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「体調不良で脂汗が出る」のはなぜだかご存知ですか?考えられる病気を医師が解説!

「体調不良で脂汗が出る」のはなぜだかご存知ですか?考えられる病気を医師が解説!
体調不良で脂汗が出る時、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

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「体調不良で脂汗」の症状で考えられる病気と対処法

通常の発汗は、運動をして体があったまった時や気温が上がることで汗をかきます。しかし、通常の汗と違い、体調が悪くなったときに汗をかく時があります。この症状を冷や汗や脂汗と表現することがあります。このような症状は、調子が悪く血圧が下がった時や低血糖の時、痛みが強い時などで起こりやすいです。

体調不良で脂汗が出てめまいがする症状で考えられる原因と対処法

めまいはぐるぐる回るような「回転性めまい」とふわふわする「非回転性めまい」に分けられます。「回転性めまい」は良性発作性頭位めまい症やメニエール病などの内耳性のめまいで起こることが多いです。症状が強い場合には、吐き気や嘔吐などを伴うこともあります。この時に強い症状があれば、冷や汗、脂汗を伴うこともあります。 「非回転性めまい」は、さまざまな病気で起こります。脳卒中で起こる場合には、しびれや体の動かしづらさ、言葉が出ないなど他の症状が出ることがあります。貧血や低血圧により、めまいがある時は、立ち眩みやふらつきを伴うことが多いです。この時に、冷や汗がみられることもあります。 このようなめまいの症状が起こった場合には、安静で落ち着くのであれば安静にして様子を見ましょう。しかし、症状の改善が無かったり、症状が強い場合には内科もしくは耳鼻科を受診しましょう。

体調不良で脂汗が出て腹痛がする症状で考えられる原因と対処法

腹痛は胃・十二指腸潰瘍や腸炎、憩室炎、虫垂炎など腹部の病気で起こります。この時に腹痛が強いと、痛みにより交感神経が亢進し、その後に血管迷走神経反射により冷や汗、脂汗が出たり、目の前が暗くなり失神をきたすこともあります。腹痛があり、脂汗が出るほどの場合、早急に医療機関を受診しましょう。消化器内科を受診することをお勧めします。万が一、動けないほどの強い痛みであれば、救急外来受診や救急車の要請を検討しましょう。

体調不良で脂汗が出て吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

吐き気が強い場合、冷や汗や脂汗を伴う場合もあります。吐き気は急性胃腸炎や胃炎、その他の胃腸の病気などでみられます。嘔吐の後に症状が治まるのであれば、消化の良いものを食べて様子を見ましょう。吐き気が持続する場合には、消化器内科を受診しましょう。

体調不良で脂汗が出て臭いもある症状で考えられる原因と対処法

過度の緊張やストレスで調子が悪い時に冷や汗が出る場合があります。手のひらやわきの下、顔などに汗をかきやすいです。このような汗は、臭いを伴うことも多いと言われています。ストレスや緊張をなるべく避け、リラックスした状態にすることが一番の解決法です。深呼吸をして一呼吸置くようにしましょう。汗をそのまま放置すると、臭いの原因となることもあります。汗を拭きとるようにしましょう。

体調不良で脂汗が出て動悸もする症状で考えられる原因と対処法

体調が悪く、動悸がして脂汗が出る場合、貧血や低血圧が起こっている可能性があります。貧血が起こると、脈が速くなり動悸を感じたり、めまいや冷や汗などの症状が起こります。何らかの原因で血圧が下がっている場合にも、脈拍が早くなったり冷や汗を伴うことも少なくありません。調子が悪く、冷や汗、脂汗を伴い、動悸などの症状が持続する場合には早急に医療機関を受診することをお勧めします。まず、内科を受診して相談するのが良いでしょう。

すぐに病院へ行くべき「体調不良で脂汗」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

脂汗をかき、腹痛の症状がある場合は、消化器内科科へ

腹痛があり、脂汗を伴う強い症状である時には、早めに消化器内科を受診しましょう。胃・十二指腸潰瘍であったり、虫垂炎や憩室炎などの腸管の炎症を伴う病気の可能性があります。早急に消化器内科を受診するのが良いでしょう。夜間であったり、動けないほどの痛みの場合には救急外来の受診や救急車の要請も検討しましょう。

受診・予防の目安となる「体調不良で脂汗」ときのセルフチェック法

・強い腹痛症状がある場合
・動悸の症状がある場合
・強いめまい症状がある場合

「体調不良で脂汗」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「体調不良で脂汗」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

自律立神経失調症

自律神経失調症とは、明らかな病気が無いにも関わらず自律神経のバランスが崩れることで不調がおこっている状態を指します。自立神経とは、呼吸や血液循環、消化、排泄など人間の生命維持に必要な機能を自分の意思と関係なく自動的に調整している神経です。自律神経は交感神経と副交感神経の二つで構成されています。交感神経は、体の働きを活発にする神経で興奮したときに優位になります。副交感神経は、体を休ませる神経で体がリラックスしているときに優位になります。この2つの神経がバランスを取りながら、体の働きの調整をしています。この神経のバランスが崩れると、めまいや倦怠感、動悸、不眠などさまざまな体の不調が起こることがあります。自律神経のバランスが崩れる原因として、過剰なストレスや生活習慣の乱れが考えられます。自律神経失調症を疑った場合、心療内科で相談をしてみましょう。

