「眠れないまま朝」を迎えてしまった時の対処法はご存知ですか？医師が徹底解説！

眠れないまま朝になる等寝れないときはどうすべき？Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
今村 英利（いずみホームケアクリニック）

「眠れないまま朝になる」症状で考えられる病気と対処法

何かに夢中になっていたら寝ずに朝を迎えた…という経験が誰しもあるかもしれません。この症状が病気で起こることもありますが、どのような病気が考えられるのでしょうか。解説していきましょう。

毎日眠れないまま朝になる症状で考えられる原因と対処法

毎日眠れずに朝になってしまう、昼夜逆転している、寝ている時に何かしらの症状があり眠れない、眠りすぎてしまうなどの眠りに関する不調をまとめて睡眠障害といいます。
睡眠障害には不眠症、過眠症、概日リズム睡眠覚醒障害、睡眠呼吸障害、睡眠関連運動障害、睡眠時随伴症などに分類されます。程度もひとそれぞれですが、多くは日常生活に支障がでてくるため、正しい診断と適切な治療が必要です。睡眠呼吸障害では、睡眠時無呼吸症候群などが含まれますが、放置していると動脈硬化の原因となり致命的な病気（脳卒中、心筋梗塞など）を合併することもあります。眠りに関して問題がある場合には、一度睡眠外来を受診して相談してみましょう。

眠れないまま朝になって吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

睡眠障害の中で最も多い不眠症ですが、不眠症の中にも寝つきが悪い入眠障害、眠りが浅く途中で目が覚めて眠れない中途覚醒、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒などがあります。眠りの質が低く、吐き気やだるさ、日中の意欲低下・集中力低下、食欲低下などを起こします。一時的な夜ふかしだけであれば1週間程度で睡眠サイクルが戻ることもありますが、ストレスや精神疾患、薬剤性などが原因の場合や、慢性化している場合にはセルフケアだけでは改善することは難しくなります。セルフケアや市販の睡眠導入剤で改善がない場合には、不眠症外来や精神科にご相談いただくのがよいでしょう。

中学生や高校生で眠れないまま朝になる症状で考えられる原因と対処法

睡眠相後退症候群は高校生ごろに発症しやすく、ゲームなどに熱中し朝まで寝ず、午後まで寝ている（極端な遅寝遅起き）ことで睡眠パターンが固定してしまいます。夜に眠れず午前中に起きても眠くなってしまい、遅刻や欠席などの学業に支障をきたし、社会生活不適応の原因となることもあります。パターンが固定してしまうとなかなか自分で治すのが難しい場合もありますし、専門家の適切なアドバイスに基づく生活指導や高照度光療法などが必要になることもあります。

生理中に眠れないまま朝になる症状で考えられる原因と対処法

生理前や生理中は月経前症候群の一症状として、睡眠障害を起こすことがあります。眠りが浅くなり眠れない、日中に強い眠気が出てしまうなどの症状を起こします。まずは、月経との関連があるのかどうか周期性をチェックしましょう。生理前には日中に光を浴びて体内のリズムを整え、寝る前はスマートフォンをいじらない、カフェインを取らないなどの対策をしてみましょう。辛い不眠がある場合には市販の睡眠薬なども試してみるのもよいかもしれません。セルフケアで改善しない場合や月経前症候群による症状が強い場合には低容量ピルなどが効果的であることもあります。生理周期との関連性がありそうな場合には産婦人科で相談してみましょう。

すぐに病院へ行くべき「眠れないまま朝になる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

慢性的な症状の場合は、睡眠外来へ

眠れない症状が長期間続いて、日中に日光を浴びる、寝る前のカフェイン摂取を控える、スマホやゲームをいじるのをやめるなどを工夫しても睡眠障害が改善されない場合には、睡眠外来をご受診ください。生活指導だけではなく、睡眠障害の原因によっては薬剤治療なども必要になることもあります。

受診・予防の目安となる「眠れないまま朝になる」ときのセルフチェック法

• ・眠れないまま朝になる以外にだるい、吐き気などの症状がある場合
• ・眠れないまま朝になる症状が続く場合
• ・生理周期に伴って眠れないまま朝になる症状がある場合

「眠れないまま朝になる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「眠れないまま朝になる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不眠症

不眠症は国民病と言われており、成人の30-40%が何らかの不眠症状を持っているといわれています。ストレス、精神疾患、神経疾患、アルコール、薬の副作用など多くの原因が不眠症の原因になります。原因や背景疾患によって不眠症に対する治療法も異なります。生活習慣を整えることで改善しない場合には、医師に相談してみましょう。薬を飲むことを躊躇される方もいらっしゃいますが、適切な薬剤を飲むことで睡眠の質が劇的に改善することもあります。

睡眠障害

不眠症を含む睡眠に関連した多くの症状、病気の総称を睡眠障害といいます。上で解説した不眠症以外には、いくら寝ても日中に過剰な眠気が起こる病気である過眠症や睡眠中に足がむずむずして眠れないむずむず脚症候群、睡眠時無呼吸症候群、睡眠中にも関わらず体が動いて活動する夢遊病などの睡眠時随伴症候群などがあります。
これらの病気はなかなかセルフケアでは改善せず、適切な診断と個別の治療が必要になります。

「眠れないまま朝になる」ときの正しい対処法は？

眠れない時のセルフケアとしては以下を試してみましょう。

• ・同じ時間に布団に入り、朝になったら起きる
• ・日光を浴びる
• ・日中寝る時には昼寝は30分程度にする
• ・睡眠時間にこだわらず、すっきり眠れればよしとする
• ・できれば午後に軽く汗ばむ程度に有酸素運動をする（寝る前の激しい運動は逆効果）
• ・アロマやヨガなど自分なりのリラックス方法をもつ
• ・寝酒をしない、カフェインを取らない
• ・部屋を暗くしたり、20℃前後の適温、湿度40-70%程度の快適な環境づくり
• ・寝る前や布団の中でスマホをいじらない

まとめ

朝まで眠れない症状がある時に考えられる病気について解説しました。普段の睡眠習慣を整えていただくことと、適切な病院受診がポイントになります。ぜひ記事を参考にしていただければと思います。

「眠れないまま朝になる」症状で考えられる病気

「眠れないまま朝になる」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

まずは普段の睡眠習慣を見直して整えてみることから始めましょう。

「眠れないまま朝になる」に似ている症状・関連する症状

「眠れないまま朝になる」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください

「眠れないまま朝になる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「不眠症」「睡眠障害」「急性ストレス障害」「過眠症」「うつ病」「ナルコレプシー」「むずむず脚症候群」「月経前症候群」「妊娠」「更年期障害」「睡眠相後退症候群」などの疾患の可能性が考えられます。症状が長引く場合には、早めに医療機関を受診しましょう。