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「眉毛の上が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「眉毛の上が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

眉毛の上が痛いとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「眉毛の上が痛い」症状で考えられる病気と対処法

目の疲れや鼻づまりがひどい時に、眉毛の上が痛いことがあります。放っておけば痛くないけれど、眉毛の上を押すと痛みを感じることもあるでしょう。眉毛の上が痛い症状は、どんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて解説します。

眉毛の上が痛い症状で考えられる原因と治し方

眉毛の上が痛い原因はいくつか考えられます。その原因と対策法、どの病院・科に行くべきか紹介します。
眉毛の上の痛みと一言で言っても、痛みの種類はさまざまです。ズキンズキンと鋭く痛むときは片頭痛、群発頭痛などを疑います。脳腫瘍など危険な病気のサインかもしれません。顔の内側から圧迫されるような痛みなら、副鼻腔炎かもしれません。皮膚の表面が歯痛のようにピリピリと痛い時は、帯状疱疹の可能性があります。眉間が凝ったように痛い時は眼精疲労かもしれません。眼精疲労ならマッサージやツボ押しで症状が軽くなりますが、それ以外では効果が期待できません。片頭痛なら患部を冷やすと症状が落ち着くことがありますが、何度も発症する時は迷わず病院を受診して下さい。
「痛みの種類」によって対処法、受診する科が変わります。ズキンズキンと痛いときは脳神経外科か脳神経内科、圧迫痛なら耳鼻咽喉科、ピリピリと神経に障るような痛みは皮膚科か、眼科を受診しましょう。凝った痛みは眼科を受診します。特にピリピリ痛みの帯状疱疹は、放置すると完治後も痛みが残ることがあります。早急に受診して治療を受けましょう。50歳から接種できる、帯状疱疹ワクチンも発症予防効果があります。

眉毛の上が凝って痛い症状で考えられる原因と治し方

攅竹(さんちく)

ついスマホに夢中になりすぎて、眉毛の上が凝って痛くなることがありませんか。これは眼精疲労の症状で、目の疲れや頭痛、肩こり、吐き気などが同時に現れることもあります。目を閉じると少し楽になる、眉間や眉を揉むと気持ちいいと感じるなら、眼精疲労を疑います。眼精疲労の原因は主に3つあり、近眼、老眼など「見え方」、緑内障、白内障など「目の病気」、風邪やストレスなど「疾患や心因性」があります。眼精疲労のセルフケアはマッサージやツボ押し、何より定期的な休息が欠かせません。
軽い凝りなら、顔のツボ押しやマッサージを試してみましょう。眉頭の近くにあるツボ「攅竹(さんちく)」をゆっくり押し、離すを繰り返します。攅竹(さんちく)は鼻筋の上と眉頭を結んだ線上にあり、軽く凹んでいるので探しやすいツボです。「押して気持ちいい場所」を探しましょう。眉毛を指でつまんで、痛くない程度に軽く揺らす眉マッサージも疲労軽減に役立ちます。何よりも、定期的に目を休ませるのが一番の対処法です。1時間に1回は目を閉じてリラックスしましょう。
休んでも疲労が取れない、しつこく症状が続くときは、できるだけ早めに眼科を受診しましょう。ただの眼精疲労と思ったら実は緑内障だったという可能性もあります。

眉毛の上を押すと痛い症状で考えられる原因と対処法

何もしなければ痛くないけれど、眉毛の上を押すと痛い場合は、痛みの種類で病状が変わります。内側から圧迫されるような痛みなら副鼻腔炎、筋肉が痛いと感じるなら眼精疲労を疑います。副鼻腔炎は鼻の奥の空洞、副鼻腔に溜まった膿が周囲を圧迫するので、内側から押されるように感じます。副鼻腔炎は膿=鼻水を出すのが最大の対処法です、優しく鼻をかんで出す習慣を付けましょう。しかし放置すると鼻の炎症が収まらず、慢性副鼻腔炎に進行するかもしれません。
眼精疲労はピントを合わせる眼球の筋肉、毛様体筋が酷使されて起こることがあります。瞳は近くのものにピントを合わせるとき、毛様体筋に力が入ります。スマホばかり見ているとずっと毛様体筋に力が入り、疲れてしまいます。定期的に目を休め、遠くを見る習慣を付けましょう。
副鼻腔炎は耳鼻咽喉科、眼精疲労は眼科を受診します。どちらも治療法があるので、できるだけ早く受診することをおすすめします。

