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「熱と関節痛」の原因は?風邪とインフルエンザの見分け方も医師が解説!

熱と関節痛があると、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
関口 雅則

監修医師
関口 雅則(医師)

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浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

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熱と関節痛がある症状で考えられる病気と対処法

「熱と関節痛」が現れる場合、感染症や自己免疫疾患などさまざまな原因が考えられます。一見軽く見過ごしがちですが、放置すると重症化や重大な病気を見逃す恐れもあるため注意が必要です。本記事では、主な原因疾患や早めのセルフケア、受診のポイントを解説します。

熱と関節痛がある症状で考えられる原因と対処法

熱と関節痛が同時に現れる場合、全身の炎症や感染症が原因であることが多く、だるさや筋肉痛、発疹、リンパ節の腫れなどを伴うことがあります。まずは安静にして水分を摂り、消化の良い食事を少量ずつ取り、市販の解熱鎮痛剤を適切に使用することが有効です。 主な原因はウイルス感染症(風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルスなど)、細菌感染症(化膿性関節炎、ライム病など)、自己免疫疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス)、稀に悪性腫瘍や薬剤アレルギーも含まれます。 これらの症状が数日以上続く、高熱や強い倦怠感、関節の腫れや赤み、発疹、息苦しさを伴う場合は早めに内科を受診し、必要に応じてリウマチ科や整形外科に紹介されます。意識障害や呼吸困難、激しい腫れや痛みがある場合は緊急受診が必要です。

熱と関節痛があり、喉が痛い症状で考えられる原因と対処法

熱と関節痛に喉の痛みを伴う場合、多くはウイルス性の上気道感染症(風邪、インフルエンザ、新型コロナなど)が原因で、咳や鼻水もよく見られます。細菌性の溶連菌感染症や急性扁桃炎も原因となる場合があり注意が必要です。 対処には室内の湿度保持やうがい、水分補給、十分な休養が大切です。食事は喉越しの良いものにし、痛みが強ければのど飴やぬるま湯も有効です。 多くは内科や耳鼻咽喉科で対応できますが、水分摂取が困難、呼吸が苦しい、高熱や全身状態の悪化がある場合は早めの受診が望まれます。

熱と関節痛・下痢の症状で考えられる原因と対処法

熱と関節痛に下痢が加わる場合、ウイルス性・細菌性胃腸炎や食中毒など腸管感染症が主な原因です。腹痛や嘔吐、強い全身疲労もみられることが多く、インフルエンザや新型コロナ感染でも消化器症状が現れる場合があります。 自宅では安静を保ち、水分・電解質をしっかり補給しながら、消化に良いものを少量ずつ摂取するのが大切です。下痢止めは無理に使わず、体調に合わせて自然治癒を待ちましょう。 高熱や頻回の下痢や嘔吐、意識障害があるときは脱水や重症感染の可能性があるため、すぐに内科や消化器内科を受診してください。症状が長引いたり悪化したりする場合も早めの診察が必要です。

関節痛と発熱・寒気がする症状で考えられる原因と対処法

関節痛と発熱に寒気が加わる場合、インフルエンザや新型コロナなどのウイルス感染症、敗血症や化膿性関節炎などの細菌感染症が主な原因です。これらは急激な高熱や激しい関節痛、全身の倦怠感などが特徴で、重症化することもあるため注意が必要です。 症状が出たらまず安静を保ち、水分補給と体温管理を徹底しましょう。改善しない場合や、呼吸困難や意識障害、関節の強い腫れや痛みがみられる場合は、内科やリウマチ科、整形外科への早めの受診が重要です。症状の急激な悪化や長期化がみられる際には、適切な医療機関に相談し、専門的な治療を受けることが大切です。

熱と関節痛・咳の症状で考えられる原因と対処法

熱と関節痛、咳が同時に現れる場合、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症、マイコプラズマ感染症、細菌性肺炎などの呼吸器感染症が主な原因です。これらの疾患では高熱、全身の関節痛・筋肉痛、咳や喉の痛み、強い倦怠感が特徴的で、症状が急激に悪化することもあります。 まずは安静にし、水分補給と適度な湿度を保つことが大切です。のど飴や温かい飲み物で喉の痛みを和らげ、消化の良い食事を少量ずつ摂りましょう。 症状が数日以上続く、呼吸困難や意識障害、血痰がある場合は、内科や呼吸器内科を早めに受診してください。特に高熱や全身状態の急激な悪化がある場合は、重症化のリスクがあるため、速やかな医療機関受診が重要です。

熱は高くないが関節痛はある症状で考えられる原因と対処法

熱が高くなくても関節痛が続く場合は、感染症の初期や慢性関節リウマチ・全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患が疑われます。こうした病気では関節のこわばり・腫れ・動かしにくさが特徴で、時には微熱や倦怠感を伴うこともあります。 まずは安静にして水分補給を行いましょう。痛みが強い時は患部を冷やすか温めるかは痛みの感じ方で調整し、市販薬を一時的に使う場合も用法用量を守って下さい。自己判断での長期利用は避け、症状が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。 受診先は内科が基本ですが、関節症状が強い場合や慢性化している場合は整形外科やリウマチ科も検討して下さい。関節の腫れ・こわばりが日常生活に影響する場合は専門的な検査を受け、早期治療を目指すことが大切です。

