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根管治療は痛い?痛みの原因や根管治療が難しいケースを紹介

 更新日:2024/01/09
根管治療は痛い?痛みの原因や根管治療が難しいケースを紹介

根管治療には「痛い」というネガティブなイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。過去に根管治療を受けて、実際に「痛い」と感じた方もいるかもしれません。
ここではそんな根管治療の概要や流れ、痛みが生じる原因などを詳しく解説します。難易度が高く、強い痛みを感じやすい難症例のケースもいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。

礒田 浩太

監修歯科医師
礒田 浩太(新大久保礒田歯科医院)

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日本歯科大学生命歯学部卒業。日本歯科大学附属病院総合診療科助教として歯内療法チームに所属し診療と研究、教育に務める。その後、新大久保礒田歯科医院 顕微鏡診療を開院し現在に至る。日本歯内療法学会 専門医、日本歯科保存学会 認定医であり多数の学会にて活動中。

根管治療とは

根管治療とは
はじめに、根管治療の概要と流れを説明します。

根管治療の概要

根管治療とは、歯の根の中にある根管をきれいに清掃する治療です。
一般的には、進行したむし歯に対して根管治療が必要となります。なぜならむし歯が進行すると、歯の神経まで感染が広がるからです。外傷で歯の神経が死んでしまった場合も根管治療が必要となります。

根管治療の流れ

根管治療は、次のような流れで進行します。

・STEP1 歯の神経を抜く処置(抜髄)
初めての根管治療の場合は、歯の神経である歯髄(しずい)が残っているため、抜き取る必要があります。これを抜髄(ばつずい)といいます。

・STEP2 根管内の清掃・消毒
歯髄が収まっていた根管内を専用の器具や薬剤を使って清掃・消毒します。この処置は、複数回に分けて行うことになります。根管治療に長い期間を要するのはそのためです。初めての根管治療の場合でも、根管の清掃・消毒だけで2〜3回の通院が必要となります。

・STEP3 根管充填
根管内の清掃・消毒が完了したら、特別な樹脂と薬剤を充填します。これを根管充填(こんかんじゅうてん)といいます。根管充填は、根管の補強とむし歯の再発を防ぐために行われます。

・STEP4 被せ物治療
厳密にいうと、根管治療は根管充填を行った時点で完了します。その後は土台を形成して、被せ物を被せます。

根管治療は痛い?痛みの原因

次に、根管治療に伴う痛みについての解説です。結論からいうと、根管治療ではいくつかの場面で痛みを伴います。どのくらいの痛みが生じるかはケースによって大きく異なります。また、完全無痛な状態で根管治療を行うことは不可能といえますので、その点はご注意ください。ここでは根管治療に伴う痛みの原因を「治療前」「治療中」「治療後」の3つに分けて説明します。

根管治療前の痛みの原因

根管治療前の痛みの原因
根管治療前の痛みの原因は、慢性痛と急性痛とで少し異なります。

・慢性痛
根管内の病変が慢性化している場合は、もうすでに歯の神経が死んでいるケースがほとんどです。そのため急性痛のような鋭い痛みが生じるのは稀です。なぜなら歯の神経はもうすでに死んでいるからです。ただし、根管内には病変が存在しているため、鈍い慢性痛は継続的に発生します。

・急性痛
急性痛は、歯の神経が細菌に侵され始めた頃に現れる症状です。現在進行形で歯髄が侵されていることから、強い痛みが生じます。とくに副交感神経が優位になる夜間に痛みが強くなるため、歯の急性痛で眠れないというケースも珍しくありません。

根管治療中の痛みの原因

根管治療では基本的に局所麻酔を施しますが、それでも以下の2つの理由から痛みが生じることもあります。

・治療器具が根管部分に触れた痛み
リーマーやファイルなどを根管内に挿入した時に強い痛みが生じる場合があります。そうした痛みは、細菌の活動が活発であるほど強くなります。

・根管充填による痛み
根管充填では、ガッタパーチャと呼ばれる樹脂や消毒薬で根管内を塞ぎます。その圧力や刺激で痛みを感じる場合もあります。

根管治療後の痛みの原因

根管治療後は、次の3つの原因で痛みが生じやすくなります。

・膿
膿の排泄が見られるケースでは、根管治療後に痛みが生じやすいです。膿が出ているということは、それだけ細菌の活動が活発化していることを意味するからです。

・炎症
根管治療では、器具による物理的な刺激だけではなく、薬剤による化学的な刺激も加わります。その結果として、歯や周りの組織に炎症反応が起こってしまうのです。また、患部にも元々、細菌の活動に由来する炎症反応が起きているため、根管治療後に麻酔が切れてから強い痛みを伴うことがあります。

