「赤いあざが突然」できる原因はご存知ですか？医師が徹底解説！

赤いあざが突然できると、身体はどんなサインを発している？Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
武井 智昭（高座渋谷つばさクリニック）

「赤いあざが突然できる」症状で考えられる病気と対処法

ぶつけていないのに、からだに痛みを伴わない赤いあざが出現した場合、何かの疾患が始まるということもあります。体調が良い場合であっても重篤な疾患の初期症状である可能性もあります。

赤いあざが突然できる症状で考えられる原因と治し方

できる部位にもよりますが、全身のコンディションに変わりがなければ経過をみてよい場合もあります。その一方で、皮膚の腫瘍の初期症状であるかもしれません。様子が変わりない場合でも、特に処置をしないで皮膚科の受診をおすすめします。

顔に赤いあざが突然できる症状で考えられる原因と対処法

​高齢の方で、日光に浴びる時間が長い場合には日光角化症が考えられます。成人までに実施してきた紫外線の対策に加え、皮膚の傷・やけどの傷跡から発症することがあります。この疾患は、顔等の紫外線のダメージを受けやすい部分に発生する皮膚がんの初期段階です。液体窒素で凍結させる治療と、クリーム等の塗り薬を用いた治療が行われるケースが多いです。放置すると拡大するため、レーザーや液体窒素などの治療が選択されることが多いです。

手や足に赤いあざが突然できる症状で考えられる原因と対処法

手や足にぶつけていないときに赤くあざができる場合があります。高齢の方では加齢により皮膚・血管の組織が弱くなり生じる老人性紫斑があります。こちらは赤色から青紫色となっていき内出血であるため自然に吸収されます。痛み・かゆみもないために拡大しなければ、このまま経過を見ていきます。
膝から下に、痛みを伴う、直径5mm以下の隆起して、痛みを伴う結節様のあざが生じることもあります。こちらの場合には、結節性紅斑が考えられ、下痢・血便・微熱が生じる炎症性腸疾患など隠れている病気を検索する必要があります。速やかに内科への受診をされることをおすすめします。
お子さんの場合では、両側の足にほぼ対称に生じ、隆起を伴うあざが生じた場合にはアレルギー性紫斑病が疑われます。この場合には関節痛、腹痛、血尿などを伴う場合もありますので、早い段階で小児科の受診が推奨されます。

背中やお腹に赤いあざが突然できる症状で考えられる原因と対処法

前述の加齢に伴う小さな紅斑が胸・背中・おなかにできることもあります。こちらは老人性紅斑と呼ばれるものであり、悪性化することはほぼありませんので経過観察でよいでしょう。お子さんでは、イチゴ状血管腫・単純性血管腫があげられます。前者は次第に隆起をして表面がイチゴ様の様子となります。多くは自然に改善しますので、経過観察となります。後者は単純性血管腫に分類される、平状の赤いあざ（良性腫瘍）であり、消失をすることがないため、皮膚科を受診してレーザー治療が適応となります。

大人の赤いあざが突然できる症状で考えられる主な原因と対処法

大人で赤いあざが生じた場合には、老人性紫斑（手足）、老人性血管腫（体幹）、クモ状血管腫、動静脈奇形が考えられます。いずれの場合でも発疹の数が増え隆起する、発熱や倦怠感などの全身の症状がある場合には、早期に皮膚科を受診することがすすめられます。
成人の場合では肝硬変や香辛料等の刺激物、アルコールの過剰摂取、寒暖差による血管の拡張による毛細血管拡張症の可能性があります。こちらは消えることはないですが緊急性はなく経過をみてよいでしょう。

赤ちゃんの赤いあざが突然できる症状で考えられる主な原因と対処法

お子さんの赤いあざで多いものは、イチゴ状血管腫・単純性血管腫（ポートワイン血管腫）が多いです。あざが拡大する、隆起するという場合には、かかりつけの小児科あるいは皮膚科受診をおすすめします。

