【漫画付き】いびき=睡眠時無呼吸症候群なの? どれくらいで受診したほうがいい?

いびき=睡眠時無呼吸症候群なの? どれくらいで受診したほうがいいの?

眠っている間、一時的に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」。この病態と「いびき」は関連性があるのだろうか。居眠り運転による事故とともに注目を浴びるようになった睡眠障害について、「善行団地石川医院」の石川先生から解説いただいた。先生によると、画期的な治療方法が確立しているそうだ。

監修医師
石川 範和(善行団地石川医院 院長)

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藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部卒業。日本大学医学部附属板橋病院循環器内科、国立甲府病院(現・独立行政法人国立病院機構甲府病院)内科、厚生連相模原協同病院循環器センター、一般財団法人同友会藤沢湘南台病院内科勤務を経た2012年、神奈川県藤沢市内の「善行団地石川医院」院長へ就任。医療ニーズの多角化へ応えるべく、地域医療に努めている。日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本循環器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医、日本禁煙学会禁煙専門医。日本スポーツ協会スポーツドクター、日本医師会、日本心臓病学会所属。

編集部編集部

いびきをしていたら、睡眠時無呼吸症候群と考えていいのでしょうか?

石川先生

そうとも限りません。「いびき」そのものは低呼吸状態とされ、狭くなった喉が震えることによって独特の音を出します。また、無呼吸とは10秒以上、気道を流れる空気が止まった状態を指します。これに対し「睡眠時無呼吸症候群」は、呼吸の有無や状態により3段階に分類されています。

編集部編集部

同じ睡眠時無呼吸症候群でも、軽重があるのですね?

石川先生

はい。ひとつの目安として、睡眠1時間あたり「30回」以上の無呼吸・低呼吸があると重症「15回以上」で中等症「5回以上」なら軽症とされています。なお「5回未満」は正常と判断します。つまり、1時間あたり「5回未満」の無呼吸・低呼吸であれば、睡眠時無呼吸症候群とはみなされません。

編集部編集部

いびきや無呼吸の自覚は難しいと思うのですが?

石川先生

そうですね。もっとも多いパターンとしては、家族やパートナーからの指摘です。もし、いびきをしているのであれば、その回数が問われますから、最寄りの医療機関で調べてみましょう。

編集部編集部

自覚に結び付くようなチェック項目があれば、教えてください。

石川先生

・いびきを指摘されたことがある
・日中に眠さやだるさを感じる
・朝起きても、疲れが取れていない
といったところでしょうか。

編集部編集部

受診すると、どのような検査がおこなわれるのですか?

石川先生

まずは、自宅で睡眠時の低呼吸・無呼吸が計測できる、「簡易ポリグラフィー(簡易ポリグラフ)」をお渡しします。そのうえで、「30回以上」の重症とわかれば、治療に入ります。中等症以下であれば、入院していただいて、さらに精密な検査をおこなうのが一般的です。

編集部編集部

検査の受診先として何科を選べばいいのでしょう?

石川先生

多くの医院が扱うようになってきましたので、標ぼう科目というより、「簡易ポリグラフィー検査」や「簡易ポリグラフ検査」といったキーワードで調べてみてください。

編集部編集部

専門医院でなくとも検査が受けられるのですね?

石川先生

はい。睡眠時無呼吸症候群は、交通事故などの原因として、にわかに注目を集めてきました。受診や相談件数の増加を受けて、各医療機関でも取り扱うようになってきたのでしょう。

ひとたび使うと手放せなくなる「CPAP」療法とは

編集部編集部

睡眠時無呼吸症候群は治るのでしょうか?

石川先生

治ります。まず、大前提として、生活習慣を見直してみましょう。不規則な生活や寝る前の飲酒などが関係していることもあります。次に、代表的な治療方法として「CPAP(シーパップ)」を試みます。

編集部編集部

「CPAP」とは何ですか?

