直腸ポリープの症状や原因、治療方法とは?
直腸ポリープ(読み方:ちょくちょうぽりーぷ)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
東 光邦 医師 東肛門科胃腸科クリニック 院長
直腸ポリープとは
結腸壁または直腸壁にできたポリープは腸管内に突出しており、良性(がんではない)、前がん性(腺腫性)、悪性(がん)のものがあります。ポリープの大きさにはかなりの幅があり、大きければ大きいほど、がんであるリスクやがん化する可能性が高い状態(前がん性)であるリスクが高くなります。ポリープには茎(首が頭と体をつないでいるように、ポリープと腸壁をつないでいる薄い組織片)があるものと、ないものがあります。茎がないポリープは、がんである可能性が茎があるものより高くなっています。
多くの種類のポリープがありますが、典型的には以下のグループに分類されます。
・腺腫性ポリープ
・非腺腫性ポリープ引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/03-消化器の病気/消化器系の腫瘍/結腸と直腸のポリープ
直腸ポリープの症状
小さなポリープはほとんど症状がありませんが、大きくなってくると、便潜血(べんせんけつ)や鮮血便(せんけつべん)の症状がでます。若年性ポリープはしばしば自然脱落して下血します。大きなポリープでは腸重積(ちょうじゅうせき)をおこしたり肛門外にでてしまうこともあります。
引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine_02.html
直腸ポリープの原因
ポリープの中には、家族性大腸腺腫症、ポイツ-イェガース症候群といった遺伝性疾患の結果生じるものがあります。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/03-消化器の病気/消化器系の腫瘍/結腸と直腸のポリープ
直腸ポリープの検査法
ポリープが発見されたら、それが放置してよいもの(非腫瘍性)か、治療する必要があるもの(腺腫など)かを確認します。
これには無害な青い色素を病変に散布して内視鏡で観察する「色素内視鏡検査」という方法が用いられます。また、表面の構造がわかりやすくなる特殊な光を当てる内視鏡で病変を拡大して観察する方法が用いられることもあります。
治療が必要と判断された場合は、次にその病変が良性の腺腫か、がんを含む病変(腺腫内がん)かを鑑別します。内視鏡で拡大観察することである程度の鑑別はできますが、原則的には病変を切除して、その組織を顕微鏡で確認する(病理組織検査)ことで最終的な診断が行われます。引用:日本消化器病学会ガイドライン
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/cp_2.html
直腸ポリープの治療方法
腺腫の疑いがあるものは切り取ります。
基本的にポリープは、内視鏡で見ながら切除するポリペクトミーを行います。大きな病変は内視鏡による粘膜切除(EMR)にて切除し、病巣(びょうそう)全体の病理(びょうり)検索を行います。5ミリ以下のポリープではがん化のリスクが低いため、ホットバイオプシー(焼灼(しょうしゃく)切除し、生検(せいけん)を行う)でよいとされています。
非腫瘍性の小さなポリープは基本的には治療をしませんが、若年性ポリープなどは症状によってポリペクトミーを行います。引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine_02.html
ポリープ切除後は経過観察が大切で定期的な検査を受けるようにすると良いでしょう。術後数年は年に一度その後は2〜3年に一度内視鏡検査を行うと良いでしょう。