夏に熱と関節痛がある症状で考えられる原因と対処法

夏に発熱と関節痛が現れる場合、夏風邪を含むウイルス感染症が主な原因です。発熱、関節痛、筋肉痛、喉の痛みや咳、倦怠感、下痢や腹痛、発疹などがみられ、エンテロウイルスやアデノウイルスによるプール熱、手足口病、ヘルパンギーナ、デング熱などが挙げられます。 症状があるときは涼しい場所で安静にし、水分や電解質をこまめに補給しながら、消化に良い食事と十分な休養を心がけましょう。高熱や強い関節痛、発疹、脱水、意識障害や呼吸苦がある場合は、早めに医療機関を受診してください。特に海外渡航歴がある人は診療時に必ず伝えましょう。

【女性】熱と関節痛がある症状で考えられる病気と対処法

女性に発熱と関節痛が現れる場合、その原因は感染症、ホルモンバランス、自己免疫疾患などさまざまです。妊娠初期や生理中など、女性特有の状況で症状が現れたときは原因や対処法を知り、必要に応じて受診を検討しましょう。

妊娠初期に熱と関節痛がある症状で考えられる原因と対処法

妊娠初期に熱と関節痛がみられる場合、微熱はホルモンバランスの変化や基礎代謝の上昇による正常な反応として多くみられますが、関節痛や38℃以上の高熱、喉の痛み・咳などが加わる場合はインフルエンザや新型コロナ、リンゴ病などの感染症が主な原因として考えられます。 応急処置としては、まず安静にして水分補給と消化に良い食事、適度な体温調節を心がけましょう。自己判断で市販薬は使わず、必ず産婦人科や内科を早めに受診してください。高熱や強い関節痛、息苦しさ、意識障害、出血など重症症状があれば緊急受診が必要です。

生理中に熱と関節痛がある症状で考えられる原因と対処法

生理中に熱と関節痛が現れる場合、ホルモンバランスの急激な変化や炎症反応、血行不良が主な原因です。この時期はプロゲステロンやエストロゲンの増減で関節や筋肉の痛み、微熱、倦怠感、むくみが起こりやすく、冷えやストレスも症状を増幅します。 対処法としては、体を温める(入浴やカイロ)、栄養バランスの良い食事、軽いストレッチや運動、十分な睡眠を心がけましょう。痛みが強い場合は市販の鎮痛剤の利用も選択肢ですが、長引く場合や日常生活に支障がある場合は、婦人科や内科・リウマチ科の受診をおすすめします。特に高熱や強い痛み、意識障害がある時は早急な受診が重要です。

すぐに病院へ行くべき熱と関節痛がある症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

発熱と関節痛・重篤な全身症状がある場合は、内科へ

熱と関節痛が突然現れ、39℃以上の高熱や関節の激しい腫れ・痛み、呼吸困難、意識障害、頭痛や発疹、水分が摂れない場合は、すぐに医療機関を受診してください。こうした症状は重い感染症や自己免疫疾患、敗血症など命に関わる疾患の可能性があり、早期の診断と治療が重要です。 受診は内科が基本ですが、関節症状が強い場合は整形外科やリウマチ科、妊娠中は産婦人科の受診も検討しましょう。症状の経過や他に伴う症状を詳しく伝えましょう。重症化や合併症を防ぐためにも、自己判断せず早めに専門医を受診してください。

「熱と関節痛がある」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「熱と関節痛がある」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

風邪・感冒

風邪は主にウイルス感染による上気道炎症が起こり、発熱や関節痛、筋肉痛、喉の痛み、鼻水、咳など多彩な症状がみられます。原因はライノウイルスやコロナウイルス、アデノウイルスなどです。大半は自然治癒しますが、安静・十分な水分補給が大切です。高熱が続く、食事や水分が取れない、強い倦怠感がある場合は内科への受診を検討しましょう。

インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザウイルス感染による全身症状で、急激な発熱(38℃以上)、関節痛・筋肉痛、咳、喉の痛み、頭痛、強い倦怠感が特徴です。高齢者や持病のある方は肺炎など重症化しやすいため注意が必要です。治療は抗インフルエンザ薬が有効で、早期受診が重要です。高熱や全身症状が強い場合は内科や発熱外来での診察が適切です。

新型コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は発熱、関節痛・筋肉痛、咳、喉の痛み、味覚・嗅覚異常など多様な症状が現れます。重症例では呼吸困難や意識障害も認められるため、症状が強い場合は医療機関へ早急に相談しましょう。感染拡大状況によっては、発熱外来や保健所の指示に従い受診を行ってください。

白血病

白血病は血液のがんで、発熱や関節痛、全身倦怠感に加えて貧血、出血斑、リンパ節腫脹、感染症にかかりやすくなるなど多彩な症状がみられます。通常の風邪やインフルエンザと異なり、長期間にわたる体調不良や著しい体力低下、皮膚症状を伴う場合は血液内科の受診が勧められます。早期発見が治療成績の向上につながるため、いつもと違う症状が続く場合には早めの受診をして下さい。

関節リウマチ

関節リウマチは免疫の異常による慢性炎症性疾患で、朝の関節のこわばり、発熱、関節痛・腫れが特徴です。進行すると関節運動障害や全身症状を伴い、自己判断で放置すると日常生活に大きな支障が出ます。早期にリウマチ科や整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。 これらの病気はいずれも、発熱と関節痛を伴いながら全身症状が強く現れる場合が多いため、症状が強い・長引く・他の臓器症状を伴う場合は早めに医療機関へ相談しましょう。

熱と関節痛があるときの正しい対処法は?