石川先生

特殊なマスクを使った、鼻から空気を送る治療法のことです。この機器は、呼吸が止まりそうになると自動的に察知し、圧力のかかった空気を送り込んでくれます。ただし、「CPAP」は対症療法であり、睡眠時無呼吸症候群の根本原因までは取り除いてくれません。

編集部編集部

保険適用の有無と費用概算を教えてください。

石川先生

「CPAP」は、睡眠時無呼吸症候群が「重症」と診断されると保険適用となります。その費用は3割負担の方の場合で、月額4,500円程度です。なお「中等症」でも、精密検査を交えた総合的な判断により、保険適用となる場合があります。なお、「軽症」以下は要観察です。

編集部編集部

検査費用についてもお願いします。

石川先生

自覚のある方や家族から指摘された方の場合、保険適用となります。その検査費用は、「簡易ポリグラフィー(簡易ポリグラフ)」が保険の3割負担で約2,700円精密検査が保険の3割負担で約10,000円です。

編集部編集部

「CPAP」の効果は、自分でわかるのでしょうか?

石川先生

多くの方が、「ぐっすり眠れるようになった」「体調が良くなった」と感じられるため、手放せなくなるようです。この場合、原則として一生涯、継続使用していきます。なお、マスクに慣れない方が、一定割合でいらっしゃいます。そうなると、生活習慣の見直しなどで対処していくしかありませんね。

編集部編集部

軽症で「CPAP」の保険適用を受けられない人は、どうしたらいいのでしょう?

石川先生

やはり、生活習慣の見直しや、運動する習慣などを取り入れるといいでしょう。どうしても気になるようなら、一部の歯科医院で扱っているマウスピース療法を検討してみてください。

編集部編集部

「CPAP」以外の治療方法はあるのですか?

石川先生

扁桃(へんとう)の肥大によって喉の圧迫が起きている場合は、外科手術で摘出することもあります。それ以外の症例で、わざわざ効果のある「CPAP」を使わないという選択肢は、ありえないでしょう。

睡眠障害は「太っていない人」にも起こりえる

編集部編集部

睡眠時無呼吸症候群は、どんな人がなりやすいのですか?

石川先生

主に、生活習慣先天的な体質に分けられます。生活習慣としては、「喫煙」「飲酒」「肥満」と、それによる「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などです。先天的な要因は、十分な気道を確保しづらい体質で、「短い首」「小顔」「大きな舌」などが関係してきます。

編集部編集部

改めて、睡眠時無呼吸症候群の危険性とは?

石川先生

やはり、呼吸が止まってしまうことですね。また、高血圧を合併することで、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高まるとされています。睡眠時無呼吸症候群の治療は、生活習慣病の予防にもつながります。心当たりのある方は、年齢にかかわらず、検査をしてみてください。

編集部編集部

市販されているグッズの効果はどうなのでしょう?

石川先生

鼻の穴を広げるクリップのようなグッズのことですね。使ってみて効果があれば、否定はしません。ただし、受診はしておいたほうがいいでしょう。正しい情報を得たうえでどうするかは、患者さんの自由です。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

石川先生

ぜひ、知っておいていただきたいのは、「睡眠時無呼吸症候群の検査が簡単にできるようになったこと」です。検査してみること、見つけることに意味があります。もしかしたら、「CPAP」療法により、生活の質が劇的に変化するかもしれません。重大な事故につながりかねない病状ですから、この機に、検討してみてください。

編集部まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや呼吸が止まった「回数」が関係してくるのでした。とりあえず、いびきをかいていたら、検査してみたほうが良さそうですね。石川先生によると、「CPAP療法」を開始して、初めて本来の自分、元気な自分に気づいた人もいるそうです。睡眠障害の自覚が難しいことを示すエピソードといえるでしょう。

医院情報

善行団地石川医院

善行団地石川医院
所在地 〒251-0877 神奈川県藤沢市善行団地3-16-1
アクセス 小田急電鉄江ノ島線「善行」駅 徒歩10分
診療科目 内科・小児科・循環器内科