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「かゆくないしもやけ」は単なる冷えではない? 指先の変色や不調の正体を医師が解説!

「かゆくないしもやけ」は単なる冷えではない? 指先の変色や不調の正体を医師が解説!

かゆくないしもやけで、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

池澤 優子

監修医師
池澤 優子(あい皮ふ科・アレルギー科クリニック)

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順天堂大学医学部卒業。横浜市立大学皮膚科助教、茅ヶ崎市立病院皮膚科部長を歴任後、神奈川県横浜市、あい皮ふ科・アレルギー科副院長として地域の皮膚科、アレルギー疾患の診療に努めている。医学博士。皮膚科学会専門医、アレルギー学会認定医の資格を有する。

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寒い時期に多いしもやけ(凍瘡)とはどんな症状?

しもやけ(凍瘡)は、寒さなどによって血流が滞ることなどで生じる皮膚の炎症です。
手足の指・耳・かかとなど末端に起こりやすいのが特徴です。
真冬よりも、むしろ初冬や初春に生じやすいとされています。
寒冷刺激により血管が収縮・拡張を繰り返すことで血流が滞り、皮膚や皮下組織に炎症が生じます。
一般的なしもやけでは、以下のような症状がみられることがあります。

  • ・赤紫色の腫れ
  • ・かゆみ
  • ・じんじんする違和感
  • ・軽い痛み

しもやけには、皮膚の変化の出方によって、主に次の2つのタイプがあります。
ひとつは、皮膚が全体的に腫れて、赤紫色に広がるタイプ(T型・樽柿型)です。
指や足先などがむくんだようになり、境目がはっきりしない赤紫色の変化がみられます。
もうひとつは、赤い斑点や発疹がまだらに現れるタイプ(M型・多形紅斑型)です。
こちらは、見た目が多形紅斑という皮膚病に似た発疹が出るのが特徴です

かゆくないしもやけの症状で考えられる病気と対処法

しもやけは症状の出方に個人差があり、「かゆくないから大丈夫」と自己判断してしまうケースもあるかもしれません。
ここでは症状のパターン別に、考えられる原因と対処法を整理します。

かゆみ・痛みがないしもやけの症状で考えられる原因と対処法

しもやけでも、かゆみや痛みがないこともあります。軽度であれば自然に改善しますが、放置すると症状が悪化する可能性もあるため、適切な対処が重要です。
対処法としては、ステロイドの外用薬、ビタミンEの外用や内服などがあります。予防策としては寒冷刺激を避けることがあり、足先や耳などのしもやけになりやすい部分を温める、マッサージすることなどがあります。通常は1〜3週間で治ることが多いですが、なかなか治らない場合には凍瘡状エリテマトーデスなどの自己免疫性皮膚疾患や、下肢の虚血性疾患などとの鑑別が必要となる場合もあります。例えば、冷たい空気などに指がさらされたときに指が突然真っ白、あるいは紫になるレイノー症状と呼ばれる症状が現れるケースもあります。レイノー症状は、全身性強皮症や、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群などでみられることがあります。また、高齢の方や高血圧、糖尿病、喫煙歴のある方では、閉塞性動脈硬化症などの下肢の血流障害によって、しもやけに似た皮膚の変化が現れることもあります。

かゆくないが痛いしもやけの症状で考えられる原因と対処法

一般的なしもやけは、かゆみが主な症状です。しかし、しもやけが重症になると、ときに水ぶくれや潰瘍になってしまうケースもあります。また、痛みが前面に出る場合は、腫れや炎症が強く出ているのかもしれません。あるいは、糖尿病がありもともと足先の血液循環が悪い方では、痛みがなくてもしもやけが重症化しやすいこともあります。また、痛風などの病気も指の腫れや痛みを引き起こします。
痛みが続く場合や、皮膚の症状が悪化する場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。

足の指できたしもやけがかゆくない症状で考えられる原因と対処法

足の指がしもやけのように見えても、かゆみがない場合は、寒さで血流が悪くなり、指に痛みや腫れが出ていることがあります。また、自己免疫疾患が背景にあり、レイノー症状が現れている可能性もあります。また、しもやけに似た皮膚の症状である、凍瘡状エリテマトーデスがみられることもあります。
症状がなかなか改善しないような場合には、皮膚科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「かゆくないしもやけ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

