インプラント手術時に痛みはある?手術中や術後の痛み・静脈内鎮静法についても解説
インプラント治療は外科治療を行う必要がある治療法です。行う手術も歯茎の切開・顎の骨に穴を開けるといった規模の大きい治療のため、痛みを心配する人は少なくありません。
また手術が終わってからも痛みが続き、日常生活に支障が出るのではと考える方もいるでしょう。インプラント治療は機能・審美性ともに優れていますが、これらのイメージから敬遠されがちです。
今回はインプラント手術時の痛みや、術後の痛みについて解説していきます。
監修歯科医師:
和田 晃(和田デンタルクリニック)
目次 -INDEX-
インプラント手術時に痛みはある?
インプラント治療は外科治療が必要なため、手術時は痛みを伴うと考えている方は多いです。しかし、実際は痛みを感じるケースはほとんどありません。理由として、治療中は局部麻酔を使用するため、痛みを感じなくなるためです。
さらに、治療中の緊張で心拍数増加・精神的負担などを起こさないよう、静脈に鎮静剤を投与する場合もあります。そのため、手術時は痛みを感じずに治療を受けられるため、麻酔が抜けたら即日帰宅も可能です。
インプラント手術中の痛み
インプラント手術は、人工歯根(インプラント)を埋め込むために歯茎を切開し、ドリルで歯槽骨に穴を開ける必要があります。穴を開けた箇所に人工歯根を埋め込み、歯茎を縫合して手術は完了です。
歯科医院で受ける治療の中でもインプラント手術は大がかりな治療となるため、不安を覚える方は珍しくありません。その中でも特に相談が多いのは、インプラント手術中の痛みです。ここからはインプラント手術中に感じる痛みについて、解説します。
局所麻酔を行うため通常は痛みをほとんど感じない
インプラント手術で主に使われる麻酔は局部麻酔と呼ばれ、痛みを伝える神経をブロックすることで痛みを感じなくさせる麻酔です。
全身麻酔と異なり、脳・脊髄といった中枢神経ではなく手術部位に直接注射を行います。局部麻酔の場合は意識が覚醒した状態で治療が行われ、呼吸も通常通り行えます。
身体への負担が少なく、日帰り(※)で治療が行えることもメリットです。麻酔薬にアレルギーを起こすケースは稀ですが、局所麻酔薬は麻酔の吸収量調整のためにアドレナリンが含まれている場合があります。
血圧が高い・動悸が起きやすい場合は医師に伝え、アドレナリンなしの局部麻酔に変更してもらいましょう。
※手術自体は当日でおわりますが、検査や経過観察のための通院をお願いしています。
痛みはなくても手術に恐怖心を感じる場合は静脈内鎮静法も検討
局部麻酔は痛みを感じなくさせ身体の負担も少ないのが特徴ですが、意識が覚醒した状態で治療を行うため恐怖心を覚える方は少なくありません。
恐怖心は血圧上昇・ストレスの原因となり、治療の妨げとなります。治療中の恐怖心を薄れさせる方法の1つが、静脈に点滴で鎮静薬を注入する静脈内鎮静法です。
この鎮静法を利用すると眠っているような状態になりますが、完全に睡眠状態にはならず、音に反応したり会話を行えたりします。
デメリットとして鎮痛剤が切れるまで待機する必要がある・既往歴によっては選択できないなどが挙げられます。
インプラント手術後の痛み
ここまではインプラント手術中の痛みについて解説してきました。インプラント治療中は、上記のように局部麻酔や必要に応じて静脈内鎮静法を行うため、ほとんど痛みを感じずに手術が終了します。
その後は歯茎の治癒・人工歯根が歯槽骨と結合し、人工歯根にアバットメント(上部構造を取り付ける器具)を装着する手術を再度行います。アバットメント取り付けまでにかかる期間は個人差があるものの、数ヵ月程度が一般的です。
ここからは、インプラント手術後からアバットメント取り付けまでの間に発生する痛みについて解説していきます。
麻酔が切れた後の痛み
インプラント手術はいくつかの外科治療を行うため、麻酔が切れた後痛みを覚える場合があります。痛みには個人差があるものの、日常生活に支障が出る痛みに繋がることはほとんどありません。
手術終了後しばらくは刺激物を避ける・硬い食べ物は控えるといった、患部に負担をかけない食事を心がけましょう。切開した歯茎を縫合する術式を選択した場合、糸が切れたり汚れが溜まったりすることで細菌感染・炎症を起こす危険性があります。
痛みを感じないからといって油断せず、歯科医師の指示に従い日常生活を過ごしましょう。
手術部位に歯ブラシなどが当たった場合の痛み
インプラント手術後も、これまで通り歯磨きを行う必要があります。理由としては手術部位だけでなく、口腔内を清潔に保ち切開箇所に細菌が入り込むことを防ぐ必要があるためです。
普段通りに歯磨きをしてしまうと歯ブラシが手術部位に当たった際に、痛みを感じるときがあります。部位を強く刺激すると縫合に使用した糸が外れ、傷口が開く危険性が高まります。
普段より柔らかい毛先の歯ブラシを利用する・優しく磨くことを心がけるなど、手術部位に配慮しながら歯磨きを行いましょう。
抜糸時の痛み
抜糸は手術から1週間程度で行いますが、痛みを感じる方はほとんどいません。感じたとしても歯茎にピリピリとした痒みが生じる程度です。糸が歯肉に喰い込んで容易に抜糸できない場合や、どうしても痛みが我慢できない場合は麻酔を使用することも可能です。
また、最初から抜糸時は麻酔を使用する歯科医院もあるため、事前に確認しておきましょう。
手術後に痛みがある場合は処方された鎮痛剤を服用
手術後は痛み止め・うがい薬など、複数の医薬品が処方されます。これは切開した傷口から菌が入り込まないよう、口内を清潔に保つ必要があるためです。またインプラント手術後は抗生物質も処方されます。これは傷口から細菌が入り込むことによる感染症を防ぐためです。
