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子どもの矯正歯科の選び方は?歯列矯正の種類や初回相談のポイントも解説

 公開日:2026/05/12
子どもの矯正歯科の選び方は?歯列矯正の種類や初回相談のポイントも解説

「子どもの歯列矯正はどの歯科医院を選べばよいだろう」と悩んでいませんか。
小児矯正は、矯正装置の種類や費用だけでなく、お口の機能や噛み合わせなど、将来を見据えた治療を受けられるかどうかも重要です。

本記事では、子どもの矯正歯科について以下の点を中心に解説します。

子どもの矯正歯科選びの参考になりますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

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小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

子どもの矯正歯科選びの重要性

子どもの矯正歯科選びの重要性
子どもの歯列矯正は、単に歯並びを整えるだけではありません。
小児矯正は、子どもの成長や発育にも影響を与えるため、歯科医院選びは重要なポイントです。

成長期の矯正治療は、歯並びだけでなく、顎の発育のバランス、乳歯から永久歯への生え変わり、噛む・飲み込む・話すなど、お口の機能(口腔機能)を正しく育てる視点が不可欠です。

また、小児矯正は長期間にわたるため、通院先はお子さんと保護者が安心して通える場所である必要があります。
そのため初回相談では、治療方針や検査の進め方、費用はもちろん、万が一のトラブルへの対応方法や、子ども本人が前向きに通院できる雰囲気かなども併せて確認しましょう。

疑問を残さず、子どもも納得できる歯科医院を選ぶことが重要です。

子どもの矯正歯科の選び方

子どもの矯正歯科の選び方
子どもの矯正歯科を選ぶときは、歯科医師の専門性や治療経験に加え、通院のしやすさや説明のわかりやすさも確認するとよいでしょう。

①矯正歯科専門の歯科医院か

まず確認したいのは、歯科医院の専門性や症例です。
診療科目に矯正歯科と標榜されていても、担当する歯科医師によっては、診療経験に違いがあることがあります。

専門性や経験を見極めるために、以下のような点を確認しておくとよいでしょう。

日本矯正歯科学会 認定医・専門医の資格を有する歯科医師が在籍しているか
どのような症例に対応しているか
小児矯正治療を継続的に行っているか(症例数)
検査や診断をどのように進めているか
誰が主に治療を担当するのか

医院名や診療科目だけで判断せず、知識や経験、技術力まで確認することが大切です。

②子どもや保護者に寄り添ってくれるか

小児矯正は、子どもが安心して通える環境かどうかも重要です。
初回相談で、歯科医院側の説明や対応の姿勢にも目を向けておくと、通院後のイメージがつかみやすくなります。

子どもにも理解しやすい言葉で説明してくれるか
保護者の疑問や不安に丁寧に答えてくれるか
気になることを相談しやすい雰囲気があるか
治療開始後の注意点まで具体的に案内してくれるか
メリットだけでなくデメリットの説明もあるか

こうした点を事前に確認しておくと、納得して治療を始めやすくなります。

③継続して通いやすいか

矯正治療は数ヶ月で終わるものではなく、子どもの成長に合わせて数年にわたり通院することも少なくありません。
そのため、無理なく通い続けられるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。

アクセスと診療時間
自宅や学校から通いやすい場所にあり、診療時間や曜日は塾や習い事などと両立しやすいか確認しましょう。

予約の柔軟性
予約の取りやすさに加え、装置の脱落や痛みなどのトラブル時にすぐ対応してもらえるかどうかも大切です。

通院の間隔
治療段階ごとの通院頻度を把握し、無理なくスケジュールに組み込めるか確認しておきましょう。

保護者の方だけでなく、「ここなら子どももストレスなく通える」と思える歯科医院を選ぶことが、治療を最後まで終わらせるためにも重要なポイントです。

④矯正治療の選択肢が複数あるか

子どもの矯正治療には、顎の成長をコントロールして土台を整える治療(1期治療)や、永久歯をきれいに並べる治療(2期治療)など、成長段階に合わせたさまざまなアプローチがあります。