かゆくないしもやけで痛みが強い症状や皮膚の変色が強いときに重症のしもやけや他の病気の可能性あり 皮膚科へ

以下のような場合には、しもやけが重症、あるいは血流障害や感染症、自己免疫疾患が関与している可能性があります。

  • ・色の変化が強く、紫や黒色に見える
  • ・温めても改善しない
  • ・左右差がある
  • ・痛みが強い
  • ・身体の他の症状がある

このような場合には、放置せず、一度皮膚科できちんと診察を受けるようにしましょう。

病院受診・予防の目安となる「かゆくないしもやけ」ができたときのセルフチェック法

  • ・数週間たっても治らない場合
  • ・痛みやかゆみが強い場合
  • ・皮膚の症状とともに発熱や全身倦怠感などが続いている場合

「かゆくないしもやけ」が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「かゆくないしもやけ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

しもやけ(凍瘡)・あかぎれ

しもやけ(凍瘡)は、寒冷環境下で末梢の血流調節がうまくいかなくなり、皮膚に炎症反応が生じることで起こります。気温差が大きい環境で血管の収縮と拡張がうまく調節できなくなることで、手足の指先や足の指、耳たぶなどに赤紫色の腫れが生じます。発症の原因は気温だけではなく、なりやすい方とそうでない方が遺伝的な要因で決まっているのではないかと考えられています。
一般的にはかゆみを伴うことが多いものの、炎症が軽い場合や初期には、かゆみをほとんど感じないこともあります。皮膚が全体的に腫れて赤紫色になるタイプや、赤い斑点がまだらに現れるタイプがあることも報告されています。多くの場合は保温や血行改善といった保存的な対処で自然に軽快しますが、症状が長引く場合や毎年同じ部位に繰り返す場合には、皮膚科を受診して相談すると安心です。

あかぎれ

あかぎれは、皮膚の乾燥や刺激によって皮膚のバリア機能が低下し、亀裂(きれつ)が生じる状態です。冬場の寒さや乾燥、水仕事の多さなどが重なることで起こりやすくなります。
しもやけと同じく寒い時期に多くみられます。あかぎれではかゆみが目立たず、痛みやしみる感覚が中心となることが特徴です。保湿剤によるスキンケアや刺激を避けることで改善することが多いものの、症状が悪化したり、治りにくかったりする場合には皮膚科での治療がお勧めです。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデス(SLE)は、自己免疫の異常によって全身に炎症が起こる病気です。皮膚症状として、寒冷刺激により手足の指が赤紫色に変化したり、しもやけに似た皮疹が現れたりすることがあります。日焼けで強い赤みや水疱がでたり、顔面に対称性に赤みがでたりすることもあります。また、関節痛や倦怠感、発熱など、皮膚以外の症状を同時に認める点が特徴です。皮膚症状だけで判断することは難しいため、全身症状を伴う場合や皮疹が長期間続く場合には、皮膚科や内科、膠原病内科での評価が重要になります。

凍瘡状エリテマトーデス

慢性型エリテマトーデス、つまり主に皮膚に症状が現れる自己免疫疾患があります。凍瘡状エリテマトーデスは、この慢性型エリテマトーデスの一つとして知られ、見た目がしもやけによく似ています。寒い時期に手足の指が赤紫色に腫れ、かゆみが目立たないことも少なくありません。
通常のしもやけと異なり、温かくなっても症状が改善しにくく、毎年繰り返す傾向があります。しもやけとして対処しても改善しない場合には、皮膚科で詳しい検査を受け、必要に応じて専門的な治療を検討します。

強皮症

強皮症は、皮膚や血管、内臓に線維化が起こる自己免疫疾患です。手指や顔などの皮膚を中心に限局して硬化がおこる限局性皮膚硬化型強皮症と、全身の皮膚や臓器の硬化・線維化がおこる、びまん性皮膚硬化型強皮症があります。血管の障害によって手足の指先の血流が悪くなり、冷えると赤紫色や白色に変化することがあります。
かゆみを伴わない皮膚変化として現れることもあり、しもやけとの区別が難しい場合があります。皮膚が硬く感じられる、指が動かしにくいといった症状がある場合には注意が必要です。いずれにしても早期診断と専門的な管理が重要なため、皮膚科や膠原病内科への受診が勧められます。