痛みを感じないからといって毎日飲むべき医薬品を服用しないと、治癒が遅くなるだけでなく、最悪インプラントの脱落(歯槽骨から抜け落ちる)に繋がることがあります。きちんと指示に従い、医薬品を服用しましょう。
痛みがひどい、治まらないなどの場合は歯科医院に相談を
上記で解説した通り処方された痛み止めを服用することで、術後の痛みはほとんど解消できます。しかし、処方された薬を指示通り飲み切っても痛みが継続する場合や、我慢できない痛みが発生した場合は、手術中・術後にトラブルが発生した可能性があります。
歯茎・顎の骨・神経・血管などが治療箇所となるため、慎重な治療計画を立てることがインプラント治療においては重要です。しかし、手術中の細菌感染や、自宅での術後ケアによっては傷口に菌が入り込む可能性があります。
放置するとさらに症状が悪化し、インプラント治療にも影響が出る可能性があるため、想定されない痛みが出た場合は歯科医院を受診してください。
インプラント手術で行われる静脈内鎮静法の特徴
インプラント手術では局所麻酔と並行して静脈内鎮静法を使用し、治療中の心理的負担を軽くする場合があります。
血管から鎮痛薬を投与するため全身麻酔より負担が軽いものの、必要な設備や術者に求められる技術は変わらないため、信頼できる歯科医院の決定が重要です。
ここからは静脈内鎮静法の特徴や、インプラント手術で行う場合どのように行われるかについて解説します。
半分眠ったような状態でインプラント手術を受けられる
静脈内鎮静法は局所麻酔と併用することで、痛みを感じずに眠ったような状態のままで手術を完了できます。完全に意識がなくなるわけではなく、手術中も会話による意思疎通が可能です。
主な役割は眠ったようなリラックスした状態を維持することです。術中のストレスを緩和できるため、インプラント手術のオプションとして選択されることが珍しくありません。
呼吸器に疾患がある場合や、高度肥満状態の場合は安全性が確保できず利用できない場合があるため、歯科医院に選択可能かカウンセリングで確認を取りましょう。
静脈内鎮静法は麻酔科の医師が行う
静脈内鎮静法は、鎮静剤がどの程度効いているかを評価する鎮静スケールを元に、慎重に量を調整する必要があります。そのため外部から麻酔科の医師を招き、手術に立ち会うことが一般的です。
手術終了後は休憩スペースで休息を取った後、麻酔科の医師の診断を受けて問題がないなら帰宅できます。注意点として静脈内鎮静法を利用する場合、車・自転車など自分で運転する必要がある移動法は選ばず、タクシー・電車などを利用しましょう。
インプラントの相談なら和田デンタルクリニックへ
インプラントについて相談したいと考えている方は、和田デンタルクリニックの受診を検討してみましょう。診査・診断に力を入れている歯科医院で、CTスキャン・マイクロスコープ(顕微鏡)などの設備で診査が行えます。
治療プランは期間・費用だけでなく、どういった治療法を希望するかも取り入れて治療方法を決定します。さまざまな治療法が存在し、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一つ一つ納得がいくまで相談することが可能です。
また痛みによるストレスを感じる方のため、麻酔技術にも力を入れています。歯科医院の通院にストレスを感じる方でも、リラックスして治療を受けられるよう、さまざまな配慮を行っています。
なお、1本あたりのインプラント治療費は、約40〜50万円(税込)ほどだそうです。
設備の整ったインプラント用手術室を完備
インプラント手術を行うための手術室は完全個室となっていて、生体管理モニター・AEDといった設備も充実しているのが特徴です。
手術室の滅菌は勿論、治療に使用する器具はできる限り使い捨てにする・洗浄滅菌や高圧蒸気滅菌の機材を取り入れるなど、衛生管理に力を入れています。
立体画像からコンピュータ上で手術シミュレーション
インプラント手術のために必要な精密検査はレントゲン、CT撮影に始まり、顎の骨の検査など多岐に渡ります。検査による予測が正確であればあるほど、治療の精度が高まるため非常に重要です。
CTで撮影した画像を元に、コンピュータ上で手術のシミュレーションを行うことも和田デンタルクリニックの特徴です。治療の精度を高めると共に、短時間の治療を実現できます。
治療時間の短縮は身体的負担を低くするだけでなく、神経の痛み・歯茎の腫れを引き起こすリスクを下げ、治療後の生活に大きく関わります。
天然の歯に近い自然な外見を目指した治療
インプラントは噛む力・歯槽骨への刺激といった機能面だけでなく、天然歯に近い審美性もメリットの一つです。和田デンタルクリニックは機能面だけでなく、見た目の美しさも重視しています。
自然な外見に近づけるために、インプラント以外の治療を行うことも可能です。例として口腔内環境の悪化により歯茎が後退してしまった場合、遊離歯肉移植術(FGG)・結合組織移植術(CTG)などで歯茎の治療も行えます。
顎の骨の量が足りない場合の増骨手術にも対応
インプラント治療が受けられない原因の一つは、加齢・疾患などで顎の骨が減少し、歯槽骨に人工歯根を埋め込めないケースです。
インプラント治療が受けられるよう骨を増やす・頬骨を利用するなどさまざまな術式によって、現在は顎の骨が足りない場合でもインプラント治療を受けられます。
和田デンタルクリニックでは、顎の骨を増やす骨造形の選択が可能です。
和田デンタルクリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間
東急東横線 綱島駅 徒歩30秒
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
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参考文献