「脳梗塞になりやすい人の特徴」はご存知ですか?予防法も医師が解説!
脳梗塞の原因とは?Medical DOC監修医が脳梗塞の原因・初期症状・発症しやすい人の特徴・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「脳梗塞の原因」はご存知ですか?初期症状・なりやすい人の特徴も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
上田 雅道(あたまと内科のうえだクリニック)
福島県立医科大学医学部卒業
名古屋掖済会病院 脳神経内科 医員
豊橋市民病院 脳神経内科 医員
名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学
中部ろうさい病院 神経内科 医長
目次 -INDEX-
「脳梗塞」とは?
脳梗塞は血管がつまることで脳に血液が流れにくくなり、脳の障害によりさまざまな症状が出る病気です。脳梗塞によって、急にろれつが回らない、話しにくい、手足が動きにくい、ふらつく、しびれるといった症状が出ることがあります。
脳梗塞であればすぐに治療を始める必要があるため、ろれつが回らない、話にくい、手足を動かしにくい、ふらつく、しびれるといった症状が急に出た場合は、すぐに病院を受診してください。
脳梗塞になりやすい人の特徴
脳梗塞には生活習慣が大きく影響します。食べすぎによる肥満、喫煙、大量飲酒、運動不足、ストレスが原因で、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病になり、脳梗塞のリスクが高くなります。こうした背景から50歳代以降から脳梗塞が増えて、70歳代から80歳代に発症のピークをむかえます。
肥満
肥満は高血圧、糖尿病、脂質異常症の原因になります。食べすぎに注意して、適切な体重を維持しましょう。
喫煙
喫煙は動脈硬化を進行させ、脳梗塞のリスクが高くなります。喫煙習慣のある人はできるだけ早く禁煙をしましょう。
大量飲酒
飲酒量は個人差が大きいので一概には言えませんが、過剰なアルコール摂取によって脳梗塞、特にアテローム血栓性脳梗塞のリスクが高くなります。
脳疾患を予防する方法
脳梗塞を予防するためには、主に動脈硬化の進行を防ぐための健康的な生活習慣が重要です。重要なポイントを3点紹介します。
食生活の改善
肥満にならないようにし、高血圧、糖尿病、脂質異常症を予防、または改善していくことが大切です。
不足しがちな野菜類は積極的に食べましょう。食事のバランスを保ち、適切な栄養素を摂取することで、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった動脈硬化のリスクを軽減することができます。
高カロリー、塩分過多、高脂肪の食品を制限し、加工食品やファストフードの摂取を控えることで血圧、血糖、LDLコレステロールや中性脂肪の上昇をおさえることができます。
適度な運動の継続
適度な運動は血管の健康を維持するのに役立ちます。無理のない範囲で有酸素運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)を行い、続けていくようにしましょう。
喫煙や過度な飲酒を避ける
喫煙は動脈硬化を進行させ、脳梗塞のリスクが上がります。禁煙をしましょう。
過度な飲酒も脳梗塞、特にアテローム血栓性脳梗塞のリスクを増加させます。飲酒量は個人差が大きく適量は一概には言えませんが、飲酒量をコントロールしましょう。
「脳梗塞の原因」についてよくある質問
ここまで脳梗塞の原因などを紹介しました。ここでは「脳梗塞の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
脳梗塞を発症しやすい人の性格について教えてください。
上田 雅道 医師
脳梗塞の大きなリスクである動脈硬化につながる生活習慣、例えば喫煙やアルコールへの依存、ストレスをためやすい、生活が不規則、といった人はリスクが高いといえます。
10代や20代で脳梗塞を発症する原因はどんなことが考えられますか?
上田 雅道 医師
10代や20代で脳梗塞を発症することは少ないですが、その原因としては脳血管の奇形、血管の炎症、血液疾患などです。他には10代や20代に多い片頭痛の一部は脳梗塞のリスクになることがあります。
ストレスが原因で脳梗塞を発症することはありますか?
上田 雅道 医師
ストレスによって食べすぎによる肥満、生活が不規則になるなど、生活習慣病につながることがあるのでストレスを発散することは必要です。適度な運動はよい習慣だと思います。友人や家族と楽しい時間を過ごすなど、自分なりのストレス解消を心がけましょう。
編集部まとめ
脳梗塞の原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動などたくさんあります。脳梗塞は生活習慣病が関係していることが多く、中年以降に発症しやすいと言えますが、若いうちから生活習慣病を予防していくことが重要です。食生活の見直し、適度の運動の習慣、禁煙、過度な飲酒を控える、といったことは今日からでも取り組むことができます。若いころからの生活習慣が、脳梗塞だけでなく未来の健康維持に役立つことでしょう。
もし脳梗塞になってしまったら、すぐに治療を受ける必要があります。ろれつが回らない、言葉が出てこない、力が入らない、ふらつく、しびれる、などの症状が急に出た場合はすぐに病院を受診してください。いったん症状がなくなった場合でも、受診することをおすすめします。
「脳梗塞の原因」と関連する病気
「脳梗塞の原因」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気
- 高血圧
- 心房細動
神経系の病気
脳梗塞の主な原因となる病気は決してめずらしいものではなく、身近なものが多いです。誰もがかかわることがあるので、気になることがあればかかりつけ医や内科に相談してください。
「脳梗塞の原因」と関連する症状
「脳梗塞の原因」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- ろれつが回らない、話しにくい
- 力が入らない
- ふらつく
- しびれる
- 目が見えにくくなる、視野が欠ける
- 意識がわるい
- 急な認知機能の低下
脳が原因で出る症状も脳梗塞以外、例えば、脳出血やてんかんなどが原因であることもあります。まずは原因を調べ、しっかりと治療できるよう病院を受診してください。
参考文献