すぐに病院へ行くべき「眉毛の上が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

吐き気、半身まひ症状の場合は、脳神経外科へ

眉間の上が痛い症状は、重い病気が隠れているかもしれません。脳梗塞、脳腫瘍、髄膜炎など、命にかかわる病気のリスクがあります。これらの病気は眉間の痛みだけでなく、さまざまな症状を併発します。頭痛、吐き気や嘔吐、手足のしびれ、めまい、半身まひ、ろれつが回らない、うまく歩けない、視野が欠ける(視野障害)などが起こります。言葉が話せなくなることもあります。脳梗塞はセルフチェックである程度自己判断できます。片足で立つと、麻痺する側の足では立てません。両腕を前に伸ばすのも分かりやすいセルフチェック法です。まひする側の腕は患者さんの意志と関係なく下がり、手のひらが内側に向きます。
これらの症状が出たら、迷わず救急車を呼んでください。

受診・予防の目安となる「眉毛の上が痛い」ときのセルフチェック法

  • 眉毛の上が痛い以外に頭痛がある場合
  • 眉毛の上が痛い以外に目の疲れ、肩がこる症状がある場合
  • 眉毛の上が痛い以外に濃い鼻水や発熱が出る場合

「眉毛の上が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「眉毛の上が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

群発頭痛

突然激しい頭痛に襲われる頭痛です。頭部の片側に激しい痛みがあり、眉毛の上が痛むこともあります。痛む側から鼻水や涙が出ることもあります。医学上は「重度~きわめて重度の一側の痛みが目の裏側や側頭部の 1つ以上の部位に、15~180分間持続する」発作が5回以上あることが診断基準になります。
治療はトリプタン製剤の内服薬や酸素吸入、点鼻薬、スマトリプタンの皮下注射などを使います。アルコールの摂取を避けることで、ある程度発症を減らすことが知られています。群発頭痛は通常の痛み止めが効きにくいので、予防が大切です。脳神経外科または脳神経内科を受診しましょう。

急性副鼻腔炎

副鼻腔という鼻の奥の空洞に膿が溜まることで発生します。30日以内に自然回復するものを急性副鼻腔炎と呼びますが、スッキリ治らない慢性副鼻腔炎に移行することがあります。
眉毛の上が痛くなるのは、副鼻腔に溜まった膿が眉間を圧迫しているためで、膿が溜まる場所によっては額、頬、鼻周辺に圧痛を感じます。頭重、ドロリとしたにおいのある鼻汁、嗅覚障害、発熱などが出るのが特徴です。発熱があると風邪と見分けがつかないことも珍しくありません。
細菌やウイルスが鼻腔に感染し、膿が貯まるのが主な原因です。検査は耳鼻咽喉科で行い、鼻内視鏡、レントゲン、CT検査などを使い診断します。治療は抗菌薬の投与やネブライザー療法(薬剤に超音波をかけて霧状にして、吸い込む)を行い、治りにくいときは手術を行います。
放置すると慢性副鼻腔炎になり、上顎がんの原因になることが知られています。そうなる前に耳鼻咽喉科を受診しましょう。

眼精疲労

いわゆる「目の疲れ」の症状です。かすみ目やまぶしさ、充血などの症状だけでなく、しつこい肩凝りや頭痛、吐き気などが出ることもあります。「休んでも完全に回復しない」ことが治療の目安になるでしょう。原因はさまざまで、度が合わない眼鏡や、PCやスマホを操作しすぎて目を酷使することで発症します。単なる疲れだけではなくドライアイ、緑内障などが潜んでいることもあります。
眼精疲労は眼科を受診しましょう。視力検査や前眼部検査、眼圧検査などを行い、原因を探します。度数が合わない眼鏡が原因なら、作り直すことで改善します。ビタミン剤の入った目薬や内服薬で緩和治療をすることもあります。一番大切なのは、目の適切な休息です。パソコン作業をする際は1時間に1回休み、ゆっくり目を閉じて休みましょう。

「眉毛の上が痛い」ときの正しい対処法は?

