マウスピース矯正で出っ歯は治る？治るケース・治せないケース・矯正方法の種類・治療費用の目安も詳しく解説

マウスピース矯正で出っ歯は治る？

まず、出っ歯とは専門的には「上顎前突」といいます。その名の通り、上顎の歯が前に突き出た状態のことを指します。一般的に、出っ歯はマウスピース矯正で改善することが可能です。しかし、中にはマウスピースの適用外となるケースもあります。詳しくみていきましょう。

出っ歯とは

出っ歯とは、歯が正常な位置から前方に出てしまっている状態を指します。歯が正常な位置から出ていることで、見た目にコンプレックスを抱く人も多いです。
また、出っ歯は顔の骨の構造や成長に影響を与えることもあるので注意が必要です。重症の場合には、口が閉じられない、食べ物を咬み切れないなどの症状が出てくることもあります。出っ歯を放置することには様々なリスクがありますので、歯科医院で矯正するのがおすすめです。

出っ歯を放置するリスク

出っ歯で口が閉じられない状態になると、口の中が乾燥し、雑菌が繁殖しやすくなります。それによって、歯周病や歯肉炎のリスクが高まるので注意しましょう。
また、歯茎などが炎症を起こすことで顎などに影響が及ぶこともあるため注意が必要です。また、出っ歯によって隣接する歯が移動すると咬合不良を引き起こす恐れもあります。咬合不良は顎関節症の原因にもなりますので早めの治療がおすすめです。さらに、出っ歯などによる咬合不良を放置していると全身に様々な症状を及ぼすことがあります。例えば、頭痛・肩こり・耳鳴り・冷え性などです。毎日を健やかに過ごすためにも、一度歯科医院へ相談してみてはいかがでしょうか。

マウスピース矯正で治るケース

マウスピースで矯正できるかどうかは、出っ歯の状態によって異なります。まずは、マウスピース矯正で治る出っ歯についてお話しします。

前歯の向きに異常がある

前歯の向きに異常がある場合、マウスピースで矯正が可能です。例えば、前歯が前方に突出していたり、前歯が外向きに生えていたりする場合もマウスピース矯正で整えられます。ただし、咬み合わせの状態などによってはマウスピースで矯正できないこともあります。
まずは、歯科医院で詳しい検査を受けることがおすすめです。

歯が生えるスペースがない

マウスピース矯正では少しずつ時間をかけて歯を移動させることで、歯列が狭い場合でも矯正することが可能です。
その他、八重歯などが出てしまっている場合などにも対応できます。歯を抜かずに矯正を行えることもありますので、まずは歯科医院へご相談ください。

マウスピース矯正で治せないケース

マウスピース矯正で治る出っ歯がある一方で、マウスピースでは治せないケースもあります。マウスピース矯正の適用外となる場合、他の治療方法を選択することが必要です。

骨格に問題がある

骨格の問題が原因で出っ歯になっている場合、歯列を整える十分な空間が確保できないため、マウスピース矯正の適用外となります。重症度が高い場合には、外科的手術が必要です。抜歯をしたり骨を切って調整したりすることもありますので、まずは詳しい検査を受けてみてください。

歯を大きく動かす必要がある

歯を大きく動かす必要がある場合、マウスピース矯正では治すことができません。歯を大きく動かして咬合を整えるためには、インプラントやブリッジなどの治療を選択する必要があるでしょう。どちらにしても、一度詳しい検査が必要です。歯科医院で骨格や歯列の状態を確認し、最適な治療法を検討していきましょう。

出っ歯の矯正方法の種類

出っ歯の矯正方法は、主に4種類あります。最もよく知られたワイヤー矯正をはじめ、セラミック矯正・インプラント矯正・外科的手術まで方法は様々です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯を移動させるために用いられる矯正法のひとつです。ブラケットと呼ばれる金属製の部品を歯に装着することで歯列を整えていきます。ブラケットには着脱可能なものとそうでないものがあります。
また、歯肉や骨の状態に応じてワイヤーを調整しながら歯を動かしていきますので、場合によっては痛みを感じることもあるでしょう。ワイヤー矯正は装着期間が長く、継続的に装着する必要があります。ご自身のライフスタイルに合った矯正方法を選択することが重要です。

セラミック矯正

セラミック矯正とは、突出した歯を削ってセラミックの歯を被せる方法です。ワイヤー矯正よりも見た目がスッキリと自然で、短期間で行うことができるのもメリットでしょう。また、ワイヤー矯正よりも耐久性が高いという特長もあります。
ただし、自分の歯を削る必要があり、ワイヤー矯正に比べてコストが高い方法です。しかしながら、セラミック矯正はワイヤー矯正よりも見た目が自然なので、目立たせずに短期間で矯正できる方法を探している人にはおすすめです。

インプラント

インプラントと聞くと、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯をつくる治療方法をイメージする人多いのではないでしょうか。一般的には、歯が失われてしまった場合などに用いられることが多いです。しかし、このインプラント治療を応用したインプラント矯正という方法があります。インプラント矯正は前歯を全て人工歯に替えるというわけではありません。
インプラント治療に用いられるアンカースクリューというネジを使って、ワイヤーを固定し、出っ歯を矯正していきます。一般的なワイヤー矯正よりも大幅に歯を動かすことができ、治療期間が短くなるというメリットがあります。ただし、粘膜が炎症を起こしてしまうこともありますので、治療内容やリスクを確認した上で慎重に検討しましょう。

外科手術

出っ歯が重症な場合には、外科的手術を行うこともあります。例えば、出っ歯が重症で食べ物を噛みきることができない・口を閉じることができないなどです。必要に応じて部分的に抜歯を行ったり、顎の骨を移動させる手術を行ったりすることもあります。
このような場合の外科的矯正治療は健康保険の適応となります。出っ歯でお悩みの方は、まず歯科医院へ相談してみてください。歯科医院では、一般的に治療前にじっくりと検査やカウンセリングを行います。納得してから治療を開始することができますのでご安心ください。