赤いあざが突然できたが痛くない原因と対処法

ぶつけたなど外傷のエピソードがなく、痛みを伴わない赤いあざが出現した場合は、冷やしたりはせず、早い段階で受診をしてください。問題のない場合が多いですが、日光角化症という皮膚がんの初期段階の事もあります。このあざは年単位で少しずつ隆起をしてきます。成人までに実施してきた紫外線対策、皮膚のやけどや潰瘍などの傷跡からも発生することがあります。この段階で皮膚科を受診すれば、腫瘍細胞が表皮内のみにある状態のため治療効果が期待できます。
この他、成人で多いものでは毛細血管拡張症があります。アルコール・寒暖差などによる血管の拡張、にきびなどの皮膚の炎症など、皮膚表面の血液が過剰に溜まることで赤いあざ
が生じます。自然治癒は難しいため、サイズが大きい場合にはレーザー治療を行うこともありますが、緊急性はありません。

すぐに病院へ行くべき「赤いあざが突然できる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

下腿に隆起する赤いあざができ、関節痛や腹痛、血尿が見られる場合は、小児科・内科へ

下腿に隆起する赤いあざができ、関節痛や腹痛、血尿が見られる場合には、アレルギー性紫斑病が考えられます。溶連菌感染症などに続発すると考えられ、痛みで眠れないなど生活に支障が生じる場合がありますので、小児科・内科での受診をおすすめします。
また、下腿の痛みを伴う結節性の赤あざができ、発熱・関節痛・血便・下痢などの全身の症状がある場合には結節性紅斑と考えられ、その原因疾患となるベーチェット病・炎症性腸疾患（クローン病、潰瘍性大腸炎）などの自己免疫疾患の検索および治療が必要となる場合がありますので内科の受診を早めにご検討ください。

受診・予防の目安となる「赤いあざが突然できる」ときのセルフチェック法

• ・赤いあざが突然できる以外に関節痛・血尿がある場合
• ・赤いあざが突然できる以外に発熱がある場合
• ・赤いあざが突然できる以外に下痢・腹痛がある場合

「赤いあざが突然できる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「赤いあざが突然できる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

血友病

出血を止める凝固因子が先天的に欠乏している状態です。重症例では、重力に逆らった運動であるおすわり・つかまり立ちができる6か月以降に膝・肘などに大きなあざができます。関節内の出血であるため、小児科を受診してください。

急性白血病

血液を作る工場である骨髄の腫瘍であります。腫瘍様の白血球が増加することにより、全身状態が急激に悪化して、発熱（感染症にかかりやすい）、骨髄の機能低下での動悸・息切れ・活動性低下などの貧血症状、鼻出血・下血・紫斑などの出血傾向があります。早急に小児科・内科を受診してください。

再生不良性貧血

血液を作る工場である骨髄の大元である造血管細胞の機能が低下し、貧血・感染にかかりやすい状態（白血球数低下）、あざや鼻出血などの出血傾向がみられます。早急に小児科・内科を受診してください。

特発性血小板減少性紫斑病

ピロリ菌や風疹ウイルスなどの影響もありますが、出血を止める血小板のみが低下する疾患であります。下腿に点状のあざが拡大することが特徴ですが、鼻出血・口腔内出血・下血・血尿などの出血が明らかになることが多いです。小児科・内科を受診してください。

「赤いあざが突然できた」ときの正しい対処法は？

赤いアザができた場合には、出血などがしていなければ、冷却や外用薬などはしないで経過をみてください。体を温めたり・冷やしたりはしないでください。あざが拡大する、体のコンディションが悪化する場合には受診して原因に合わせた治療が必要です。

まとめ

赤いあざが突然できた場合には体の調子が悪いなど心配になることが多いです。まずは冷静に発疹がどこの部分にできているか、その大きさを写真でとるなどしてください。あざが盛り上がっているか数が増えているか、発熱や出血など他の体調不良がある場合には、自己判断で外用薬などを使用せず早い段階で皮膚科・内科・小児科を受診して原因を検索し、適切な対応をとってください。

「赤いあざが突然できる」症状で考えられる病気

「赤いあざが突然できる」から医師が考えられる病気は16個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

どこの部分に発疹があるのか、大きさや特徴を確認しましょう。また、発熱や出血など他の体調不良も一緒に出現する場合には、受診して相談することが勧められます。

「赤いあざが突然できる」に似ている症状・関連する症状

「赤いあざが突然できる」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「赤いあざが突然できる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「日光角化症」「老人性血管腫」「結節性紅斑」「血友病」「白血病」「アレルギー性紫斑病」「クローン病」「イチゴ状血管腫」などの疾患の可能性が考えられます。関節痛・血尿がある場合や、発熱がある場合、下痢・腹痛がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。