眉毛の上が痛い病気はさまざまで、中には視力を失い、命を落とす病気が隠れていることがあります。「痛みの種類に応じた科の病院に、できるだけ早めに受診する」ことが正しい対処と言えるでしょう。特に「耐えられない激しい頭痛」「ろれつが回らない」「体の半分がまひ」などは脳卒中のサインなので、ただちに救急車を呼びましょう。
症状の中には、対処療法で一時的に抑えることもあります。片頭痛が原因なら、眉毛の上を冷やすと一時的に収まるかもしれません。光や音、においのストレスがない暗い部屋で横になると回復することがあります。眼精疲労が原因なら、マッサージや休息で軽減することもあるでしょう。
何れにしても、自己判断で放置することは避けて、病状に合わせた科の病院を受診しましょう。眉毛の上が痛いのは病気の初期症状かもしれません。頭痛、発熱、粘りの強い鼻水が出る、皮膚がピリピリと痛いなど、ほかの症状が出ている時は、迷わず受診することをおすすめします。

「眉毛の上が痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「眉毛の上が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

眉間・眉毛の上が痛く凝っています。コリをほぐす方法はありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

眉毛を上下に軽くつまんで優しく揉むか、眉頭にあるツボ、攅竹(さんちく)を押すとコリがほぐれます。皮膚や目を傷めるので、マッサージやツボ押しは短時間に留めましょう。

眉毛の上が痛いときにマッサージしてもいいですか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

痛みの種類によりますが、マッサージして気持ち良いなら軽めにおこなって下さい。内側から押されるような圧痛がある時や、皮膚がピリピリする痛みがある時はマッサージの効果がないでしょう。患部を触らず、クリニックを受診して下さい。

眉毛の上を押すと痛いのは眼精疲労が溜まっているのでしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

凝ったような痛みがあるなら、眼精疲労が原因かもしれません。眼精疲労なんて大したことがないと思うかもしれませんが、緑内障など意外な病気が隠れていることがあります。自己判断せず、眼科を受診することをおすすめします。

眉毛の上が痛いときは何科の病院を受診したら良いですか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

痛みの種類によって科が変わります。内側から押されるような圧痛があれば耳鼻咽喉科、ピリピリした皮膚の痛みがあれば皮膚科か眼科を受診しましょう。激しい頭痛を伴う場合は脳神経外科か脳神経内科が良いでしょう。眉毛の上が凝るなら、眼科を受診します。

まとめ

「眉毛の上が痛い」場合は、どんな痛みかを意識しましょう。
眉毛の奥から押されるような痛みを感じる場合は、まずは耳鼻咽喉科を受診しましょう。ズキンズキンと鋭く痛む、頭痛を伴う場合は脳神経外科や脳神経内科、皮膚の表面がピリピリ痛い場合は皮膚科、眼科の受診をおすすめします。
鎮痛剤を飲んで我慢せず、痛みを繰り返すなら早めに受診しましょう。
なかには脳梗塞など、危険な症状が潜んでいることがあります。半身にしびれや麻痺がある時は迷わず救急車を呼んで下さい。

「眉毛の上が痛い」症状で考えられる病気

「眉毛の上が痛い」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経内科・脳神経外科の病気

耳鼻咽喉科の病気

皮膚科の病気

眼科の病気

眉毛の上が痛い時、眼精疲労が一般的です。しかし、脳卒中や緑内障など怖い病気のサインの場合もあります。

「眉毛の上が痛い」に似ている症状・関連する症状

「眉毛の上が痛い」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「眉毛の上が痛い」症状の他にこれらの症状がある場合でも「群発頭痛」「片頭痛」「脳梗塞」「脳腫瘍」「髄膜炎」「急性副鼻腔炎」「帯状疱疹」「眼精疲労」「緑内障」などの疾患の可能性が考えられます。濃い鼻水や発熱が出る場合や手足が動かしにくいような場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師