治療費用の目安

治療費用については、矯正の方法や度合いによって異なります。ワイヤー矯正の場合、数十万円かかることが多いでしょう。セラミック矯正の場合、一本あたり10万円程度です。例えば、上の前歯2本を矯正するだけで良い場合には約20万円ですが、前歯4本を矯正する場合には倍の40万円ほどになります。
さらにマウスピース矯正の場合には、約50万～80万円の費用がかかる場合もあるでしょう。ただし、これはあくまでも目安です。実際の治療費用は歯科医院によっても異なります。外科手術を行う必要がある場合は、保険の適応となることもありますので、まずは歯科医院で最適な治療方法を検討していきましょう。

治療期間はどのくらい？

出っ歯の治療は、治療方法や出っ歯の度合いによって様々です。一般的には、数か月から数年単位で治療計画が行われます。しかし、これにはかなり個人差がありますので、まずは歯科医と相談する必要があるでしょう。口の中の詳しい検査をし、最終的にどのような歯並びを目指したいかを相談しながら最適な治療計画を考えていきましょう。

マウスピース矯正が原因で出っ歯になる？

マウスピースは歯列を矯正するために用いることが一般的ですので、マウスピースの装着が原因で出っ歯になることはありません。しかし、サイズや形状が合わないマウスピースを装着し続けることで歯並びに影響が出てしまう可能性は考えられます。
そのため、歯ぎしりなどで市販のマウスピースを使用するときには注意が必要です。基本的に出っ歯を治すためにマウスピースを装着するのであれば問題ないですが、最初の治療計画に誤りがあった場合などには出っ歯になる可能性がゼロとはいいきれないでしょう。さらに、治療が終了した段階で「出っ歯が治っていない」と感じることがあるかもしれません。出っ歯だと感じる度合いについては、人それぞれ異なりますので、治療前に歯科医師とじっくり相談してゴールを決めていきましょう。矯正用のマウスピースは、自分に合ったものを装着する必要があります。必ず歯科医院へ受診してください。

マウスピース矯正で出っ歯にならないようにするポイント

では、マウスピース矯正で出っ歯にならないようにするには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。そのポイントをいくつかご紹介します。

マウスピースのケアをする

矯正用マウスピースも1日1回は歯ブラシで磨く必要があります。清潔に保つことを心がけましょう。この時、気をつけておきたいのが煮沸消毒です。マウスピースを熱湯に浸けてしまうと変形の原因となります。変形した状態では、装着することができても適切な矯正効果を発揮することができなくなってしまいます。
かかりつけ歯科医院に指示された正しい方法でお手入れすることが大切です。また、マウスピースの取り外しにも注意が必要です。無理やり外そうとしては損してしまうことがあるので、力を入れすぎずに少しずつ外すようにしてください。矯正用マウスピースはそれぞれの歯の状態に合わせて作製された精密な装置です。少しでもゆがみが出てしまうと、理想の歯並びを手に入れることができなくなってしまいます。丁寧に取り扱うことを心がけましょう。

マウスピースの装着方法を守る

マウスピース矯正で出っ歯にならないためには、正しい装着方法を守ることが重要です。マウスピースの装着時間・装着方法・装着頻度などは、必ず歯科医師の指示に従うように心がけてください。

交換するタイミングを守る

マウスピースは一度作製したからといって、交換せずに長期的に使い続けられるものではありません。交換のタイミングがありますので、そのタイミングを守るようにしましょう。マウスピース矯正を始めると、徐々に歯列が変化していきます。
お口の中の状態が変化すればマウスピースのフィッティングも変化していきます。その時の口の中の状態に合ったものを装着できるように定期的な診察は必ず受けるようにしてください。

リテーナーを使用する

リテーナーとは、マウスピースの装着期間が終了した後につける保定装置のことです。一般的に矯正直後の歯並びをそのままにしておくと、少しずつ元の状態に戻っていってしまいます。そのため、リテーナーを用いて歯の位置を固定する必要があります。特に、矯正終了後1年半くらいは後戻りのリスクが高くなるので注意しましょう。
ここでリテーナーの使用を怠ってしまえば、せっかく整った歯列が崩れてしまいます。満足いく歯並びを維持するためにも歯科医師の指示に従ってリテーナーを装着してください。

実績が多い歯科医院を選ぶ

満足できるマウスピース矯正を受けるためには、やはり実績が多い歯科医院を選ぶことが重要です。実績の多い歯科医院であれば、様々な症例を取り扱っていますので、多様なケースに対応できるでしょう。近年は、マウスピース矯正に特化したクリニックも豊富です。また、HPで様々な症例や詳しい治療方法を掲載している歯科医院もあります。ご自身の歯並びと類似した症例を取り扱っている歯科医院多くのクリニックを選ぶのもおすすめです。一般的に多くの歯科医院が治療前のカウンセリングを取り入れています。いくつかのクリニックに足を運び、実際に治療についての相談をしてみてはいかがでしょうか。

マウスピース矯正の相談は信頼できる歯科医院へ

矯正治療は一度で終了するものではなく、長く続けていく必要があります。そのため、信頼できる歯科医院を見つけることが、まず第一です。ささいなことでも相談できるようなかかりつけ歯科医を見つけて、美しい歯並びを手に入れましょう。また、矯正治療が終了しても、後の後戻りを防ぐための定期的な通院も必要です。歯科医院を選ぶ際には、治療後のフォローに力をいれている医院を選ぶのもおすすめです。