなら30分ほどです。

超音波内視鏡検査

CTやMRI検査で膵臓がんと診断された場合、次に超音波内視鏡検査を行うことが多いです。超音波内視鏡検査は手術適応があるかなど、治療方針の決定に重要となります。がんがどこまで進展しているのか、血管浸潤があるかなどを見ます。超音波内視鏡検査時に、がんに針を刺して細胞をとる検査を行うこともあります。検査時間は30分程度です。病院にもよりますが、超音波内視鏡だけだと日帰り、針を刺して細胞をとった場合は出血がないかなどの確認のため1~2泊の入院が必要となります。

膵臓がんの治療法

外科的切除

検査の結果、手術ができると判断された場合は外科的切除を行います。がんの場所によって周囲の臓器も一緒に切除することもあります。手術はできるけれど周囲の血管に浸潤がある場合は、手術前後に化学療法や放射線治療を追加することもあります。手術の場合は2週間ほどの入院になります。手術翌日から立って歩くリハビリを開始し、3日目頃からお粥からの食事を開始します。

化学療法

周囲の大きな血管に浸潤していたり、遠隔転移があるなど、切除しても根治が期待できない場合は化学療法(抗がん剤治療)を行います。化学療法に下記の放射線治療を併用する場合もあります。膵臓がんの化学療法は何種類もあり、点滴なのか内服なのか、投与する間隔もさまざまです。患者さんの年齢やその他の持病、副作用の出方なども考慮して治療薬を選択します。初回の化学療法は入院で行うこともありますが、基本的には外来通院での治療になります。

放射線治療

膵臓がんでは化学療法と併用して、治療の効果を高める目的で行われる化学放射線療法と、骨転移などの疼痛緩和目的で行われる放射線治療があります。また、実施される施設は限られますが、重粒子線や陽子線などの粒子線治療もあります。放射線治療を受ける場合は放射線腫瘍医による診察を受け、治療計画を立ててもらいます。1回の治療にかかる時間は10~30分程度で、通院で治療を続けていきます。

「膵臓がんの初期症状」についてよくある質問

ここまで膵臓がんの初期症状を紹介しました。ここでは「膵臓がんの初期症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

膵臓がんを疑う初期症状が現れた場合、背中のどの辺りが痛みますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

膵臓は胃の後ろから身体の左側に伸びる臓器です。膵臓がんの痛みは腰の上あたりから、正中左側にみられます。

膵臓がんを発症すると尿にどんな特徴が現れますか?

飯田 綾子飯田 綾子 医師

膵頭部がんで胆汁の流れが妨げられた場合、尿の色は濃くなります。

編集部まとめ

膵臓がんは、初期症状の出にくい病気です。だからこそ、自分のリスクを把握して、少しでも早期発見できるように定期的な健診や診察をうけることが大切です。
また、日常生活で、持続する腹痛やお腹の張り、黄疸、背中の強い痛み、体重減少、急な口渇などの症状を認めた場合は、まずは近くの内科を受診することをおすすめします。血液検査である程度分かることがあります。気になる症状を放って置かないようにしましょう。

「膵臓がんの初期症状」と関連する病気

「膵臓がんの初期症状」と関連する病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

泌尿器科の病気

「膵臓がんの初期症状」と同様の症状が出た場合、上記の病気の可能性もあります。原因により治療法も変わってくるので、症状が出た場合は早めに内科を受診してください

「膵臓がんの初期症状」と関連する症状

「膵臓がんの初期症状」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

上記の症状がある場合、膵臓がんが隠れている可能性があります。症状が複数見られたり、長引く場合は内科を受診してください。

この記事の監修医師