安静と十分な休息、水分補給を心がけ、体は冷やしすぎず温度管理しましょう。関節痛には温かいタオルでの温熱や、軽いストレッチが有効ですが、高熱や強い倦怠感では入浴や長時間の温熱は避けてください。解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェン)の市販薬は用法・用量を守り、持病がある方は医師や薬剤師に相談して下さい。総合感冒薬や漢方薬が効く場合もありますが、長期使用や併用には注意が必要です。 症状が1週間以上続く、急速に悪化する、呼吸困難や強い頭痛・意識障害がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。安静にして休息を十分にとり、水分補給も忘れず行いましょう。関節痛が辛いときは、患部を温めるか軽いストレッチで緩和できますが、高熱時は入浴や温熱は避けて下さい。 解熱鎮痛剤など市販薬の使用も有効ですが、用法は必ず守りましょう。症状が重い、長引く、悪化する場合は早めに医療機関を受診して下さい。

「熱と関節痛がある」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「熱と関節痛がある」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

風邪をひくと発熱と同時に関節が痛くなるのはなぜでしょうか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

風邪にかかったとき、ウイルスや細菌を排除するために免疫反応が活発化し、炎症性物質(サイトカインやプロスタグランジン)が体内に多く分泌されます。この物質が脳の体温調節中枢に働きかけて発熱を促すと同時に、全身の関節や筋肉にも作用し痛みをもたらします。そのため、風邪やインフルエンザのときに関節痛が起こるのは、体が病原体と戦っている証です。

熱が出て体の節々が痛いときは何科の病院に行くべきですか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

基本的には内科への受診が適しています。呼吸器症状や喉の痛みも伴う場合は耳鼻咽喉科、関節の腫れや赤み、激しい痛みがあれば整形外科やリウマチ科も適切です。特に高熱や強い全身症状がある場合は、早めの医療機関受診をおすすめします。

38度の熱と関節痛がつらいとき、市販の風邪薬を飲んでも良いでしょうか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

一般的な風邪や軽症であれば、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)や総合感冒薬を正しく使うことで症状緩和が期待できます。ただし、持病がある方や妊娠中の方、症状が長引く・急激に悪化した場合は自己判断せず医師に相談してください。

微熱と関節痛の症状で風邪かインフルエンザか見分ける方法はありますか?

関口 雅則医師関口 雅則医師

一般に風邪は微熱や軽度の関節痛、喉や鼻の違和感が中心ですが、インフルエンザでは38℃以上の高熱や強い関節痛・全身倦怠感が急激に出現するのが特徴です。発症初期は判断が難しいこともありますが、症状が急変し日常生活へ支障が出る場合や、感染流行期には早めに医療機関で診断・検査(インフルエンザ迅速検査など)を受けるのが安心です。

まとめ 熱と関節痛があるときは無理をせず早めの休養と受診を

発熱や関節痛がある場合は、まずしっかりと休息をとり、水分補給と体を冷やしすぎない工夫で体調回復に務めることが大切です。症状が軽いうちは市販の解熱鎮痛剤などを上手に使いながら自宅での安静が基本ですが、高熱や激しい痛み、呼吸困難や意識障害、発疹などがある場合は放置せず、早めに医療機関を受診することが重要です。体調が悪いときほど無理をせず、適切なセルフケアと早期の専門的対応で重症化を防ぎ、安心した日常生活への復帰を目指しましょう。

「熱と関節痛」症状で考えられる病気

「熱と関節痛がある」から医師が考えられる病気は18個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

感染症系の病気

免疫・膠原病・リウマチ系の病気

血液・腫瘍系の病気

消化器系の病気

  • 炎症性腸疾患関連関節炎(潰瘍性大腸炎、クローン病に伴う関節症状)
「熱と関節痛がある」症状は、感染症から自己免疫疾患まで幅広い病気が背景にあります。症状が続く、繰り返す、他の異常(皮疹、倦怠感、呼吸困難など)を伴う場合は、早めに内科やリウマチ・膠原病科を受診し、早期診断と的確な治療を受けることが大切です。

「熱と関節痛がある」に似ている症状・関連する症状

「熱と関節痛がある」と関連している、似ている症状は12個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 全身倦怠感、疲労感
  • 微熱の持続
  • 頭痛
  • 咽頭痛
  • 鼻水・くしゃみ・咳
  • 発疹・皮膚症状
  • 朝の関節のこわばり
  • リンパ節の腫れ
  • 下肢痛・背部痛
  • 悪寒・震え

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