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「眠れない(不眠症)」と感じることはありませんか?医師が原因も解説!

眠れない

夜眠れないときや寝つきが悪いときには、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる原因や対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

マイマイテイリ イマム

監修医師
マイマイテイリ イマム(新宿アイランド内科クリニック 院長)

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医師、医学博士。2009年新疆医科大学を卒業し、中国医師免許取得。2014年10月に血液悪性腫瘍の研究を志して、神戸大学大学院に入学。2019年3月に医学博士号と日本医師免許を取得。赤穂市民病院、亀田総合病院などを歴任後、2022年2月新宿アイランド内科クリニック院長に就任。内科全般の疾患を幅広く診療している。

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「眠れない(不眠症)」症状で考えられる病気と対処法

寝ることは毎日のことですが、眠れない、眠りが浅いなど、悩みをかかえる方は多く、まさに現代病といえます。今回は不眠症で考えられる病気について解説します。

疲れているのに眠れない症状で考えられる原因と治し方

自律神経系には緊張している時に優位となる交感神経とリラックスしている時に優位になる副交感神経とがあります。疲れすぎていると、副交感神経が優位となるのではなく、交感神経が優位になることがあります。この場合にはまずは、交感神経を副交感神経に切り替える必要があります。身体や心の緊張をほぐすことが重要です。リラックスして過ごしましょう。

イライラして眠れない症状で考えられる原因と治し方

イライラは交感神経優位の状態です。まずはイライラの原因から離れ、除去するようにしましょう。
深い呼吸は自律神経を整える作用があります。ゆっくり深い呼吸をして、副交感神経を優位にしましょう。

寝付けない、寝付くまでに時間がかかって眠れない症状で考えられる原因と治し方

寝る前にコーヒーなどでカフェインを摂取していませんか?敏感な人は寝る前5-6時間前から控えるほうがよさそうです。
また寝る前のスマートフォンやテレビなどの電子機器の使用も控えましょう。
それでも寝付けない時には、一度病院で相談してみましょう。睡眠薬の中でも入眠をサポートする睡眠導入剤が効果的な場合があります。

ぐっすり眠れなくて眠りが浅い症状で考えられる原因と治し方

寝付けるからという理由で睡眠薬がわりにアルコールを飲む方もいらっしゃいますが、寝酒は睡眠の質を落とし、結果的に不眠症の原因になることがあります。寝る前の飲酒は避けましょう。

寝たり起きたりを繰り返して眠れない症状で考えられる原因と治し方

むずむず脚症候群は夕方から深夜にかけて脚の異常な感覚のため寝付けない、寝てもすぐ起きるなどの睡眠障害がでることがあります。
何かしらの病気が背景にある時には治療を行うと睡眠障害が改善することがあります。病院で相談しましょう。

女性が眠れなくなる症状で考えられる主な原因と治し方

更年期の女性の半数が不眠になるといわれています。
更年期症状はなかなかセルフケアだけでは改善しないことが多いので、症状が強い場合には婦人科でご相談ください。

男性が眠れなくなる症状で考えられる主な原因と治し方

更年期というと女性特有と思われるかもしれませんが、実は男性にも男性更年期障害という病気があり、不眠の原因になることもあります。
男性ホルモンが低下すると、不眠だけではなく抑うつ状態や、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームを合併する頻度が高くなります。不眠と共に男性ホルモン低下による症状でお悩みの場合には、泌尿器科でご相談ください。

子どもが眠れなくなる症状で考えられる主な原因と治し方

子どもの睡眠障害の原因として、代表的なものとしては、睡眠時無呼吸症候群があります。扁桃腺が通常より大きいアデノイドが原因で夜間のいびきや無呼吸を起こすと、夜眠れないので、日中に強い眠気や、多動、衝動行為、学習障害などを起こしてしまいます。まずは、子どもの寝方をよく観察しましょう。気になる症状があれば、早めに小児科や耳鼻咽喉科に相談しましょう。

すぐに病院へ行くべき「眠れない(不眠症)」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

不眠が続き生活に支障がでている場合は、精神科・内科へ

不眠は日常生活に大きな影響を与えます。また不眠がうつ病などの精神疾患や鉄欠乏性貧血などの内科の病気の一症状として出ていることもあります。
放置せずに、不眠が続く場合には、精神科や内科に相談ください。

受診・予防の目安となる「眠れない(不眠症)」のセルフチェック法

  • ・不安が強く眠れないとき
  • ・動悸や息苦しさの症状で眠れないとき、横になれないとき
  • ・脚の違和感が強くて眠れないとき
  • ・不眠が続き日常生活に支障がでているとき

「眠れない(不眠症)」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「眠れない(不眠症)」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不眠症

不眠症とは睡眠に関する問題が1ヶ月以上続き、日中にだるさ、意欲低下、集中力低下などの不調症状がでる病気です。4つのタイプがあり、なかなか寝付けない入眠障害、寝ても途中で起きてしまう中途覚醒、早期覚醒、寝ても熟眠感の得られない熟眠障害があります。
不眠の原因として、ストレスやうつ病などの精神疾患が原因となることもあれば、心不全や貧血などの身体の病気で不眠症が起こることもあります。
まずは自分の不眠症の原因がなぜ起こっているのか知りましょう。

うつ病

睡眠障害がうつ病の初期症状であることがあります。特に寝てもすぐに目覚めてしまう早期覚醒と気分のムラや日内変動(朝は無気力だが夕方にかけて元気がでてくる)の両方がある場合には、早めに精神科を受診しましょう。