矯正装置の種類も、取り外し可能なマウスピース型や、固定式のワイヤー、顎を広げる装置などさまざまです。
子どもの年齢や性格、お口の状態によって適した方法は異なるため、一つの手法に固執せず、複数の選択肢を提示してくれる歯科医院を選びましょう。

それぞれのメリット・デメリット、費用や期間を丁寧に説明してくれる歯科医院であれば、納得して治療をスタートできるでしょう。

子どもの矯正治療の種類

子どもの矯正治療の種類
子どもの矯正歯科を選ぶ際は、どのような治療方法に対応しているか知っておくことも大切です。

顎の幅を広げて歯が並ぶスペースを確保する治療

歯が重なって生えそうな場合は、顎や歯列の横幅に働きかけ、歯が並ぶためのスペースを整える場合があります。

拡大床

拡大床(かくだいしょう)は、ワイヤーとネジがついた取り外し式の矯正装置です。
ネジを回して少しずつ装置を広げることで、顎の横幅を拡大し、永久歯が生えるためのスペースを作ります。
主に乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に使用され、1日12~15時間程度を目安に装着します。

急速拡大装置

急速拡大装置は、上顎の骨格を短期間で左右に広げる固定式の装置です。
主に6〜12歳の成長期に使用され、上顎骨の継ぎ目を広げることで、永久歯が並ぶスペースを約2週間~2ヶ月で確保します。

噛み合わせのズレにより下顎が前方に出ている場合にも使用され、鼻呼吸をしやすくなる効果も期待できる装置です。

上下の顎の成長バランスにアプローチする治療

受け口や出っ歯の背景に顎の前後差がある場合は、成長の力を活かしてバランスを整える治療が検討されることがあります。

上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置は、上顎の成長を前方へ促すための取り外し式装置です。
主に6〜10歳頃の受け口(反対咬合)の治療に用いられます。

顔の外側に装着するフェイスマスクとお口の中の装置をゴムでつなぎ、顎先とおでこを支点にして、上顎を引っ張ります。
お口のなかで使用する装置は、生えている歯の本数や位置によって変わります。
治療期間は顎の成長や子どもの協力度によって異なり、目安は1~2年ほどです。

バイオネーター

バイオネーター筋機能矯正装置)は、筋肉の力を利用して下顎の成長を促し、上下の顎のバランスを整える取り外し式の装置です。
主に出っ歯(上顎前突)の改善に用いられ、下顎が小さく奥に引っ込んでいる成長期の子どもに適応されます。

バイオネーターでお口周りの筋肉の動きを歯や顎に伝え、正しい噛み合わせの位置へと誘導することで、歯並びだけでなく、横顔や口元のシルエットをきれいに整える効果が期待できます。

ヘッドギア

ヘッドギアは、上顎の成長を抑えつつ奥歯を後ろへ移動させるための、顔の外側に装着する取り外し式装置です。
主に出っ歯(上顎前突)の改善に用いられ、上顎が大きく前方へ出ている成長期のお子さんに適応されます。

ヘッドギアは、頭に装着するヘッドキャップと、口元に取り付けるフェイスボウ、上顎の大臼歯に装着する装置の3つで構成されています。
お口の中の装置と頭や首にかけたベルトをゴムでつなぎ、上顎に後ろ方向の力をかけることで、骨格的なズレを根本から整えます。

口周りの筋肉や癖にアプローチする治療

歯並びには、舌の置き方や口呼吸、飲み込み方などが関わることもあり、癖に着目した治療が行われることがあります。

プレオルソ

プレオルソは、お口周りの筋肉を訓練して歯並びを整える、やわらかいポリウレタン製のマウスピース型矯正装置です。
主に3〜12歳頃の成長期に使用され、悪い歯並びの原因となる口呼吸や舌の癖を改善することで、間接的に正しい噛み合わせへと導きます。