低血糖

低血糖とは、血液中の血糖値が異常に低くなった状態を指します。健康な方ではおおよそ70mg/dL未満となった状態を指します。低血糖となると、冷や汗や動悸、手の震えなどが起こり、さらに低血糖が進行すると意識がもうろうとしたり、けいれん、意識消失がみられることもあります。低血糖の原因はさまざまです。まず、糖尿病治療に関連したものでは、インスリンの使用量が多かったり、経口血糖降下薬が効きすぎていたり、食事のタイミングのずれや欠食、アルコール摂取などが挙げられます。糖尿病治療と関連しないものでは、食後3~5時間で起こる反応性低血糖や肝障害、薬剤性、インスリノーマなどが挙げられます。低血糖の症状がみられる場合、糖尿病の治療中であれば主治医に、治療中でなければまず内科を受診して相談をしてみましょう。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは白血球の中のリンパ球という細胞ががん化したものです。この悪性リンパ腫の症状としては、リンパ節の腫れ、高熱、食欲低下、体重減少、発汗などです。この汗の症状は、眠っているときにかきやすく、いわゆる寝汗で‘盗汗’とも呼びます。このような症状が出たときには、まず内科、血液内科を受診しましょう。

甲状腺機能亢進症

甲状腺でホルモンが多くつくられすぎる場合、この状態を甲状腺機能亢進症といいます。甲状腺機能亢進症をきたす病気の一つがバセドウ病です。バセドウ病は自己免疫疾患の一つです。下垂体で分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が甲状腺のTSH受容体を刺激することで甲状腺ホルモンが分泌されます。バセドウ病では、このTSH受容体を刺激する抗体が体内で作られることで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。甲状腺機能亢進症が発症すると、交感神経系の活動が活発になり、動悸、体重減少、手の震え、汗をかきやすいなどの症状が現れます。このような症状がみられた場合には、内科、内分泌内科を受診しましょう。

「体調不良で脂汗」の正しい対処法は?

体調不良で脂汗をかく場合、さまざまな原因があるため対処方法は原因により異なります。腹痛に伴う脂汗であれば、早めに消化器内科を受診するのが良いでしょう。めまいに伴う脂汗で、体を動かすことで症状が悪化する場合には横になり安静にしていることが勧められます。しかし、症状がよくならず吐き気を伴ったり、しびれや麻痺など他の症状が起こる場合には早急に病院を受診することをお勧めします。また、動悸を伴い脂汗をかき、安静にしてすぐに改善するようであれば良いですが、症状が持続する場合には内科を受診しましょう。

「体調不良で脂汗」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「体調不良で脂汗」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

体調不良で脂汗が出るのは病気ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

体調不良で脂汗が出る原因はさまざまですが、脂汗が出るほどの調子の悪さの場合、痛みがあったり、血糖値が下がったり、血圧が低くなったりと何かの病気がある可能性があります。症状が続く場合には、早めに病院を受診しましょう。

体調が悪く脂汗が止まらないのは病気ですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

体調が悪く脂汗が止まらない場合には、何かしらの重篤な病気がある可能性があります。低血糖や血圧低下、どこかの強い痛みなどにより交感神経の活動が亢進し、その後に迷走神経反射が起こり脂汗が出ます。脂汗が止まらなくなる場合、この不調が持続していることが考えられ、不調の原因となる病気を調べる必要があります。早めに医療機関を受診しましょう。

脂汗のような汗が出て止まらないのは自律神経が関係していますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

脂汗をかくことは、自律神経が影響している可能性が高いです。何か体に大きくストレスがかかる時に交感神経の働きが異常に亢進してしまい、その結果脂汗をかくようになります。交感神経は自律神経の一つであり、自律神経のバランスが崩れることで脂汗をかくようになるといえます。

まとめ 体調不良で脂汗をかくのは、重大な病気の可能性あり

脂汗をかくというだけでは、診断はつきません。しかし、低血糖や血圧低下、痛みなど何かしらの体へのストレスがかかり脂汗をかく症状が起こっているといえます。このため、症状が続く場合には、原因を調べるために病院を受診することが必要です。脂汗をかくということは、それだけストレスが多いと考えられ、特に持続する場合には早めに医療機関を受診することをお勧めします。内科を受診して相談するのが良いでしょう。

「体調不良で脂汗」症状で考えられる病気

「体調不良で脂汗」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

耳鼻科系の病気

  • 内耳性めまい

内科系の病気

消化器系の病気

  • 急性腹症

内分泌系の病気

心療内科の病気

血液系の病気

体調不良で脂汗をかく可能性がある病気はさまざまあります。症状のみでは、区別がつかないため症状が持続する場合には医療機関を受診し、相談をしてみましょう。

「体調不良で脂汗」に似ている症状・関連する症状

関連する症状

体調不良で脂汗をかき、上記のような症状を伴う場合、何かしらの病気がある可能性があります。特に、症状が持続する場合には注意が必要です。内科でまず相談をしてみましょう。