高血圧

血圧は睡眠と覚醒などさまざまな体内リズムのもととなるサーカディアンリズムと関連することが知られています。特に夜間高血圧は、睡眠障害を合併することがあり、睡眠時無呼吸症候群などと合わせて、心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳卒中の原因になります。高血圧を指摘されて放置している場合には、まずは内科にご相談ください。

心不全

心不全では心臓の機能が低下しさまざま症状が出ます。
寝ている時に呼吸苦が起こる夜間発作性呼吸困難は心不全に特徴的な症状です。心不全はすぐに治療が必要です。夜に強い症状がある場合には救急を受診しましょう。動けない場合には救急車を呼びましょう。

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群は夕方から夜にかけて、脚を中心に「ムズムズする」などの異常な感覚が出現し、眠りを妨げる原因になります。
鉄欠乏性貧血や腎不全で慢性維持透析を受けている患者さんに起こりやすいと考えられています。基礎疾患の治療を行うことで異常感覚が改善し不眠が治るともあります。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは日中に突然強い眠気がでて、眠ってしまう過眠症を起こす病気です。突然眠気が襲うため、本人も無自覚で寝てしまうことがあります。
ナルコレプシーでは眠りが浅く、不眠となることがあります。診断には睡眠ポリグラフ検査、などの特殊な検査が必要になりますので、睡眠外来などがある病院を受診しましょう。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

PTSD (Post Traumatic Stress Disorder)、心的外傷後ストレス障害は、死の危険に直面した後に、突然のフラッシュバック、悪夢をみてしまい眠れないなどの症状を起こします。通常は一過性ですが、事故などから数ヶ月〜数年経っても症状が残る場合や症状が時間経過と共に悪化する場合もあります。つらい症状がある場合には、精神科を受診して相談しましょう。

「眠れない(不眠症)」ときの正しい対処法は?

夜の過ごし方として、まずは身体を寝る環境に整えましょう。寝る前のカフェイン摂取は入眠を妨げてしまいます。敏感な方は5-6時間前、そうでなくても1-2時間前のカフェイン摂取は控えましょう。眠るための飲酒も避けましょう。
眠れないからといって、携帯電話でメールやゲームをしてしまうと逆効果です。寝る前は使用を控えましょう。 昼寝をしすぎるのも良くありません。30分程度で切り上げましょう。
睡眠の質を改善させる対策としてGABAなどのサプリメントを試してみてもよいかもしれません。ただし、サプリメントで不眠症を改善する効果はまだ証明されたものはありません。ご使用の際は用量用法を守って正しく使いましょう。
睡眠環境を整えることも重要です。寝る2-3時間前にお風呂にゆっくり浸かって、体温が2度ほどあがると深い眠りを得ることができると言われています。
寝る時には電気を消して、朝には日光を浴びましょう。できれば、ベッドに入る時間と起きる時間は一定の方が良いでしょう。バランスの良い食事や運動習慣も良い眠りのためには大切です。生活習慣の一部のみを改善するのではなく、全体的に改善して良い眠りを手に入れましょう。
セルフケアでも睡眠障害が出てしまう場合には、病院にご相談ください。精神疾患や内科疾患で不眠を起こしていることもありますので病院で治療をしましょう。

「眠れない(不眠症)」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「眠れない(不眠症)」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

夜、眠いのに眠れないと焦ってしまいます。病院で治療できますか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

焦って考えすぎて余計に眠れなくなってしまいます。まずは深呼吸して落ち着きましょう。不安が強い場合などには抗不安薬など、病院で治療が可能です。

なかなか眠れず、ストレスを感じるときはどうすべきですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

眠れないことがストレスになっている場合には、睡眠導入薬などでサポートしてあげると改善することがあります。

寝れないときは横になるだけでも回復するというのは本当ですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

横になっているだけでも身体は休まると思いますが、眠れない時に横にならないといけないといったことはありません。むしろ、眠れないのに我慢して寝ることが、不眠の悪循環を起こすこともあるようです 。

音が気になって眠れないのは病気ですか?どう対処すれば良いですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

音は45-50デシベル(図書館の中や静かな住宅地の昼間くらいの静かさ)でも不眠の原因になることがあるため、できるだけ音楽などは消して過ごしましょう 。

暑くて眠れない・寒くて眠れないときはどうすれば良いですか?

マイマイテイリ イマムマイマイテイリ イマム 医師

暑すぎても、寒すぎても眠りを阻害します。寝具などで身体の温度が33℃前後になると睡眠の質の低下がないとされており、快適な温度に調節しましょう。

まとめ

不眠症はさまざまなタイプや病気が原因で起こることが、わかっていただけたと思います。睡眠のために自分で調節できる部分もありますが、睡眠薬などの薬を上手に使うこともぜひためらわず、病院で相談ください。

「眠れない(不眠症)」で考えられる病気と特徴

「眠れない(不眠症)」から医師が考えられる病気は15個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器内科の病気

婦人科の病気

泌尿器科の病気

不眠の症状は、ちょっとしたストレスや疲れなど自分自身で対応可能な原因も多いのですが、医療機関での治療を要する病気が背景となっていることもあります。

「眠れない(不眠症)」と関連のある症状

「眠れない(不眠症)」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「眠れない(不眠症)」症状の他に、これらの症状がある場合も「うつ病」「鉄欠乏性貧血」「心不全」「更年期障害」「前立腺肥大症」などの疾患の可能性が考えられます。
症状がなかなか改善しない場合は、早めに医療機関への受診をおすすめします。