プレオルソはやわらかい素材のためフィットしやすく、日中1時間と就寝時の装着で済むため、小さなお子さんでも無理なく始めやすいのが特徴です。

ムーシールド

ムーシールドは、3歳頃の乳歯期から、永久歯が生え始める7歳頃まで使用できる、受け口(反対咬合)を改善するためのマウスピース型装置です。

主に就寝時に装着し、舌を上に持ち上げる筋肉を鍛え、舌で下の前歯を押さないようにし、上顎を広げます。
早期に噛み合わせを改善するだけでなく、お口の筋肉バランスの改善を図る目的もあります。

マイオブレース

マイオブレース(※)は、歯並びを悪化させる原因である口呼吸や舌の癖を修正しながら、顎の正常な発育を促すマウスピース型装置です。
単に歯を動かすのではなく、1日2回、呼吸や舌、飲み込み方、唇、頬の訓練をすることで、本来あるべき位置に歯が並ぶよう土台を整えます。

プレオルソマイオブレースは似ていますが、どちらを選ぶか迷う場合は、子どもの性格や治療の協力度も判断材料になります。
マイオブレースがおすすめなのは、口呼吸や舌癖が主因の場合や、日中トレーニングに取り組める子どもの場合とされています。詳しくは歯科医師に相談しましょう。

※未承認医薬品等であるため医薬品副作用被害救済制度の対象とはならない可能性があります。

歯が生えるスペースを維持・確保する治療

乳歯が早く抜けた場合などには、永久歯が生える場所を守るための装置を使うことがあります。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、奥歯に装着する固定式の細いワイヤー装置です。
乳歯が早く抜けた場所に、奥歯が前方に移動、あるいは倒れるのを防ぎ、永久歯が生えるスペースを確保します。

リンガルアーチは歯の裏側に隠れるため目立ちにくく、24時間持続的に力をかけられるのが特徴です。
装置の周りは食べかすや歯垢が溜まりやすいため、毎食後の丁寧な歯磨きが不可欠です。

歯を動かして歯並びを整える治療

顎の成長だけでは歯並びを整えきれない場合は、装置で歯の位置を動かし、噛み合わせや見た目を整えます。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ワイヤー矯正とは、歯を動かしたい方向にワイヤーで力を加え、数ミリ単位で歯を動かす治療法です。
歯にブラケットと呼ばれる器具を歯に装着し、ワイヤーを通します。

小児矯正では、永久歯がすべて生え揃った後に行われる2期治療で、理想的な噛み合わせを構築するために用いられます。
一人ひとりの歯並びに合わせて細かく調整できるため、複雑な歯並びにも柔軟に対応できるとされています。

マウスピース型矯正

マウスピース型矯正は、透明な装置(アライナー)を歯に装着し、歯の移動を促す治療法です。歯を少しずつ動かす装置のため、段階的に装置を交換します。
また、顎の幅を広げて、永久歯が生えるスペースを確保する役割も担います。

マウスピース型矯正は、装置が透明で目立ちにくく、着脱可能なため口腔衛生を維持しやすいという利点があります。
1日20〜22時間以上の装着時間を守ることで、計画通りに歯を動かし、理想的な歯並びへと導く装置です。

小児矯正の初回相談で確認したいポイント

小児矯正の初回相談で確認したいポイント
小児矯正の初回相談では、子どものお口の現状や治療方針、費用の見通しを整理し、納得して判断できる材料を揃えましょう。

1.現状の確認

小児矯正の初回相談でまず確認したいのは、子どもの歯並びや噛み合わせが、専門的に見てどのような状態にあるかという点です。
以下のポイントを掘り下げて聞くことが重要です。

骨格と歯のバランス:歯が並ぶ土台となる顎の大きさや、上下の顎の位置はずれてないか
永久歯のスペース:これから生えてくる永久歯が並ぶための十分なスペースはあるか
悪習癖の影響:口呼吸や、指しゃぶり、舌を出す癖、飲み込み方の癖などによる歯並びへの影響
将来の予測:成長に伴う自然改善の見込み、放置した場合の骨格の歪みや抜歯の必要性

