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「腎臓がん」になる「一番の原因」は何と何?【医師監修】

 公開日:2025/11/22
「腎臓がんになる一番の原因」をご存じですか?医師が徹底解説!

腎臓がんとは腎細胞がんともいわれています。初期症状はほとんど無く、健康診断や他の疾患の検査をした際に見つかることが多いという特徴があります。進行すると、肺・肝臓・脳・骨など他の臓器に転移する場合があり、その影響で症状が生じることがあるため注意が必要です。この記事では、腎臓がんの原因について解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「腎臓がんの原因」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 知彦

監修医師
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

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長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

腎臓がんの原因とは?

腎臓がんになる原因は、以下のものが挙げられます。
  • 喫煙
  • 肥満
  • 高血圧
  • 人工透析
  • VLH(フォン・ピッペル・リンドウ病)
  • BHD(バード・ホッグ・デュベ症候群)
  • 後天性のう胞
一番の原因とされているのが、喫煙と肥満です。特に肥満である場合、発生率は4倍になるといわれています。
日本人が腎臓がんにかかる確率はがん全体の2%程度と低いですが、近年増加傾向にあります。生活習慣が影響を与える疾患ともいえるでしょう。
また、VLHやBHDといった遺伝因子による疾患は、高い確率で腎細胞がんを発症するといわれているため、定期的に検査をすることが大切です。

腎細胞がんについて

ここでは腎細胞がんについて、下記の4項目に沿って詳しく解説します。
  • 症状
  • 診断
  • 病期(ステージ)
  • 予後
上記の項目について詳しく見ていきましょう。

症状

腎細胞がんの初期症状はほぼみられません。腫瘍が小さいうちは、症状が出ないことが特徴です。進行し腫瘍が大きくなってくると、尿に血が混じる(血尿)・腹部のしこり(腹部腫瘤)・腹部の痛み(腰背部痛)といった症状が現れます。
肺・肝臓・骨・脳などに転移している場合は、転移に伴った症状が出てくるため注意が必要です。例えば、呼吸症状や肝障害・病的な骨折・神経障害などです。
また、がん細胞により腎臓の機能が低下すると、赤血球増多少や高血圧になることもあります。全ての症状が腎細胞がんが原因とは限らないため、他の疾患の可能性も考えなくてはいけません。気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

診断

腎細胞がんの診断には、主に腹部超音波検査・腹部CT/MRI検査・経皮的針生検が行われ、これらの検査結果を総合して診断がつけられます。超音波検査は体への負担がなく行える検査です。人間ドックなどで腹部のスクリーニング検査として取り入れられています。
また、確定診断のために行うのが腹部CT/MRI検査です。造影剤を使用するCT検査を優先的に行い、がんの大きさや性状を確認します。また、周囲の臓器に転移している状況も知ることができます。CT検査は腫瘍周辺の血管の走行も分かるため、手術をする際の医師の資料としても活用することができ、大切な検査の1つです。
MRI検査は、造影剤アレルギーでCT検査できない場合や、CTの画像診断がはっきりしない場合などに行います。CT検査やMRI検査で病変の状況がはっきり分からなかったときは、経皮的針生検を行うケースがあります。腫瘍が小さい場合・すでに他臓器へ転移が見られる場合に、がんであるか・悪性度はどのくらいなのかの診断を行うために有効な検査です。
局所麻酔を使い経皮的に細い針を腎臓に穿刺し、腎臓の細胞の一部を取り出す検査のため、患者さんへの身体的負担がある検査になります。

病期(ステージ)

病期(ステージ)とは、がんの進行の程度を表すものです。腎細胞がんはI期~IV期というグループに分類され、数値が大きくなるほど進行しているという指標になります。ステージは、TNMという下記の3種のカテゴリの組み合わせにより決まります。
  • Tカテゴリー:がんの大きさや広がりの程度
  • Nカテゴリー:リンパ節へ転移のしているか
  • Mカテゴリー:がんがある場所から離れた臓器やリンパ節に転移しているか
大きさは、4cm以下・4〜7cm以下・7〜10cm以下・10cm以上という区分に分けられます。

予後

予後とは、病気や手術・治療などの後、どのくらい回復するのか・余命はどのくらいなのかを表す指標です。腎細胞がんは、早期に小さな腫瘍で見つかった場合、腫瘍を摘出することで根治が可能とされており、治りやすい疾患といわれています。
しかし、腎細胞がんが進行したり、他臓器に転移したりしているときは、予後不良となり5年生存率・10年生存率が低下します。

編集部まとめ

この記事では、腎細胞がんの原因や検査方法・治療法について解説してきました。 腎細胞がんは、腎実質の細胞が悪性腫瘍になったものです。 初期には特徴的な症状がないため、他の病期の検査や検診を受けた際に見つかることが多く、偶発がんともいわれています。 尿に血が混じる(血尿)・腹部のしこり(腹部腫瘤)・腹部の痛み(腹腰部痛)を自覚したときには進行している可能性が高く、他の臓器への転移が考えられます。 腎細胞がんは50~70歳代で多く発症し、男女比は7:3というデータがあります。 50歳を過ぎた頃から定期的な検査を受けることで早期発見につながり、適切な治療をいち早く受けることが可能になります。 また、自覚症状がある場合は、病状が進行している可能性もあります。 気になる症状がある場合は、早めに病院へ行き医師に相談しましょう。

腎臓がんと関連する病気

腎臓がんと関連する病気は8個あります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

  • フォン・ピッペル・リンドウ病(VHL)
  • バート・ホッブ・デュベ症候群(BHD)
  • 肝臓がん
  • リンパ節転移
  • 原因不明な骨折
腎臓がんは、健康診断で見つかったり、他の臓器の検査をした際に見つかったりする疾患です。定期的な検診で早期に見つけることで、進行を防ぐことができ根治につなげることが可能になります。

腎臓がんの症状と関連する症状

「腎臓がん」の症状と関連している症状は8個あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 血尿(尿に血が混じる)
  • 腹部のしこり
  • 貧血
  • 下肢のむくみ
腎臓がんは初期の段階では、自覚症状がほぼない疾患です。上記のような症状は、腎臓がんが進行した場合に見られることがあるため注意が必要です。
また、他の疾患にかかっている可能性もあるため、腎臓がんとの識別も大切になります。どのような疾患も、早期発見・早期治療で生存率を高めることにつながります。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

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