シェーグレン症候群

シェーグレン症候群は、涙や唾液を分泌する腺が障害される自己免疫疾患で、口や目の乾燥症状が代表的です。一方で、末梢の血流障害を伴い、寒冷刺激によって手足の指が赤紫色になることもあります。
皮膚に赤みなどの変化があるものの、かゆくない場合も多く、乾燥症状や関節の違和感など、ほかの症状と合わせて気づかれることがあります。
症状が続く場合には、皮膚科や内科での相談が重要です。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって下肢の血管が狭くなり、血流が低下する病気です。血流が悪くなることで、足先が冷たく感じたり、皮膚の色が白や紫色に変化したりすることがあり、しもやけに似た症状がみられる場合もあります。
特に、高齢の方や高血圧、糖尿病、喫煙歴のある方では発症リスクが高いとされています。寒さとは関係なく症状が続く場合や、歩行時に足の痛みが出る、皮膚の色調変化が改善しないといった場合には注意が必要です。
しもやけと思っていた症状が改善しない場合には、皮膚科だけでなく、内科や血管外科での評価が必要となることもあります。

「かゆくないしもやけ」の正しい対処法は?

かゆみを伴わないしもやけであっても、基本となる対処は血行を改善し、皮膚を守ることです。急激に温めるのではなく、手袋や靴下で保温し、入浴時にはぬるめのお湯でゆっくり温めることが大切です。また、乾燥を防ぐために保湿剤を使用すると、皮膚のバリア機能の回復が期待できます。
症状がつらい場合には、かゆみを抑えたり、炎症を鎮めたり、あるいは保湿作用をもつ外用薬など、市販薬が役立つこともあります。ただし、自己判断で長期間使用せず、改善が乏しい場合には医療機関を受診しましょう。症状が強い場合には、皮膚科で強めのステロイド外用薬の処方されることもあります。
早く治したいと考える場合こそ、「ただのしもやけ」と決めつけず、皮膚科で相談することが適切な治療につながります。

「かゆくないしもやけ」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「かゆくないしもやけ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

しもやけと似た症状の病気はありますか?見分け方は何でしょうか

池澤 優子医師池澤 優子(医師)

しもやけに似た病気として、強皮症やSLE、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患によるレイノー現象、閉塞性動脈硬化症などが挙げられます。寒さとの関係がはっきりしており、温かくすると徐々に改善する場合はしもやけの可能性が高いと考えられます。一方で、季節に関係なく症状が続く場合や、関節痛・倦怠感など全身症状を伴う場合には、ほかの病気が関与していることもあるため注意が必要です。

しもやけでもかゆくない症状のものもありますか

池澤 優子医師池澤 優子(医師)

はい、あります。しもやけは必ずしもかゆみを伴うとは限らず、炎症が軽い場合や初期の段階では、赤紫色の腫れがあってもかゆみを感じないことがあります。かゆみがないからといって、しもやけではないと判断する必要はありません。

寒さで手足が赤紫色になった場合、しもやけは何日くらいで治りますか?

池澤 優子医師池澤 優子(医師)

軽いしもやけであれば、保温や血行改善などの対処を行うことで、1〜2週間程度で自然に改善することが多いです。ただし、寒さが続く環境では症状が長引くこともあります。2週間以上たっても改善しない場合や、症状が悪化する場合は、医療機関への相談をおすすめします。

しもやけが治らず指が曲がらないのは何科の病院で治療できますか?

池澤 優子医師池澤 優子(医師)

まずは皮膚科を受診しましょう。皮膚科での診察により、しもやけ以外の病気が疑われる場合には、内科や膠原病内科など、適切な診療科への受診をすすめられます。指が動かしにくい、痛みやしびれを伴うといった症状がある場合は、早めの受診が大切です。

まとめ かゆくないしもやけのときは自己判断せず経過をみることが大切

かゆくないしもやけは、寒さによる血行不良が原因で一時的に起こることがあります。軽い症状であれば保温などの対処で自然に改善する場合もありますが、症状が長引く場合や痛み・指の動かしにくさを伴う場合には注意が必要です。気になる変化があれば自己判断せず、皮膚科などの医療機関に相談しましょう。

「かゆくないしもやけ」症状で考えられる病気

「かゆくないしもやけ」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

かゆくないしもやけと思っていたら、これらのような病気だったということもあります。症状が治らないときには、医療機関を受診しましょう。

「かゆくないしもやけ」に似ている症状・関連する症状

「かゆくないしもやけ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

かゆみがないしもやけも見られますが、重症になり痛みやみずぶくれといった他の症状が目立っているのかもしれません。また、かゆみを伴わないしもやけが、自己免疫疾患の皮膚症状の一つである場合、このような症状もみられるケースがあります。

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