保護者が気にしていることはもちろん、子ども本人が困っていることも併せて伝えると、生活に寄り添った診断を受けやすくなります。

2.治療計画の見通し

小児矯正は、すぐに装置を使うケースだけでなく、顎の成長を利用するためにあえて数ヶ月〜数年経過観察を行う場合もあります。そのため、以下のポイントを具体的に聞いておくことが大切です。

現在の診断と開始時期の根拠
これから小児矯正を始めるメリットや、先送りした場合のリスクを確認します。

治療のステップと期間
小児矯正は第1期から始まるのか、あるいは第2期からスタートすればよいか、どのくらいの治療期間が必要になるかなど、確認しましょう。

通院の頻度と負担
通院ペースや、家庭で必要な装置の管理や訓練について確認しましょう。

また、子どもの成長には個人差があるため、成長のスピードや歯の生え変わりの状況によって、途中で治療方針が変わる可能性もあります。

2期目にはどのような治療が必要になるかなど、あらかじめ予測される変化を知っておくことで、長期にわたる治療にも取り組みやすくなります。

3.治療費用と支払い方法

小児矯正がスタートする前に、提示された金額がトータルフィー制(総額提示方式)かどうか確認しましょう。
トータルフィー制は、装置代だけでなく毎回の調整料や保定費用まですべて含まれている形式です。

一方で、通院ごとに処置料が別途かかる歯科医院もあり、治療が長引くと総額が膨らむ可能性があるため注意が必要です。

また、以下の点も具体的に確認しておくと、想定外の負担を避けやすくなります。

費用の内訳
相談料、精密検査料、装置代、毎月の調整料、治療後の保定(リテーナー)費用の有無

追加費用の有無
装置を紛失・破損した際の修理費や、治療計画の変更に伴う追加装置の費用

支払い方法とタイミング
現金、クレジットカード、デンタルローンの利用可否
院内分割に対応している場合は手数料がかからず、月々の負担を抑えられるケースもあるため、分割回数や利息の有無も聞いておきましょう。

これらを事前にクリアにしておくことで、長期的な家計の見通しも立てやすくなります。

聞きたいことを事前に整理して相談に臨みましょう

初診は説明を聞くことに集中するあまり、後から「あれも聞けばよかった」と後悔する方もいるかも知れません。
事前に「治療は今すぐ必要か」「しばらく経過観察でもよいか」「子どもに合う装置は何か」といった疑問を書き出しておくと、確認漏れを防ぎやすくなります

小児矯正を始めるかどうかは、相談した当日に決める必要はありません。
説明内容を持ち帰り、子どもの気持ちも踏まえながら家族で落ち着いて検討することが大切です。

子どもの矯正歯科選びで迷ったときはセカンドオピニオンも検討する

子どもの矯正歯科選びで迷ったときはセカンドオピニオンも検討する
子どもの矯正治療について「この方針でよいのだろうか」と迷った場合は、ほかの矯正歯科に相談してみるのも一つの方法です。

小児矯正を始める時期や、使用する装置、抜歯の必要性などは、歯科医師の考え方や治療方針によって分かれることがあります。
複数の意見を聞くことで、提案の違いだけでなく、いずれの歯科医師も共通して指摘する課題などが見えやすくなります。

複数の歯科医院で検討する場合は、最初の歯科医院で相談した内容や検査結果を整理して、新しく相談する歯科医院に持参するとよいでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで、子どもの矯正歯科の選び方についてお伝えしてきました。
子どもの矯正歯科の選び方について要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 子どもの矯正歯科選びでは、歯並びだけでなく、顎の成長や噛み合わせまで見てくれるかを確認することが大切
  • 子どもの矯正歯科選びでは、歯科医師の専門性に加え、説明の丁寧さや通いやすさ、治療方法の選択肢なども確認する
  • 子どもの矯正治療には複数の種類があるため、初回相談で現状や治療方針、費用の見通しを確認することが重要

子どもの矯正歯科を選ぶときは、歯科医師の専門性や、説明の丁寧さや通いやすさ、治療の選択肢、費用のわかりやすさまで含めて総合的に判断することが大切です。
迷いがある場合は、セカンドオピニオンも取り入れながら検討しましょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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