・歯髄の感染の度合いが強かった
歯髄の感染の度合いが強ければ、根管治療後も強い痛みが残ります。根管内がきれいに清掃されていれば、その痛みも徐々に消えていきます。

根管治療の成功率

続いて、根管治療の成功率について説明します。一般的なむし歯治療は、細菌に感染した歯質をドリルで削って、コンポジットレジンや詰め物を詰めれば完治ですが、根管治療となると話は変わります。

根管治療の難易度は高い

根管は、暗くて細く、複雑に入り組んでいます。肉眼ではその内部を確認することはできないため、これまでの経験や知識で進めていくのが根管治療なのです。それだけに、一般的なむし歯治療よりも難易度が高くなっています。

保険診療での根管治療の成功率は50%以下

保険診療にはさまざまな制約がかかります。それは根管治療も例外ではありません。そのため保険診療での根管治療の成功率は、50%にも満たないといわれています。つまり、根管治療の半分以上は、むし歯が再発するか、そもそも治療を完了させることが困難となっているのです。

根管治療が難しいケース

根管治療が難しいケース
次に挙げるようなケースは、根管治療の難易度が特に高いといえます。該当する症状がある場合は注意しなければなりません。

炎症の範囲が大きい

細菌感染による炎症の範囲が大きい場合は、根管治療の難易度も上がります。また、炎症を抑えるまでにかなりの期間を要します。

歯周病が重症化している

根管内だけではなく、その周りの歯周組織にまで炎症が広がっている症例は、根管治療が難しくなります。つまり、重症化した歯周病を併発しているケースです。当然ですが、その場合は歯周病の治療も行わなければなりません。

根の形が複雑

歯の根の形が複雑な場合は、根管への処置が難航します。保険診療では、柔軟性を欠いたリーマーやファイルしか使用できないため、根っこが折れ曲がった部分に穴を開けてしまうかもしれないからです。同時に、根管内の汚れを取り残すリスクも高まります。

根が破折している

歯の根が破折しているケースは、根管治療の難易度が極めて高くなります。根の折れ方によっては、そもそも根管治療を適応できないこともあるため、十分な注意が必要です。根が折れているケースでは、通常の根管治療では十分な効果が得られないことから、外科的な治療が必要となります。

根管治療が難しい場合の治療方法

根管治療が難しい場合の治療方法
上段で解説したような根管治療が難しいケースは、以下のような治療方法で対応できることがあります。

精密根管治療

歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを活用した精密根管治療なら、歯の根が複雑な形をしていても、拡大視野下で処置を施すことができるため、汚れの取り残しも少なくなります。根管に穴を空けるリスクも抑えられることでしょう。また、精密根管治療は自費診療となることから、根管の形態に沿って柔軟に曲がるニッケルチタンファイルなども活用できます。

歯根端切除術

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)とは、文字通り歯の根の先を外科的に切除する方法です。通常の根管治療では感染源を取り切れないケースに適用されます。

再植術

歯根の形が複雑であったり、通常の根管治療では汚れを十分に取り切れなかったりする症例には、再植術(さいしょくじゅつ)が適用されることもあります。再植術とは、歯を抜いた状態で根管治療を行う方法で、最終的には歯を元の位置に戻します。

抜歯

いずれの治療方法でも十分な効果が得られないと判断した場合は、最終的に抜歯を選択することになります。根管内に病巣が残ったまま放置するのであれば、歯そのものを抜いた方が予後も良くなるからです。つまり、根管治療というのは、歯を残せるかどうかを決める重要な処置なのです。それだけに強い痛みを伴ったり、長い期間がかかったりしても、最後までやり遂げる価値があるといえます。

抜歯後の治療方法

抜歯後の治療方法
抜歯をした後の治療方法は、以下の3つの選択肢が挙げられます。

インプラントの治療方法

顎の骨に人工歯根を埋入する治療法です。歯を丸ごと抜いても、歯根から回復することが可能です。見た目は自然で美しく、天然歯と同じようにしっかり噛めます。顎の骨が痩せにくい、周りの歯を削る必要がない、装置がずれることがない、といったメリットも伴います。ただし、インプラント治療には長期の時間がかかります。また、保険が適用されないため、治療にかかった費用は全額自己負担となる点にご注意ください。費用相場は1本300,000~500,000円(税込)程となります。

ブリッジの治療方法

ブリッジは、抜歯した両隣の歯を削って、人工歯が複数連なった装置を被せる治療法です。固定式なので安定性は高いですが、歯根がないことからインプラントには噛み心地で劣ります。装置の構造上、見た目もやや不自然な部分があります。ブリッジのメリットとしては、保険が適用される場合がある、外科手術が必要ない点が挙げられます。費用相場は保険診療の場合1本20,000~30,000円、自由診療の場合1本50,000~150,000円(税込)程となります。

入れ歯の治療方法

入れ歯は、人工歯と床(しょう)、金属製のクラスプで構成された装置です。抜歯をした部分に装置をはめ込むように装着します。安定性は低く、食事や会話の際にずれることがあったり、見た目もやや不自然です。入れ歯のメリットとしては、保険が適用される、外科手術が不要、歯を大きく削る必要がない点が挙げられます。費用は、保険診療の場合、総入れ歯は10,000円(税込)、部分義歯は5,000円(税込)程、自由診療の場合総入れ歯は300,000円(税込)、部分入れ歯は150,000円(税込)程となります。

難症例の根管治療や抜歯後のインプラントなら新大久保礒田歯科医院に相談を

今回は、根管治療の痛みの原因について解説しました。
難症例の根管治療は成功率が低くなるため、適切な処置を施せる歯科医院で受診する必要があります。新大久保礒田歯科医院なら難症例の根管治療や抜歯後のインプラント治療の経験が豊富なので、安心して診療を受けることができるでしょう。

マイクロスコープを使用した正確で安全な根管治療

新大久保礒田歯科医院マイクロスコープ
新大久保礒田歯科医院では、日本歯内療法学会専門医と日本歯科保存学会認定医の資格を持った歯科医師による、マイクロスコープを用いた根管治療を提供しています。
難症例の根管治療でも、肉眼では判別できない根管の細部までを正確に把握することで、精度の高い治療を安全に行うことができるそうです。治療期間の短縮と再発の予防にもつながります。

できる限り歯を残す方針のもとに行うインプラント治療

歯は、一度失うと元には戻りません。そのため、新大久保礒田歯科医院では、可能な限り天然歯を残す方針で日々の診療に取り組まれています。それでも歯を残せなかった場合は、天然歯の審美性と機能性を再現できるインプラント治療を提案しています。
インプラント治療歯科用CTを活用し、顎の骨の形状や内部構造などを詳細に確認したうえで、サージカルガイドを使用してインプラントを埋め込むドリルの角度と方向を定め、少ない切開で手術を行うことで患者さんの負担を軽減しています。

患者さん一人ひとりにしっかりと向き合う治療

新大久保礒田歯科医院スタッフ
新大久保礒田歯科医院では、患者さん一人ひとりにしっかりと向き合う治療を行うことを大切にされています。予約診療制を採用することで多忙な患者さんの待ち時間を減らし、事前にしっかりと適切な治療と処置の準備を行われています。
全ての患者さんとじっくりと対話し、治療に対する希望や不安な思いなどを充分にヒアリングできることも予約診療制のメリットだそうです。

新大久保礒田歯科医院の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

JR中央・総武線新大久保駅 徒歩2分

東京都新宿区百人町2-9-14 ミズホアルファビル2F

診療時間
10:00〜13:00
14:30〜19:00

▲…14:00〜17:00
【費用(税込)】 
根管治療
・前歯  抜髄・断髄 1本 77,000(税込)
     感染根管治療 1本 110,000(税込)
・小臼歯 抜髄・断髄 1本 110,000(税込)
     感染根管治療 1本 143,000(税込)
・大臼歯 抜髄・断髄 1本 143,000(税込)
     感染根管治療 1本 176,000(税込)

インプラント
・精密診断・SIMPLANTガイドオペレーション 110,000円
・ケンテック社製インプラント(国産) 1本 242,000円
 同一部位2本目より1本 187,000円
・アストラテック社製インプラント(プレミアム) 1本 297,000円
 同一部位2本目より1本 242,000円
ジルコニア(またはチタン)カスタムアバットメント1本 66,000円
・上部構造(被せ物)
 S:ジルコニア-セラミック1本 154,000円
 A:ジルコニア冠1本 132,000円

【治療期間】 約1ヶ月
【治療回数】 約3回

この記事の監修歯科医師